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十三話

「よーし、今日は住民が来るはずだから、スムーズに事を進めるために役割分担するぞ」

「「「「「「「「はーい」」」」」」」」


俺達がこの街を作って2日目

今日は住民をラルとリルが連れてくるはずだ


「じゃとりあえず、メルとミラは受付作るから、世帯主とその家族の名前と年齢を記録しといて」

「......了解」

「わかりました、精一杯やらせて頂きます!」

「んでマールとセリスと守で、農家と一般人、あといたら商人に分けてくれ」

「わかった」

「おっけー!」

「了解」

「最後に美里と円香と真理は列を整えたり、メンバーの誰かが疲れてたら交代してやってくれ」

「わかったわ」

「わかりました」

「わかったよ!」


よし、こんなもんかな

あとはラルとリルにギルドの方を任せて...ま、どうにかなるだろ


「よし、じゃあ早速...『作成魔法《長机》《椅子》』」


そう唱えると、目の前に机が六台、椅子が十個出てきた


「んで、紙とペンを用意して...よし、ばっちし!」


あとはあいつらを待つだけだな


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数時間後......ラルとリルが元住人を連れてきた

あ、大型転送魔法陣は用意してました


「ジンさん、連れてきましたよ!」


ラルとリルにはあらかじめジン兄からジンさんへと呼び方を帰るように言ってある

理由は、ただの領主が騎士団長や魔法師団長に兄呼ばわりされるのは変だと思ったからだ


「お、やっと来たか。何人くらいだ?」

「29世帯で、総勢87人です」


予想とだいたい一緒だな

なら大丈夫だろ


「よし、じゃあまずは挨拶からいくか」


そういいながら住人たちの方を向いた

人々は少しざわついている

多分家がまだ建ってないから、疑問に思ってるのだろうな

ま、とりあえずは自己紹介すっか


「この度この街の領主になった、ジンという者だ。まだ住むための家がなくて不安になっている者もいるだろうが、今はとりあえず戸籍登録をしたい。来たばかりで悪いがよろしく頼む」


そういいながら頭を少し下げる

すると一人の女性が話しかけてきた


「ねぇ、少しいい?」

「なんだ?」

「こんなこと初対面で聞くことじゃないとは思うんだけど...何が目的なの?」

「へ?」


なんのことだ?

と考えていると、旦那さんらしき人が割って入ってきた


「お、おい、領主様になんてこと聞いてるんだよ...」

「だって、普通に考えて住民に頭下げる領主なんかいないじゃないの」


あ、そういうことか


「それに、今の街の状況を見たら、文句を言う点が大きくわけて三つはあるわ」

「その3点はなんですか?」

「衣食住、農業、商業よ」

「具体的に言うと?」

「まず一つ目、衣食住に関しては見ての通り、家がないし、食料もなさそうだし...服については多少我慢しても、さすがに無理があるわ。そして二つ目、さっき言った食料を作るための畑が一切ないわ。今から耕して作るにしても最短で半年はかかる。そんなに掛けてたら餓死しちゃうわ。最後に三つ目、この二つがないからっていくら食料や種を買いたくても、そのための交渉ができる人がこの中に何人いると思ってるの?あなた達の中には何人かいるかもしれないけど...私たちの中には全くと言っていいほどいないのよ?この問題を、領主様は今すぐに解決できるの?」


...なんだ、それだけか


「できるけど?」

「「「「「「「へ?」」」」」」」


なんか腑抜けた声がそこら中から聞こえてきたけど気にしない


「じゃ、じゃあ証明してみなさいよ!」

「わかった、じゃとりあえずこっちの紙にに自分と家族の名前と年齢を書いてくれ。それをしないと始まらん」

「.........わかったわ」


その女性は疑いの目でこちらを見ながらしぶしぶ戸籍に名前を書いた


「書いたわよ...」

「じゃ見本ってことで、最初は説明がてら順序を実演してっか」


といいながらその女性と旦那さん、そしてその子供を連れて、少し離れたところに移動した


「ここら辺でいいかな...そういえば、元々の家と同じような間取りのほうがいいのか?それともまた新しく作るか?」

「...出来ることなら元々の家がいいわ」

「俺も、出来るならあの家にしてほしい」


子供はまだ小さいから、話すことが出来ないようだ

だけど、意見については賛成の意を評しているみたいだ

なんとなくだけどな


「よし、わかった。じゃあ俺の体のどこかに触れて、その家を思い浮かべてくれ。鮮明にな?」


2人はジンの言っている意味はわかるが理解ができないといった顔をしていたが、とりあえず従うようにジンの肩に触れた


「じゃあいくぞ?...『作成魔法|《民家》』」


と唱えると、みるみる間に家が完成した


「これでよしっと...」

「「「「「「......」」」」」」


この状況をみて、そこに居た人々はあんぐりと口を開けていた


「この魔法である程度のものは作れる。それこそ服とか、畑とかもな?肉と魚については一先ず俺たちで集めてくる。それ以降は近くの街で交渉をして、ここに市場を作って売らせる。商人についてはうちにスペシャリストがいるから、希望者がいれば声をかけてくれ......これでいいか?」

「「「「「「......」」」」」」


開いた口が塞がらないとはこの事だろうか

全く閉じてくれる気がしない


「おーい、大丈夫か?」

「...はっ!?これは夢なのね!」

「違うぞ」

「違うの!?じゃあ何!?天変地異!?」

「ただの魔法じゃねぇか?」

「......まぁいいわ、疑って悪かったわね」

「おう、それで...許す代わりと言っちゃあなんだが...」

「なに?私になにかさせるつもり?」

「領主の仕事、手伝ってくれないか?」

「............え?」


やっぱダメかな?

正直あれだけ初対面で意見を言えるって言うのはすごいと思うし...しかも領主相手だよ?普通無理じゃん


「...まさかそんなことを言っておいて私にいかがわしいことをするつもりなのね!?」


...........................へ?


「いやしないよ!?」

「嘘よ!あぁ、私はこの男に穢された挙句旦那のところに戻れないように調教されて墜されるんだわ!これがNTR...」

「なんでその略し方知ってるの!?それにしないしね!?」


なにこの奥さん...意外と変人?


「すみません、うちの妻は妄想し始めると止まらなくなるので...」

「あ、なるほど。それはまた大変な奥さんで」

「いやぁとんでもない」


いつの間にか復活してた旦那さんと自然と話してた

ていうかホントにいつ復活したんだ......?

さっきまで放心状態だったのに


「とはいえ、そろそろ止めますね...アラベラ!『エレンが泣いてるぞ!』」

「え、エレンが!?......はっ!?...ご迷惑をお掛けしました」


え?そんなんで戻るの?


「エレンっていうのは、この息子のことなんです。妻は子供が出来てから妄想癖を治そうとしていまして...その結果、エレンに関することを言ってあげると正常に戻るようになったのです」


なるほどな


「それでは、そろそろ他の者達の家もお願いしてもよろしいですか?我々の家はもう出来ましたので」

「わかった、不備があったら言ってくれ。相違点を言ってくれればすぐに直すから」

「...本当に領主様とは思えない対応ですね。他の貴族共とは偉い違いだ」

「え?だって領主っていっても形だけだしな」

「あ、そうなんですか?」

「実際の経営はこっちのメルビィがやるからな」


そういうと、仁のすぐ隣にメルが来た


「......メルビィです、よろしく」

「は、はい。よろしくお願いします...」


住人は少しキョドってる

相手がエルフだからかな?


「メルは俺の仲間だからな。変な先入観でものを図るなよ?」


そう、こいつらがキョドるのも無理はない

これはこの世界で五年前...ちょうど俺が召喚される一年前

にその戦争は起きたのだから

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