21.基本情報の入力です。
水晶の前に立つと、左右、後ろにと黒い壁が現れた。電話ボックスの硝子が黒い板になった感じ。
「すご……」
感心していると、凪に鼻で足を突かれた。
「はいはい。 さっさと終わらせますよ」
カードを持ってる手が止まった。
カードってどこに入れるの?
ATMみたいにカードを差し込むようなところが見当たらない。目の前には水晶だけ。
まさかね……。
「うわっ! すご……」
違うだろうと思いながら穴も何も空いていない水晶にカードを差し込む様に押し当てると、そのままスーッと入っていってしまった。
これどういう仕組みなんだろう。
マジックバッグを使った時みたいに、水晶の前に画面が現れた。
**********
あなたは、ミオですか?
【はい・いいえ】
・本人以外の使用と判断した場合、電流が流れます。
**********
電流って……サラッと怖いことが書いてる。それに本人以外かどうかなんて分からないと思うんだけど……。それかなんらかの仕組みでわかる様になってるのかな?
不思議な道具ばっかりだし、そんな仕組みがありますって言われてもびっくりしないけど。
【はい】に触れると、画面が切り替わった。画面には基本情報の入力をお願いします。と表示されている。
言われていた通り、名前のところ以外は空欄になっている。面倒くさいから必須項目だけ入力しよう。
**********
名前:ミオ
性別:女
職業:冒険者
属性:光
従魔:ナギ
武器:弓矢
**********
記入はしたけどこれでいいのかな?武器のところなんて持ってるから入力したけどまだ全く使えない。
エラーになったら考えよう。
【登録】を押すと、【ご登録ありがとうございました。】と表示された。問題なかったみたいで良かった。
メニュー一覧が表示され、【ステータス】を押した。
**********
名前:二階堂 美桜(異世界人)Lv.5
年齢:16歳
職業:聖女
属性:光
魔力量:30万
スキル:結界・ホーリーアロー・鑑定・異種共鳴
魔法道具:マジックバッグ
従魔:凪(聖獣)
耐性:毒1
**********
あれ?レベルがちょっと上がってない?ん?しかもなんか増えてない?
耐性:毒1って……ススキノコ食べたから?毒の耐性が出来たってことは、今後は軽い毒なら大丈夫って事?
「毒に慣れたって事なのかな?」
「そうだろうな。 だが毒1というのは耐性があると言っても気休め程度だ。 鑑定を怠らない方がいいだろう」
「だよね」
因みにこの空間は防音になっていると壁に書かれているので、凪との会話は漏れていない。
「もう入力は済んだのか?」
「うん。 多分これでいいと思う」
「では先ず宿を探しに行くぞ」
「え? 商人ギルドは?」
「それは明日でもいいだろ。 慣れない街での宿探しは大変だぞ。 見つからなかったら一度出て家を出さなければいけないからな」
確かにね。街中であの家を出すわけにはいかないもんね。
右上のバツボタンを押すと、画面が消えた。そして水晶の中からカードが出てきた。ATMみたいに。
財布の中にカードをしまい、後ろに向き直して足を一歩踏み出すと、黒い壁が一瞬にして消えた。
おー……すご……。
色んなことに感動せずにはいられなかった。




