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ランチタイム (みみちゃん先生)


「あー、みみちゃん先生。これ、どーぞ」

「……?どうしたんですか?このお弁当」


午前の授業が終わって職員室に向かおうとしていたわたしに駆け寄ってきて、弁当をくれた佐藤君。


「いや、作りすぎちゃって……あ、ごめんっ!もしかして、自分で持ってきてる?」

「い、いえ、今日は弁当を忘れてきてたので……あ、ありがとうございましゅっ」


また、噛んでしまった……。動揺したりすると、すぐ噛んでしまうのはわたしの悪い癖だ。

恥ずかしさで赤く染まる顔を隠すためにお辞儀をしてわたしはその場を去った。



「す、凄い……美味しそう」


職員室の自分のデスクで蓋を開けるとそれは、宝箱のように輝いていた。


わたしは我慢出来なくなっていただきますも言わずに、食べ始める。

唐揚げに、卵焼き、ポテトサラダに、コロッケなど……。


お弁当にわたしもいつもいれているメニューと同じはずなのに、格が違うのがすぐわかった。


少し、女子として自信をなくしそうです……。


そんな切ない気持ちになりながらも、わたしの箸は止まらない。


「あら、宮本先生。美味しそう……唐揚げもーらいっ」

「あっ……」


隣に座っていた家庭科担当の先生に、最後の一つの唐揚げを食べられてしまう。


わたしが軽く落ち込んでいると、彼女が急に目を輝かせてわたしの手を掴んできた。


「これっ、誰が作ったんですか!?あなたですかっ?」

「い、いえ、生徒が……」

「紹介してください!!わが、家庭科部に招きたいです!!」


そんな、彼女にわたしは笑顔で言ったのだ。



――ダメです。うちの子ですから、と。



なんだか、お腹空いてきた……

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