表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

3日目


____“ア”に濁点を付けたような

しゃがれた鳴き声。

そしてそのやかましさに目が覚める。

どうやらカラスが近くに居るようだ。

そう思って起き上がると驚きの光景につい大声を出してしまう。

「おい、テメェら巫山戯ふざけんな!!!!!離れろよオイ!!!!!」

こいつら、リュックに群がっていたのだ。

そしてなんとか追い払ったはいいが、

更にムカつくことに丁寧にも食糧のみを啄んでいきやがった。

怒りのあまりカラになった食糧の残骸を地面に叩きつけるものの、

途方に暮れる訳にはいかない。

“まだ大丈夫と思っていた食糧が消えた。”

これが由々しき事態なのは変わらないのだから、

食糧を確保する手段とその道具の作製のために頭を捻らなければならない。


それに今回の件には俺の“油断”もある。

『ドアがあるから大丈夫』だなんて甘かったのだ。

油断大敵。ここまで身に沁みて実感したのは初めてだ。

何か…何か案は浮かばないだろうか。


____悶々と考える事2時間。

思えば昨晩から何も口にしていない、

そんな状態で何か名案が浮かぶだろうか。

答えは勿論ノーだ。

何も浮かばないまま、空腹感と無駄な時間が積もっていくだけである。

「やべぇ…腹減った。」

そう。何をするにもまず1番初めが1番辛い。

もう何日も断食をしているような気分になる。

生憎この周りの木は建築材には使えそうだが、食べられる実が成りそうなものは無い。

しかし、状況打開の為には何か行動を起こさなければならない。

だが、ノープランで動くのは愚。

なにか考えなければなるまい。

何か…何か。

まあ、残念ながら数時間後にこうして立ち止まることこそが最も愚だと知るのだが。


____数時間後。

日が暮れかけてきた。

腹のなる音がこだまする。

人間食べなくてもなんとかなるとは言うが

キツいものはキツい。

もう動きたくない。

こんな事なら、まだ空腹感の薄い間に動いていればよかった。

取り敢えず水だけ摂取して生命をつなぐ。

恐らく今が1番辛い時なのでそれを越えたら動き出そう。

今日のところは寝る。


____最悪の寝つきだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ