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聖女の冒険  作者: 星野 奏


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101.出会っちゃいました。

案内された部屋は窓が大きく開放感があり陽当たりが良く、飾られた大きな額縁の中には天使をモチーフにした絵画が飾られている。ここに来た理由が理由なので能天気にこの美しい空間を楽しめないのが残念だ。メイドさんが淹れてくれた紅茶を飲んで心を落ち着かせた。焼き菓子も用意してくれたけど、お菓子まで食べる気分にはならない。


_コンコンコン


ドアがノックされ思わず肩が飛び跳ねた。



「お待たせして申し訳ありません」



部屋に入ってきたラファエル様を見てつい見惚れてしまった。外では眼鏡をつけていたけど今は何もつけていない。そして被っていた帽子からのぞいていた髪の毛も男性にしては少し長めではあったが、実際は背中まで長い髪の毛を隠していたようだ。長い髪の毛を今は一括りにしている。外であった時もキラキラした雰囲気だったけど、本来の姿はこっちなんだろう。刺繡があしらわれていて、装飾品も煌びやかだ。品だけじゃなく、今は色気も滲んでる。

メイドさんがラファエル様のお茶を用意すると、ラファエル様は部屋を出て行くよう指示を出した。でもクライドさんは当たり前のようにラファエル様のそばに控えている。クライドさんも髪色が変わってる。

正面に座るラファエル様は微笑むと口を開いた。



「まずは謝罪させてください。 聖女様に対してあのような無礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした」

「え? いや、あの……ひ、人違い、じゃないでしょうか!?」



思ってもみなかったことを言われて不安も言葉も一気に吹っ飛んだ。驚きとどうしようってことしか考えられない。なんで?なんでバレた!?カフェにいた時と比じゃないくらい背中も脇もとにかく全身からの汗がやばい。指先もどんどん冷えていく。ちょっと震えてない?



「人違いではありません。 何故なら私は鑑定が使えますから」

「勝手に見たんですか!?」



あっ!私ってばつい口から……。スキルだのなんだの習得する前にポーカーフェイスを覚えないと駄目だ。しかも凪がいない時に……。



「船で楽しんでいる姿に目を引かれて、この国ではあまりお見掛けしない雰囲気でしたのでつい鑑定を使ってしまいました」



凪のことも私を鑑定したから知ってたのね。いつかは鑑定使える人に出会っちゃうかもと思ってたけど、こんなに早く出会っちゃうなんて……鑑定持ちと会っちゃったら運がなかったと思うしかないって感じだったからしょうがないんだろうけど、心の準備できてなかった。



「私が聖女だと知って監視をつけていたんですか?」

「そうです。 従魔がそばにいない時をうかがっていました」

「どうして、従魔が一緒だと駄目だったんですか?」

「従魔は私たちのことをとても警戒していたので、下手に近づけば危険だと判断しました」



従魔が一緒だと都合が悪い話だから外でできなくてこんなふうに連れてきたってこと?なんで連れてきたのか理由を聞きたくなくなってきた。絶対楽しい話じゃないじゃん。無理な要求されたらどうしよう。この国の浄化は後回しにして身を隠す?凪との念話は何処までの距離ならできるんだろう。オクタヴィアンさんなら凪と離れていても会話できるのかな?事前にこういうことを知ってたらこんなに焦ることはなかったのに、どうして前もって気付けなかったんだろう。たら、れば、ばっかり頭に浮かぶ。それじゃダメなのに!!今はこの場をどうするかが大事なんだから集中しろ私!!





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