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聖女の冒険  作者: 星野 奏


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25/118

25.不審者ではありません。

 ラウルさんたちにおすすめの宿を教えてもらい、やって来た。この宿は冒険者専用の宿らしい。そして、紹介でしか泊まれない宿。つまりは一見さんお断りって事だ。


 3階建てで、外観は素朴なホテルって感じ。


 ドアを開けると、「いらっしゃいませ!」と元気よく出迎えられた。真っ白なうさ耳の可愛らしい女の子だ。昔からある宿って言ってたから、どしっと構えた女将みたいな人が出てくるかと思ってたからちょっとホッとした。畏る必要はないみたい。



「あの、ラウルさんに紹介して頂いたんですが……お部屋空いてますか?」


「ラウルさんからの紹介ですね! ようこそ! くつろぎ亭へ! お部屋のご希望はございますか?」


「ベッドは一つでいいんですけど、従魔も一緒なので、少し大きめのベッドがあるお部屋だと助かります」


「畏まりました! 少々お待ち下さい!」



 店員さんはとびっきりの笑顔を残して、カウンターの中へと入っていった。何やら紙をパラパラめくってる。



“「俺は床で寝るから気にするな」”


“「…………却下」”


“「おい!」”


“「一緒が嫌なら私が床で寝る」”


“「馬鹿言う__」”


“「そう言われたら嫌でしょ? って事で一緒にねる! もうこれは決定事項!」”


“「…………」”



 不満ありげな目を向けられたけど気にしない。1回一緒に寝てるんだから別にいいじゃん。私だけベッド使うなんて申し訳ないし。



「何泊されますか?」


「1週間お願いできますか?」


「畏まりました!」



 ん?ちょっと待った!



「すみません! 1週間って何日ですか!?」



 キョトンとした顔を向けられた。


 変なこと聞いてる自覚はあるよ。あるけど恥を忍んで聞くしかない!てか1週間とか言わずに普通に7日間でって言えばよかったんじゃ……?あー……やってしまった……。



「えっと…1週間は7日間ですけど……」


「あ、はは……ですよね。 急にテンパっちゃって! 変なこと聞いちゃってすみません……」



 取り敢えず笑って誤魔化す。



「あはは! 面白い方ですね!」



 なんとか不審者だとは思われなかったはず……。



“「馬鹿め」”



 ジロリ…とわざと睨むと、凪に素知らぬ顔をされた。



「お客様! 1泊3000ルピのお部屋でしたらご案内できますが、宜しいですか?」


「え!? 1泊3000!?」


「は、はい……あの、それより安いお部屋が生憎満室となってまして……」


「あ、いや! 大丈夫です! 大きな声出しちゃってすみません。 そのお部屋でお願いします」



 あまりの安さについ驚いたまま声に出してしまった。1泊3000ルピって3000円ってことでしょ?安すぎない?7日間で21000ルピだよ?


 食事代も安かったし……日本よりも物価はかなり安いのかもしれない。でも他の国に行ったら物価の変動はあるかもしれない。



「ではこちらにギルドカードを入れてください!」



 カウンターの上に冒険者ギルドで見た水晶の様な丸いガラスを置かれた。


 カードを取り出して水晶に差し込むと、スーッと中に入っていった。やっぱり凄いなこれ。


 水晶の中に入ったかと思えば、カードは直ぐに出てきた。するとポンっと上から鍵が飛び出してきた。色は見慣れた銀色だけど、形は日本のお家で使われる様なやつじゃなくて、アンティークの箱を開ける様な形をしてる。



「ミオ様ですね! こちらお部屋の鍵です! 鍵に描かれたマークと同じマークが扉にも描かれてますので、そちらのお部屋をご利用下さい!」



 掴むところが平らな四角になっていて、そこには星のマークが描かれている。



「お出かけの際には鍵はお預かりしますのでお声がけ下さい!」


「分かりました」


「それと、料金は前払いになります!」



 財布から21000ルピ出して渡すと、店員さんは確認して「確かに頂戴いたしました!」と可愛い笑顔をこぼした。


 アイドルみたいな子だなー。なんという可愛さ。私が男だったらイチコロだったかもしれない。



「お部屋は階段上がって2階の右突き当たりです! 何かありましたら気軽にお声がけ下さいね!」


「はい、ありがとうございます」



 笑顔でそして手を振りながら見送られ、私は階段を登った。まるでお出かけする時みたいなお見送りの仕方。






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