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(15)-1

ただ今、ソファーに横たわり、せんべいを食べ、チャンネルを回しております。

求める番組が無く、消しました。

僕は普段何をしていたのだろうという位、何をすればいいのか分かりません。

初めてなのであれですが、実家に帰省ってそんなものなのですかね。


「邪魔だ。どけ」

「久しぶりに帰ってきたのだけれども、何か気を使った言葉は出ないものですかね?」

「おかえりなさい、お兄様。これでいいか?」

「きもい」

本当に久しぶりで、まともに会話をしたのは――一年半ぶりですか?

思春期が抜けたようで。

ちょっとだけ成長が垣間見られて、単純に嬉しいです。


「お土産、冷蔵庫に入れてあるから」

「センスないよね。とりあえず食べ物って。色気が無い」

自分だって色気ないだろ、ジャージだし。

ましてや、どうせすぐ食べるであろうね。

「そんな貴方にこれ」

ほいっと投げる。

ナイスキャッチ。

変なキーホルダー。

選んでもらって難ですが、誰が買うのでしょうかって感じです。

こういうの選ぶタイプじゃないと思っていたから、手渡された時の衝撃は人一倍で、有無を言えずに買ってしまった物です。

おお、初めて見ました。妹の困っている顔。

自分だって貰ったら困ります。

「いらない」

少し迷ってから、いらないと言いましたね。

少し見ない間に気を使えるようになっていたのですね。驚きました。

これなら社会に出てもストレス溜めながらもやっていけるでしょう。

人の成長は早いもので、少し見ない間に発見が多いです。

「そっかー。たしかこれ、学校で有名な恋愛のお守りなんだけどなー。魔法学校のだから普通より効果は大きいと思うのだけどなー」

「しょうがないから貰っといてあげます」

嘘ですけど、他にあげる人がいなかったので処理お願いします。

「持ち歩くんじゃなくって、家に置いとくといいらしいよー」

「ふ-ん」

せめてもの情けです。


「普通に美味しい」

「普通は余計」

普段ロクなものを食べていないんじゃないか? 何かあったかい物作るって言われた時は、びっくりしました。

料理なんか作っている所を見た事すらないので、どんな物食わされるか心配でしたが、普通でしたね。味の方は……もう少し練習が必要ですね。

「久しぶりに帰ってきたのに友達と集まらないんですか?」

「みんな忙しそうだからね」

仲がいい人は皆バラバラで、地方とか都会に行ってしまっておりますため、メールでしか連絡していません。一人は地元にいるようですが、淋しがっているようですので、この後に会いにでも行ってきますかね。

「ふーん。薄情ですね」

「実家でゆっくりしたかったしねー」

「ふーん」

もう早速、開けて食べているじゃないですか。

「父さん母さんの分、残しといてね」


こんな時間まで寝ていても怒られません。怒られた事無いですけど。

強迫観念が無いというか、伸び伸び出来ます。

そんな所が皆さんの感じる実家のよさでしょうか?

懐かしいにおいもします。

「こんなとこで寝てんじゃねえよ。クソが」

足げにしないでください。痛いですし、足癖が悪いですよ。

「じゃあ部屋にある段ボール片付けろよ」

「どうせ寝るだけだからいいでしょ?」

寝られるには寝られるのだが、他が段ボールで埋め尽くされて足の踏み場が無い。

いない間になぜこうなったのか、といったレベルです。

「どかすのに、中開けていいなら文句言わない」

「は?」

威圧してから、急いで階段を登っていった。

ドン! と大きな音。こけたかな?

母の料理はさほど美味しくは無かった。

父とは程々の関係であった。

妹とはひどかった。そんな、妹にも気を使われている始末で。

自分の居場所が無くて、求める物事が実家には無くて。

もっと何かする事がある気がして多めに休みを取ったのだが。

僕はここに帰る意味を見失っていた。

次回からは日数減らして、顔見せくらいにしようかな。


終わったと聞いたので部屋に入ると段ボールは半分くらいに減っていた。

良く見ると部屋は半年が過ぎているとは思えないくらいであった。

良く良く見ると、まあ埃はありますけど、誰かさんが掃除してくれたのでしょう。

後でアイス買ってあげます。


夕飯を食べて、ゆっくりお風呂に浸かって、それから干したばかりであろう熱い布団で眠る。

残暑残る一日は、こうして終わって行った。

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