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聖女の冒険  作者: 星野 奏


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24/118

24.年齢は難しいです。

 久しぶりに食べる魚に感動した。最高!お味噌汁なんかもあればもっと最高。


 焼き魚頼んだけど、フォークとナイフが出てきたって事はこっちの世界にはお箸の文化はないのかな?ちょっと食べづらい。お家出した時にお箸は別でマジックバッグに入れておこう。



「この国でやっていくのか?」



 ラウルさんにたずねられ、首を傾げた。



「何をですか?」


「何ってお前……冒険者だよ。 何のためにギルドに登録したんだよ」



 あ、そっか。普通は冒険者になるつもりもないのに冒険者ギルドに登録に行ったりしないよね。



「色んな国を見て回りたいので、Eランクになったら別の国に行こうと思ってます」


「は!? Eで!? しかも1人でだろ!?」


「1人じゃないです! 凪も一緒にです」



 「ね?」と声をかけると、凪はお肉を食べながら尻尾で返事をした。話よりもご飯に夢中だ。そんなにお腹が空いてたなんて……もっと凪のお腹事情も気にするようにしよう。


 いつもしっかりしてる凪だけど、ご飯食べてる時とか、寝てる時は可愛いなって思う。



「無謀だな」



一番無口なシモンさんが口を開いた。



「旅をするのはCランクになってからが普通だ。 Cランクでも旅をするならパーティを組んでからだ。 一人旅をしている奴はBランク以上の者が多い。 Cランクでしていたとしても、限りなくBランクに近い者だろう」


「シモンさんの言う通りです。 普通の魔物でも強い魔物はいます。 その上瘴気に当てられた魔物は更に強いんです。 そんな魔物にEランクの冒険者が1人で遭遇すればまず命はありませんよ」



 シモンさんとテオさんが言ってる意味はよく分かる。実際に凶暴化した魔物に遭遇したから。確かにあの時はかなりビビった。悪夢でも見るんじゃないかってくらいビビった。実際はススキノコのせいで違う悪夢になったけどさ。


 凪を見ると視線が合った。尻尾がぽふっと椅子に触れた。


 みんなは凪の強さを知らない。ここで言うつもりもない。



「Cランクってどのくらいでなれるものなんですか?」


「それは難しい質問ね。 早い人だと3ヶ月、遅い人だとずっとD止まりの人もいるからね」


「え!? そうなんですか!?」



 そうだよね。何当たり前にランクが上がってくと思ってたんだろう。上がらないって事もあるよね……。



“「俺が一緒なんだ。 ランクが上がらないわけがないだろ」”


“「ん? そっか……確かに」”



 凪に顔を向けると、フンッと鼻で笑われた。


 空になったお皿を手で叩き“「おかわり」”と言われ追加でお肉を注文した。



“「これから頑張って食費稼いでね」”


“「任せておけ」”



 頼りになる相棒だよ。



「皆さんはランクいくつなんですか?」


「僕以外は皆さんBランクですよ」


「テオさんは?」


「僕はCランクです」


「まだ若そうなのにもうCランクなんですか!?」


「……ミオさんおいくつですか?」


「私はさ……16です」



 あっぶな。思わずここに来るまでの年齢言うところだった。てか今更16歳ですって言うのなんか恥ずかしい。ちゃんと16歳にしてもらってるから事実を言ってるんだけど、まだ30代の感覚が抜けきってないからバカな子みたいで恥ずかしい。



「僕の事いくつだと思ってます?」


「……同じ歳かな〜って思ってます」


「あははははははっ!!!」



 ラウルさんの笑い声が店内に響き渡る。さっきのお返しとばかりにお腹を抱えて笑ってる。



「僕はもう20歳です!!」


「え!? あ、嘘……あ、す、すみません……」



 冒険者だから同じ歳かなーって思ったけど、何も知らないで会ってたらそれより下に見えたかもしれない。そんな事は口が裂けても言えない。


 目がくりっとしてて、童顔だし、小柄だから若く見えるのかな?



「あー……えっと、皆さんパーティを組んでどのくらいなんですか?」



 またまた話を逸らした。


 今日はなんだかやらかしてばっかり。



「んー……どんくらいだっけな? 3年くらいか?」


「ラウルは本当適当ね。 昨日で4年経ったわよ」


「え!? マジ!? もうそんなに経つんだな」


「大事な日を覚えないから、彼女ができてもすぐ振られちゃうんじゃないの?」


「はぁ!? そんなの関係ねーだろ!」


「関係あるから。 ね?」



 マルティナさんに同意を求められて苦笑いになる。



「まぁ、記念日は大事ですね」



 記念日に振るような男よりは、記念日に無頓着な男の方がマシかもしれないけど。


 次こそは幸せになりたい。ふと切実にそう思った。



「ガキにまでそう言われるなんてな」


「ガキでももう成人してますし、女ですし、そういう気持ちは分かりますよ。 ラウルさんは女性より仕事に関心が強いんでしょうね」



 そう言うとラウルさんには呆れた顔をされ、他のみんなからは笑われてしまった。



「ラウルさんよりミオさんの方がしっかりしてますね」


「うっせー」


「あはははは」



 笑いが絶えない賑やかな食事は久しぶりで、凄く楽しかった。






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