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七時限目:夏期講習

○月○日 午前○時 天気晴れ 温度○度 湿度○パーセント

夏期講習の初日は終わりました。

マネキンの如く座っていただけで終わりです。

何だか小テスト的なのをやっていましたね。

お察しの通りお手伝いです。


そんなこんなで、二日目です。

○月×日 午前×時 天気晴れ 温度○度 湿度○パーセント

なんでこんなことやっているかって? 夏休みっぽいからですよ。ほら、絵日記とか。

夏休みが羨ましいので、少しでもの気分転換です。


二日目はちゃんと授業です。

やっと念願のパソコンルームの使用許可が下りました。

今日の授業は一味違うのであります。

自由に魔法陣の創作です。

一から魔法陣を作り上げるのです。

やっと本番みたいな感じで、ドキドキしませんか? 他の人は知りませんが、僕はしました。遠足に行く前の気持ちくらいです。当然、目覚ましより早く起きました。まあ、いつも目覚ましが鳴る前、この時間に起きていますけど。

気合を入れて二時限分入れてしまったのです。


おはようございます。

今日の授業は、魔法陣の作成です。

パソコン内での架空の発動ですが、実際に発動するものだと思って、気合を入れて取り組んでください。


今日はスパルタです。

気合で乗り越えてください。

習うより慣れろって所です。

すべては気合論でなんとかなります。

なんといっても、今日の僕のテーマは気合です。

半紙に一筆したため、研究室の良く見える場所に貼りました。


ホワイトボードに記した通り、この順番で進めてください。

今日は魔法陣の疑似発動までやります。

それでは、始めてください。


まずは、作成図を書いて提出していただきます。

そこで僕が添削。

十五分休憩の後、パソコンでの制作へと取りかかります。

いくら僕でもチェックに十五分は欲しいです。

という訳でこんな予定になっております。

ここのホワイトボードはムカつきますね。

パソコンが邪魔で見にくくなっております。

なんとかなりませんかね。特に僕の身長。


流石に来ませんね。

いつもだったらもう来てもいいころ合いで。

やはり、慎重になっているのかな?

予想時間よりは二十分ほど遅かったですが、全員分集まりました。

想定内なので大丈夫ですが、合間合間で添削の最後の方以外終わってしまいました。

休憩はこまめに入れた方がいいけど時間を取れるかな?


休憩は自分の好きなタイミングで入れて結構です。

自己判断でお願いしますね。


最後まで目を通し終わりました。

手こずったのは一枚ありましたが、皆さん良く出来ておりました。

最後の一枚を除いてね。

「説教しようか?」

「いえ、間に合っています」

「まあ、時間もアレなんで速く取りかかってください」

「じゃあ、五分ほど余裕がありますね。もう少しお話しましょう」

「……終わらなかったら、家に帰ってやってもらうよ? 宿題付きで」

「やってまいります」

あの量、終わるのかな? と思っていましたが、時間内に終わらせやがるんです。ぴったり五分残しで。


その中でも困ったのは、エリーだった。

現代病の一種、無気力症候群っていうのは違いますね。

なんというか……こう、目的が無いっていうのかな?

何かこなせればいいっていうのが、レポートの添削で不自然さとなって、随所随所に出ていた。

効率を求める鳥使いや地味な小間使いの彼らでさえ、性格は出ているものの、何かをなそうとしているそんな物を感じさせる。

それが全くない。

それを女の子だからと男女差で片付けてしまうのは少し違う気がする。

どうすべきかと思うべきなのではあるが、そこまで干渉すべきなのか――いや、違う。

無理をしているのが見えるから放っておけないのだ。

規則も僕が干渉する事を許されていない。

だから悪あがきを一つした。

誰にも知られることの無い。彼女にも届かない。僕だけの抵抗と無駄な慈悲。


「他人を心配する前に自分を心配してください」

「何……が?」

頭が痛い。

「何がじゃないですよ。顔を赤くして、室内で熱中症ですよ。引きこもりの分際で、何やってるんですか。冗談を言う気も失せました。しっかりしてください」

僕が「はははは……」と口角を引きつらせた薄い笑いを浮かべると、彼女は大きくため息をついたのだった。

気合入れすぎましたかね? 戻ったと同時に体調が悪化しました。気合で乗り越えはられそうですが、今日の所はゆっくりします。なんだか、文字がこちらを見ている気がして気が休まらないですけれど。


体調が悪くなったのは、理由がもう一つある。

実力を見てしまったからだと思う。

僕に無いものを沢山持っていて、才能が羨ましい。

追い越される未来はそんな遠くなくて。


でも、今の実力は僕の方が上ですけどね。

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