52.無属性は初めて聞きました。
「森にはよく来るの?」
「素材を探しに森にはよく入るんですけど、素材探しに夢中になってしまって気づいたら深くまで入り込んでしまって……魔物に追いかけられて走って逃げてたら方向を感覚がなくなってしまったうえ足を踏み外して落ちてしまいました。 ロイが無事で本当に良かったです」
ロイは自分の事よりもロザンナの心配をして、ロザンナも自分の事よりもロイの事を心配して……会ったばかりの私にさえ大切な家族なんだということが分かる。もちろん私も凪のことは家族のように大切に思ってる。
「ところで素材って? ロザンナもポーションを作るの?」
「ドワーフはポーションを作れません」
「え!? そうなの!?」
「ポーションを作るには繊細な魔力操作が必要ですし、何より魔力属性を持ちません。 ドワーフは基本的には無属性です。 無属性の魔力で武器を作るからこそ、属性持ちの方が使うとその方に武器が馴染み成長するんです」
無属性……そういう人もいるのか。少しはこの世界に慣れたように感じてたけど、やっぱり知らないことばかりで、まだまだ勉強が必要だと反省。
「ドワーフは基本的には鍛冶職人になります。 なので森や洞窟、鉱山には武器を作るための素材_鉱石を探しに行きます」
「じゃあロザンナは武器を作るための素材を見つけに森に入ったんだね」
「そうですね。 でも私の為じゃなくて、姉のために素材を探しに来たんです」
「お姉さんの為?」
「姉がもうすぐ成人を迎えるので、そのお祝いのプレゼントを渡したくて……珍しい素材を渡したら喜んでもらえるかなって思って探してたらこんなことになってしまって……ミオさんと凪さんが助けてくれなかったら私今頃命を落としていたかもしれない……」
マグカップの取っ手を掴む手が震えている。落ちた時のことを思い出してしまったのかもしれない。表情もどんどん暗くなっていく。
「ロイがいてくれてよかったね」
「はい、本当に……」
ロイはロザンナを慰める様に膝の上に飛び乗った。ロザンナはロイの背中を撫でながら、少し笑みを零した。
羨ましいほど仲良し。いや!私と凪の仲も負けてないと思いたい。




