九時限目:後期予定の説明会
――ですから、今まで講義で習った事を用いて行っていただきます。
もう一枚の予定表は、卒業生を考慮したものとなっております。
今年に卒業される方はおりませんので、まだこの予定で確定している訳ではありませんが、来年度以降の参考にしてください。
変則的な予定表は学年がバラバラな所に理由がある。
卒業したい時に卒業すればいいという生徒は少なくない訳で、最低限二年以上在籍すれば卒業式に出られるということらしいです。
逆を言えば好きなだけ居てもいい。年齢が分からない方もいます。
魔法学科は新設なので、まだお試し期間的なのを拭いきれませんね。
そう言えば、すごい人を見かけた事があります。
卒業制作を何個も作っているという事だ。それは卒業制作と言えるのか疑問ではあるが、卒業よりもそちらに何かを見出したということだろう。
それは僕の考えうれる外側であると共に、きっとここでの日常なのである。
一通り終わりました。シラバスもオーケーです。
教科書もオーケーです。
白衣にゴム手袋、シャンプーハットじゃなくって……キャップでしたっけ? お風呂に入る時の奴。購入リストに手術キャップって書いてありました。イメージが古かったでしょうか?
とにかく、それらもオッケーです。
物販も終わりました。
えー、実習も始まりこれから忙しくなりますが、後期授業と共に精進するよう頑張ってください。
今日はこれにて全部です。面白い事はありませんでした。
という事で面白エピソードにでも――。
ああ!! 忘れていました!!
実家に帰った時のお土産です。
『レポートの書き方』
『説得力のある人、ない人』
『ここを押さえれば大丈夫。社会人の話し方』
ここに来てから、魔法関連のレポートは少なからず読むようになっておりました。
彼らのレポートの実力は申し分ない範囲にはいるのですが、基礎が伴っていませんで。
読んだ感じ、個性が先行して実力のみでカバーしている印象です。
決して個性が悪いと、個性を無くせと言っている訳ではありません。
基礎が無いため個性が死んでいる。個性が悪い方へ向かう可能性がある事。
基礎が無いと良い物でも無駄になる。
欠点になる。生かされない。
つまりはそういう事です。
そのまま渡すのも、『お前レポートもっとしっかり書けよ』って言っているみたいでやな感じじゃないですか。
だから、有用そうな部分をまとめてコピーして配りました。
一ページ目には『この形で提出してください。この形以外で提出した場合、再提出となります』と付け加えておきました。
ちょっとしたお土産と一緒に渡すので、その辺は大丈夫でしょう。こちらは安定の食べ物です。
販売とは別で渡すので、すっかり忘れていました。
教材扱いでは無いのですが、……ちょっと位、いいですよね?
これにて終わりにします。お疲れ様でした。
短い時間ですが、頭がフル回転して疲れました。
これだけ頭の中を巡らせているのは、自分の都合だけでここに来させてしまった事。
他の教材販売に合わせられなかったのです。
そういったプチ罪悪感があります。
それにしても、お腹すきました。
ちょっと早いですが、お昼にでも――。
「お腹すきましたー。お昼行きましょー」
「もう、忙しくて、忙しくて嫌になりますよ」
いつも通りの会話をしているが、本当にお互いに忙しく、前ほど会えなくなっていた。――僕だって忙しくて、暇じゃないのですよ?
「食事はちゃんととってる?」
「うーん。どうでしょ? 忙し過ぎて覚えていません。」
「ちゃんと取った方が――」
僕自身がまともにとっていなくて、自分を自分の中からはじくためにそんな事を口走ってしまった。
「はぁ……。ため息しか出ませんよ。手帳見るだけで鬱になりそうです」
もう少しだけの休みを、もう少しだけ欲した。
「その本、どうしたんですか?」
「ああ、今日渡した小冊子の参考に」
「ふーん。そういう系結構読んでいるので、てっきり趣味かと思いました」
そんなわけないじゃないですか、ちゃんと資料ですよ。一、二文ぐらいそのプリントに入れてあったはずです。
これも自費で買ったから、勘弁してください。




