表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の冒険  作者: 星野 奏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/118

32.薬草採取です。

 今日は早速ランクアップの為の初クエストを受ける為、冒険者ギルドにやってきた。Fランク用のボードにはたくさん紙が貼られている。クエストは魔物討伐か薬草採取の2択のようだ。


 魔物討伐は却下。たぶん私じゃなくて凪の仕事になっちゃうから。それでも凪は別に何も言わないだろうけど、私がなんか嫌。


 薬草採取の薬草はどれも違う薬草で、採取の数もバラバラだ。パッと見た感じこれかな?一番採取量が少ないから早く終わりそう。



“「それは止めておけ」”



 依頼書を取ろうとしたら、凪に止められた。



“「なんで?」”


“「マンドレイクは希少で、人に見つかりづらい森の奥地に生息することが多い。 美桜の場合地図で探知する事は造作もないが、初心者が手を出し易々と手に入れられるものではない」”



 マジか。


 パッと手を引っ込め他の紙に目をやった。


 【マンドレイク1個】の1個に惹かれて良いかもって思ったけど、数につられると大変な事になるって事よね。ひっかけクエストもあるって事は、ある程度勉強しなさいよって事だろうな。



“「どれが良いと思う?」”


“「スズナがいいんじゃないか? 数は15束と多めだが、森に入らずとも草原などでも見つかる薬草だ」”


“「そっか、じゃあこれにする」”


“「どうした?」”


“「因みにだけど、魔物討伐クエストの中で初心者じゃ絶対無理でしょっていうやつある?」”



 薬草採取しかする気はないけど、ちょっと気になった。



“「一番止めておいたほうがいいのは、ワイルドボアだろうな」”



 名前からして強そう。



“「凶暴なの?」”


“「猪を見た事あるか?」”


“「テレビで見た事あるけど、実物は見たことない」”


“「猪の様な魔獣で、大きさは猪の5倍と言ったところか」”


“「5倍!?」”


“「俺がやるなら問題ないが、今の美桜では確実にやられる」”



 今どころか今後もそんなのとやりあって勝てる気がしないんですけど!?


 魔物討伐は凪がやりたいって言わない限りやらないでおこう。


 ボードから外したクエストの紙を窓口に持っていった。ギルドカードを渡すと、カードとクエストの紙が水晶の中に入っていった。直ぐに出てきて、カードだけを渡された。



「こちらの依頼は期限3日以内となっております。 期限を過ぎてしまいますと任務失敗となりますので、3日以内に完了手続きをお願いいたします」


「分かりました」


「初めての依頼、頑張ってください」


「はい、ありがとうございます」



 冒険者ギルドを出て門へ向かった。入る時にもいたけど、出るところにも守衛がいる。



「身分証を出してくれ」



 出る時にも身分証いるんだ。


 冒険者ギルドのカードを出すと、ここでも水晶に一度入れられて確認すると直ぐに返してくれた。



「初依頼か!」


「はい」


「頑張ってな!」



 守衛のおじさんたちに温かく見送られ、なんともいえないやる気が胸に広がった。



「みんないい人だね」


「どこの世界でも同じだが、いい奴もいれば悪い奴もいる。 あまり気を抜くなよ」


「はーい」



 そうは言われても、日本にいた時よりも良い人に出会う確率が高いから、正直少し気が緩んでる。人に恵まれなかったというよりも、家族に恵まれていなかったと思う。


草むらに入り、人がいないことを確認してマップを開いた。凪の地図で探知できるという言葉通り、【スズナ】を検索すると吹き出しの様な目印がたくさん出てきた。


 おー!こんなにいっぱい!あと10分くらい歩けばたどり着きそう。


 あれ?



「ねぇ、凪。 この赤いマークって瘴気が濃いところなんだけど、動いてない?」


「確かにな」


「あ、止まった」



 地図上だとここからそこそこ距離がある気がするけど……どうしたものか……。



「その動いているのは恐らく魔獣だろう」


「え?」


「瘴気を浴び過ぎた魔獣が動いているから、赤い印が動くのだろうな」


「なるほど……今日行った方がいいかな?」


「今日は止めておこう。 討伐するための装備などを先にどうにかしたほうがいい。 基本は俺が戦い守るが、美桜はまだ防壁を上手く使えないから念の為装備やポーションを揃えておいた方がいい」


「確かに。 じゃあ今日は薬草採取に集中しよう」


「緊急で対応しなければならなくなったら俺がどうにかする」



 凪の横顔がいつもよりも凛々しく見える。かっこいい。


 頼りになり過ぎて既に凪がいないなんて事が想像できない。


 スズナの印がたくさんあるところにたどり着き、印を押してみた。するとなんと!スズナの写真が表示された。



「何これーメッチャ便利じゃん」


「美桜の持っているものは殆どがオクタヴィアン様の特注品だからな」


「やっぱ神様って凄いんだね」


「ふんっ、当たり前だ」



 オクタヴィアンさんの事を褒めると何故か凪の顔がいつも得意げになる。本人は気付いているのか気付いてないのかわからないけど、可愛い。


 鑑定で確認しながらスズナをバッグの中にしまっていく。スズナを鑑定する時に目に映ったもの全て鑑定範囲に入ってしまう様で、ちょいちょい他の薬草も見つかる。いつ役に立つか分からないので、その薬草たちもバッグの中にしまっていった。


 採取した薬草を冒険者ギルドに持っていくと、窓口のお姉さんに驚かれた。



「凄い! 早かったですね!」


「たまたま集まってる場所見つけちゃったので……」


「運も実力のうちですよ! それに、Fランクのボードの中で一番安全で優しい依頼をお選びになったのも流石です」



 そう言って真っ白な猫耳を付けてるお姉さんにウインクされた。リアル猫娘!可愛い!お髭もキュート!



「依頼完了確認致しましたので、こちらにサインをお願いします」



 クエストの紙に名前を書いた。すると、カードと紙をまた水晶の中に入れ、カードだけが出てきた。あ、アルファベットが変わってる。



「Eランクへの昇格おめでとうございます。 これからのご活躍楽しみにしてますね!」


「ありがとうございます!」


「こちらは今回の依頼完了報酬です」


「え? 報酬?」


「Eランクの昇格依頼の報酬は一律500ルピとなっております。 ご説明があったかと思いますが、Eランク以上の依頼完了報酬は全てカードにお振込となりますので、現金でのお渡しは今回限りです」


「あ、そうなんですね。 わかりました」



 初依頼達成の500ルピ!記念メダルとして何処かに飾っていたいくらい嬉しい。


 記念品にしたい勢いだったけど、せっかくなのでその500ルピで初めて出店でジュースとお肉の串を買い、広場で凪とささやかなお祝いをした。ちょっとした時間だったけど、とても贅沢なひと時の様に感じた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ