ランチタイムの裏側
「あー、ねみぃ……」
朝、五時半。
俺は眠たい目を擦りながら、リビングへ向かった。
そして、冷蔵庫の中を確認。うん、色々と揃ってる。
「よし――作るか」
俺は弁当を作り始めた。
☆★☆
「作りすぎた……」
一時間後。
テーブルの上にはたくさんの料理。唐揚げやきんぴら、卵焼き。全て、弁当用に作った物。
本来の分は、俺と姉の二人分だけで良い。
でも、どこで間違えたのか、 目の前の料理は二人分をはるかに超えていた。
――どうしようか……。
気が乗らないが、仕方ない。ヴァカにもあげることにするか。
それでも、3人分。さらに家族で朝から食べるとしても、まだ残る。
「誰かにおすそ分けするか……」
結局、俺はその日、弁当を四人分持って行ったのだった。
☆★☆
「よっし、これであと1人分!」
さっき、優に弁当をあげた(押し付けた?)俺は満面の笑みで廊下を歩いていた。
向かう先は部室。マリンは先に行ってしまったため今はひとり。
ということは、傍から見れば、ひとりで笑っているヤバいやつである。でも、俺は気付かず、歩く。
でも、弁当は残り1人分余っている。二人分俺が食べても良いけど――
「あ……」
俺は視界にうつった可愛い先生のもとに駆け寄った。
☆★☆
「良かった……」
皆にあげた弁当は好評だった。俺は安堵のため息をつきながら歩く。
もちろん、顔は満面の笑みが浮かんでいる。
今は下校中。マリンは無理やり先に帰らせた。
そして、俺が立ち寄った場所は家からすぐ近くのスーパー。
「明日は何を作ろうか……」
俺は量に気をつけながら、弁当用の材料を笑顔で選び始めるのだった――。