エピローグ#1
初投稿です
稚拙な文章ですが読んでいただけたら幸いです!
4月3日
世間的に見ればなんてことない4月の第1週で、強いて言うなら一昨日エイプリルフールがあったななんて思うくらいの、いつも通りの日常を送るだけに過ぎない、ただの1日だ。
だが、俺、檜山潤とっては少し違った。
今日は高校の入学式なのだ。
いつもより少しだけ早く起きて、身支度を整える。入学式という事もあって髪の毛も軽くだがセットをした。
うん、悪くはない…はず。
身長は高い方だし、顔の作りも華は無いがどちらかといえば整ってる方だと思う。
朝ご飯を食べ家を出ようとすると
「学校今日からだったか?気をつけて行けよ。」
声の主はうちの祖父、うちの父は会社を経営していて海外を飛び回っている。母もそんな父について行ってる為、大地主の祖父の家に厄介になっていた。
「行ってきます、爺ちゃん。」
「あぁ、それと近いうちに紹介したい子がいるから夕方までには家に帰ってこいよ。」
「うん、分かった。」
紹介?齢73にして再婚でもするのか??
お盛んすぎるだろ…
俺が選んだのは徒歩で通える全日制の公立高校である[立明館高校]、略してリッコーと呼ばれている。
少しだけ気持ちが高揚してるのを感じながら、校舎が見える程まで来ると見知った顔に出会った。
「よう、潤。」
「久しぶりだな秀。」
このメガネをかけた男は宮本秀一、高校デビューなのか髪の毛が明るめの茶色になっていた。個人的には黒髪に黒縁眼鏡のクールな雰囲気が好きだったが、小学生の頃からの付き合いに免じて特に触れないでおく。
「同じクラスになれるといいな、秀。」
「結局中学の時は二年生の時しか同じクラスになれなかったからなぁ…それと。」
「それと??」
「神崎とも同じクラスになれるといいな!」
「なっ、、、」
「同じクラスじゃなかったから気づいてないとでも思ったか?三年生の頃から神崎ことが好きなんだろ?」
な、何故それを知ってるんだ!
一度も神崎の事なんか話した事ない…ぞ?
「女子とそこまで親しくしてなかった潤が、唯一仲が良かった女子なんて神崎くらいだしなー。それに、遠くから見ても俺には態度でバレバレだったぜ(笑)」
「ま、まぁ同じクラスになれたら嬉しいけど。後言っておくが!好きだとか惚れてるとかそういうのは抜きにしてだからな!」
「そういう事にしておくよ(笑)」
こうして俺たちは学校に向かって2人で歩いて行った。
校舎に到着した俺たちは下駄箱に貼られたクラスの組み分け表を見に行った。
「えーと、檜山、檜山っと…あった!」
「どうやら同じクラスみたいだな。」
「あぁ、よろしくな。」
秀と同じBだという事に安心していると後ろから
「おはよう!檜山くん!!」
「お、おはよう。神崎。」
この可憐な少女の名前は神崎美咲、色白の肌に、パッチリとした二重で栗色の髪の毛に少し癖のかかったボブがよく似合っている。身長も150代半ばで親しみやすい性格の為中学の時からかなりモテていた。
まぁ一部の男子にはその大きな胸が話題になっていたが、本人は気にしているらしい。
「クラス表見た?同じクラスだったね!これからもよろしくね!!」
見たかどうかの返事を返す前に同じクラスだという事を告げた神崎。だが、神崎は五十音順で上の方の欄にいる為既に同じクラスという事は知っていた。
「ああ、これからよろしく。」
「それと檜山くん!その髪型すごい似合ってるよ!」
「うっ、、」
折角冷静に返事したと言うのに、この妖精さんは何て事を言い出すんだ!!
そんなに目立たないように軽くしかワックス付けてないのに…女子って凄いな。
「あ、ありがとう。」
「2人ともイチャイチャしてないで早く教室に向かわないと遅刻するよ?」
「そんな!イチャイチャなんて大袈裟だよ!」
「神崎の言う通りだ!何を言い出すんだ秀!」
「はいはい(笑)、良いから行くよ。」
と秀に諌められた俺たちは大人しくB組の教室に向かうのであった。
教室に入ると既にほとんどの生徒が登校していた。皆同じ中学の友達や近くの席の人と喋ったり、その傍1人で本を読んだり、携帯をいじったりと各々自分の時間を過ごしていた者もいた。
「おーい、お前ら静かにしろ。」
チャイムの鳴った瞬間と同時に30半ばと思われる先生が教室に入ってきた。
「えー、今日からこのクラスの担任を務める乾工だ。気軽にコウさんとでも呼んでくれ、よろしくな。」
爽やかに挨拶をする先生、顔もかなりイケメンだ。大人の色気を纏った先生は少し前に不倫ドラマでブレイクした某有名俳優に似ている。
「ね、ねぇ結構カッコよくない?」
「私超タイプなんだけど!!」
「彼女さんとかいるのかな??」
などと早速女子達のなかで話題となっている。
流石はイケメン。
「これからHRの後すぐに入学式が始まるが何か質問のある人はいるか?」
と先生が聞くと直ぐに。
「はいっ!!」
いかにも今時の女子高生という感じの子が直様手を挙げた。
「先生は彼女さんとかいるんですか!?」
いや、かなりどストレートな質問だな。
下心丸見えだぞ。先生困っちゃうだろ…
そんな事を思いながら話を聞いてると先生が。
「彼女はいるが、今は3人いるな。1人は人妻だ。」
「え????」
とんでもない事をいいだした。
いやいやいや!!
いきなりぶっ込んだ質問をしたなとか思ってたらもっととんでもない情報をぶっ込んで来たぞ!この教師!
「ちなみにもう1人はどこの学校とは言えんが高校生だぞ?」
「えっと…アハハハ(汗)」
質問した女子生徒もあまりの回答に何も返せない。この先生もしかしてかなりのゲス男なのではないか??
「他に質問のある生徒はいないか?勿論俺以外の質問でな、スリーサイズを教えてくれるなら話は別だが。」
正解だった。この先生めちゃくちゃクズだ。
みんなドン引きしてるぞ。
静まり返った教室。そろそろHRも終わるかと思われたその刹那、勢い良く教室の扉を開ける音がした。
「すいません!!おくれました!」
教室に入ってきたのは白い肌にスッと通った鼻筋、スラリとした長い脚にブランドのロングヘアと青い瞳が特徴的でどこぞのハリウッド女優を思わせるような容姿をした女の子だった。
とりあえずまずはここまでて感じです。
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