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十三時限目

課外実習です。フィールドワークです。

なぜ、こんなことになっているかというと――僕にもわかりません。

これを行わないと単位認定してくれないそうです。『決まり事』それだけです。


「おっきー」上を見上げて、思わずそんな言葉が漏れてしました。

「世界樹ですからね。宇宙樹ともいわれるくらいですからまだ大きくなるそうですよ」

「へー」逆に教えられているような姿になっている事に気にならないほどそれに圧倒されていたのです。

実物を見るとインパクトありますね。

ここですべてが済ませると表現されていますが、小国家レベルではないでしょうか?

下層では商業区で売られている商品の大半を作っているそうです。

上層では居住区と表現すればいいのか分かりませんが、とにかく多数の人が営んでおります。ここ出身の生徒もいるほどです。

高所恐怖症の人は住むのが辛いだろうなと思った自分はきっと縁のない場所でしょう。


魔方陣イコールという発想が出なかったため、過去のレポートなどを参考に各自好きな事をしてもらう事にした。魔方陣の発動、材料の収集などだと思います。

レポートは提出してもらいますけどね。何かしないと怒られてしまいますから。

とにかく、一旦解散です。

放任主義という訳ではないのですが、木の外周がとんでもなくなくあるので足だけで探すのは無理があるという事で泣く泣くの自己判断の現地解散です。なくなく。

できれば怪我をしないように祈るだけです。痛いですし。


自分はというとお伴を連れて木の外周探検です。

現地人ならぬ観光案内の人に引き連られて行く半日の旅です。

こう歩いて見てみると、本当にタギング(壁の落書き)みたいなものがあちらこちらにあります。

これは決して自己顕示ではなく――いえ、あながち外れていないのですが、とにかく意味があるものです。

「ここは昔、美術学科の生徒が作ったものだよ」

芸術的に作られたものは無駄があるのがそれさえも作品の一部に感じてなんだか感銘を受けるのです。

「すごいねー」「そうだねー」「あんた、芸術わかるの?」「失礼な」

……なんで皆さんここにおられるんでしょうかね?

「写真も撮れたし、それじゃあ解散しましょうか。解散!」

僕、さっき解散て言ったのですが……もういいです。

「皆さん、無理しないでくださいねー」とお伴を見送ったのだ。


「大丈夫ですか?」と心配されつつ息も切れ切れに案内人について行くのだ。

「ここいらで休憩しましょうか」

ふわふわ浮く感じに体が未だに慣れない。

土肌が見えないほどうねうねとしている根っこの上を通るので、普通の重力で移動するのは至難の業。そのため、ここら一帯は魔法の力で体が軽くなっているのです。ここも地上なので表現が難しいのですが、重力が薄くなっているって感じらしいです。深い谷底に落ちても怪我はしないらしいですが、気分はいいものではないですね。

目の前にあるこの絶壁も浮いて登らなければならないのです。

体力は使いますね。

前を行く人たちはなんで元気いっぱいなのでしょうか? 僕と同じく初めて来て、彼ら、はしゃいでいたはずなのですが、体力以前の問題な気がします。――いえ、体力もですが。


「ここです」

なんとか着きました。

途中途中に休憩所があって景観を壊しているのではないかとも思いましたが、これも含めて観光地なのだと考える事にしました。果実ジュース美味しかったですし。


やはり僕も影響を受けてミーハー気味になってしまったのかもしれないと、誰かさんの顔を思い浮かべてしまい少しだけ不愉快になりました。

「では、描かせていただきます」と気合を入れます。

その目の前の根の壁に魔方陣を刻んでいくのだ。


ここら一帯に書かれている落書きのような魔法は各学部が描いたものだ。

習わしというほどでもなく、もちろん決まりごとでもない。

最初は単純に移動魔法を利便性の為に刻み込んでいたのだが、いつしか観光名所として見世物とされているのだ。

古いものもあるから歴史的文化的価値が高いものが見られるという事で観光資源と化しました。上手な三次産業ですね。

世界樹はいまだ成長している訳で描ける範囲は増えていく一方です。もちろん権利書というか許可はひつようですけど、誰でも描けるらしいです。

せっかくですから案内人には埋もれない良い所を選んでもらいました。彼は世界樹の研究者でスペシャリストの一族らしいです。行く途中に本当はミュージシャンになりたかったという不良自分語りをしていたので半減していますが、そこら辺はどうでもいいでしょう。


最も効率のよい魔方陣を設置した。

満足です。


レポートの中身なのですが皆さん壁画鑑賞というのはどうなのでしょうかね?

評価するこちらの身にもなってください。

魔方陣と上手くからめているのがムカつきを通り越してすごいと呆れてしまうくらいです。

よく書けていて優秀な生徒ですこと。


――よく考えたら、僕より見ている数多くないですか?

倍くらいあるのですが。

少しだけ体鍛えようかなと悩みつつ、夕食を小走りで買いに向かうのだ。

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