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聖女の冒険  作者: 星野 奏


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48/118

48.車じゃなく馬です。

 元々活気のある街だったけど、瘴気が消えて更に賑やかで明るい街になった。


 みんなで食事をした次の日のお昼過ぎにラウルさん達と冒険者ギルドに行って、ビックリな事か起こった。なんとランクがEからDに上がったのだ。どうやらコレールバードの討伐者の中に私の名前も入れてくれたらしく、地道に行っていた薬草採取の依頼の業績と併せてランクアップになったみたい。


 驚いていると『お前も凪も一緒に戦ったんだから、名前入れんのは当たり前だろーが』と呆れながら言われた。そして『報酬も山分けにしてるから、確認しとけよ』と言われその日のうちに確認して息を飲んだ。薬草採取の報酬とは比べ物にならない額が入っていたから。『多過ぎませんか!?』と抗議するも、『普通だろ』と返され言い返せなかった。何故なら私は魔物の討伐をしたことないし、あのレベルがどの難易度の依頼なのか見当もつかないからだ。

 魔石も山分けにしてくれたから、かなり懐が潤った。


 入院費もラウルさん達が負担してくれたと病院で聞き、一緒にいたマルティナさんからは『ミオの分の報酬から出したから気にしないで』と言われたが絶対嘘だと思う。私が不満そうな顔をしていると『ポーション代渡さないとよね』と言われ『いりません!!』と言った瞬間、涼しい笑顔で『そういう事よ』と返されマルティナさんには敵わないなと思った。


 抜糸をするまでの間、みんなに少しゆっくりした方がいいと言われて凪と一緒にのんびりと過ごした。この世界に来てこんなにのんびりと過ごしたのは初めて。


 何もしないのも退屈すぎるので、持っている薬草でポーションを作った。

 作ったポーションを売りに行った時にパブロさんからまた忠告を受けた。『今更ですが、上級ポーションを作るのも技術と才能がいるので、ポンポン売らない方が良いですよ』って。

 本当に今更だな……とは思ったが、今回は相手がパブロさんだったから良い勉強で済んだんだなとちょっと感謝した。



「凪、次何処に行こうか?」



 やる事がなくなり、一緒にベッドの上で寛いでいる凪に尋ねた。



「マップを開いてくれ」


「うん」



 仰向けに寝転がったままマップを開いた。なんとも思わなくなってきた私は今の生活にだいぶ順応してきたなと思う。


 赤いマークを指さした。



「此処が一番近いかな?」


「みたいだな」



 赤いマークに触れると経路が2パターン出てきた。

 何これ!メッチャ凄いじゃん!


 それぞれの経路に触れてみると、どの位かかるのか表示された。どっちも徒歩と馬の場合の時間が表示された。車じゃなくて馬ってところに今更突っ込む気もない。



「馬10日間と2週間、徒歩約1ヶ月って……それなら10日間の方がいいよね!?」



 時間じゃなくて日単位って事にビビるけど……しかも徒歩。



「10日間の方の道は途中森を抜ける故俺の背に乗ればもっと早く着くだろう。 だが、途中小さな村や街に立ち寄りたければ2週間かかるが正規ルートだろうな」



 それはちょっと悩む。せっかくだから色々行ってみたい気もする。んー……どうしたもんか。


 んー……よしっ、決めた。



「今は早いに越したことはないし、森を通ろう。 小さな街や村は浄化が終わってから回る事にする」



 うんうん。そうしよう。


 その後も凪と今後の事を話して食事して、2人して爆睡だった。

 申し訳ない事に爆睡してる間も凪は結界を張ってくれている。私も早く面倒かけなくていいようにならないとなー。


 そしてなんだかんだしている内に、あっという間に時間は流れ、私は想像以上に痛かった抜糸を終え_一発目のあまりの痛みに叫ぶと危険人物だと思われたのか、看護師さんにガッチリ身体を固定された_今日やっと次の場所へ旅立つ事になった。言われていた通り、ポーションのおかげで腕の傷は残らなかったし後遺症もない。



「皆さん、わざわざお見送りに来て頂いて有難うございます!」



 幻月のみんなと商人ギルドのパブロさんもお見送りに来てくれた。



「次はどちらに行かれるんですか?」


「アーチザン王国に行きます」



 パブロさんに聞かれ、そう答えた。



「おっ! ドワーフの国か! あの国の酒は美味いぞ!」


「ミオさん、お酒あまり強くないから気を付けて下さいね」


「飲み過ぎるなよ」


「アーチザン王国の武器は一級品ばかりだから、自分の手に馴染む武器を探してみるといいわ」


「ミオさん、凪さん、道中お気を付け下さい。 分からないことがあればご連絡下さい」


「皆さん、ありがとうございます! 行ってきます!」



 みんなに見送られるのはなんだかくすぐったくて、ちょっと寂しい。


 門を出て少し歩いたところで振り返ると、もうみんなの姿は見えなかった。ちょっとどころかかなり寂しい。



“「そんな顔をするな。 永遠に会えないわけではないだろう」”


“「うん、そうだね。 行こう、凪」”


“「あぁ」”



 気合を入れ直して、一歩踏み出しもう後ろを振り返ることはしなかった。






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