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サークル活動という名の

「やっぱり、難しい。わけわからん」

「頑張れ」

「ええ……」

僕は三か月十四日ぶりに本の次ページめくる。

教科書とか資料集を除けばですけどね。

読む暇はありましたけど、こちらに来てからは健康的生活で夜は寝ておりましたのです。

ご想像の通り、少しだけ本に入り込んでおります。

一、九の割合で無駄なく脳みそを動かして、参加していますので安心してください。

優先すべき方が九です。当然です。

本をめくるのって楽しいですね。


やる気出ない。もとい、やりたくない理由の一つは、制限にある。

講義でやった内容は公開できないず、その内容に関して教えることはできない。

よって、今まで使ってきたものは、ほぼ全て使えない。

そんな前の学園が魔法の権利を持っているとも言えなくない状態なのだ。

きちんと教えられない事に気分が悪い。

自分が思っていた以上に不完璧アレルギーだったという事でしょうかね。


この為、今まで僕が培ってきたものは自分で補完してもらって、新しいことを僕が教えるのではなく導くという形で教えているのだ。

そんな遠回りをしなくてはならないから――面倒だ。

「ここはどうやるの?」

「ああ……うーん。次回までに作っておくから、こっちの本の方が参考になるから――」

面倒で、うん、面倒だ。


二人はどちらかといえば、優秀の部類に入ると思う。

片方に限れば小さい頃からやってきたので『わからん』という口癖ですが、学部生に次ぐ位の実力はありそうです。

もう一人はそつなくこなすって感じで、得手不得手が感じない不思議な感じです。


基礎から叩き込む為にとりあえず自室にあった本を読み込んで暗記して貰っています。

教えているというのは怪しい感じですが、手っ取り早いですし。


「今日はもう終わり。代表の言う事は絶対です」

「忘れ物の無いようになー」

「それじゃ」と乱雑にカバンに荷物を詰め込む。

「次は何時集まるの?」

「気分で」

さいですか。

「お疲れ様」と僕は見送り、栞紐を挟んだ。


サークル活動というよりは居残って資格勉強をしている形に近いですかね。

彼のやりたい物には届きませんが、近しい事をやっているつもりではあります。

現状は少数だからできることですけども。

代表がいいとこのボンボンだから成立したとこもあります。

人数的にもこの形が成立するのは彼の権力故です。

自分としてはほぼ成り行きなのですが、腕が錆びない為という事にしておいてます。


「君は、何時まで残るの?」

「迷惑だったでしょうか?」

じっとこちらを見つめる瞳が何処か怖かった。

「これからお茶を淹れるつもりだから、一時間ぐらいで帰ろうかな?」

「じゃあ、私もそれくらいで」

一方、こっちはマイペースと言いますか、なんと言ますか、これも個性的ではあります。空気が読めないって感じで何を考えているかわからない感じですね。


無言の空間は嫌いではありません。

それが一時間、二時間であろうと僕は気にしないタイプなのですが、ほぼ初対面の相手には無理でした。

頭が一杯になるペースは今までの比ではなく言葉が頭から口に雪崩れ込んだ形となりました。

「ねぇ。何やっているの?」

「これ」と僕が渡した教科書を読み込んでいました。

「聞きたいところある?」

「特には」

「そっか。うん、そっかー。何か、聞きたかったら聞いてね?」

「……」

お茶の味が薄かったですかね。

次は濃く入れましょうかね。

とお茶との会話の方が弾みそうでした。


「――はいっ。そろそろ終わりにしますので片づけてくださいっ」

彼女は時計をみてこちらをじっと見つめた。

後、十分ありますよって。

五十分は切り上げで一時間です。今、決めました。はい、いいですね?


「あの。あなたはどうして魔法陣学を勉強しようと教えようと思ったのですか?」

その哲学的質問に僕は「少し長くなるけど良いかな? 簡単に――「じゃあ、いいです」と切られて、「ではまた」と去っていった。

僕は一様、手を振った。

質問と僕を置き去りにして。答えに関しては置き去ざる前に行ってしまった。

うん、僕も帰ろう。

今までの理不尽な経験が生きたという事でしょうか?

心穏やかです。

さあ、戻りましょう。はい。


帰り道の雲間にある西日は何だか、いつもより目に染みました。

――今日もよく眠れそうです。

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