#27 オカザキさん家の相方さん入院事情(確認編)
今日がいよいよ入院です。書いているのは前日ですけどね。
さて、相方さんが入院すると決まってから、僕らは色々と話を詰める事にしました。
先導は相方さん。まぁ出たトコ勝負でしょ、と僕が(ドキドキしながら)達観した素振りを見せると
「甘い!」
と一刀両断。何が甘いのかよく分からないけど。
「計画はきっちりと詰めてないと、いざと言う時に困るでしょう?」
まぁ、その対処を二人でやってきた訳だけど、それを一人で対処だから、相方さんの言うことは正しい。
「まず物の場所。これはなっちゃんにも仕込んでおくけど、レオさんも覚えておいて」
「う、うぃっす」
「それと悲観的な顔しない。ちゃんと元気で退院してくるから。退院後のフォローもよろしくね」
「うん」
「学童保育は、お休みの時は必ず学校の先生にも連絡ノートに書く」
「うん」
「まず無理をしない。ご飯とかも簡単でいいからね」
「うん」
「それと入院中、時間はあるからレオさんの小説家になろうのアドレス、聞いておこうかな?」
「へ?」
我が夫婦、実は同じ趣味をもってまして。彼女は詩書きで、小説も書いていたのでした。今は忙しくて言葉が湧かない、ということであえて触れてなかったのですが。
そういえば、この「オカザキさん家の○○事情」は、読ませた記憶があります。
ちょっと戦々恐々しました。
「入院中はメールできるだけたくさんするね」
入院する当人より、僕に気遣い。
イカン、イカンと思った瞬間でもあり。仕事はキッチリ集中しよう、と思い。面会はしっかり行こう、と思いながら。
さて、そんな感じですが入院前日の夜のゆー君。
がんばってねお兄ちゃん、と相方さん手を繋いで寝ようとした時でした。
「手、さわらないで。僕、一人でねるの!」
「あの、お母さん、明日から入院……」
「すーすーすー」
すでに寝たのかよ?!
ゆー君、つれない時は、とことんつれない。
気分屋……。
他人な気がしないなぁ。お父さんも気分屋ではあるから。
まだ意識できてないと思うんです。相方さんが居なくなる事にたいして。
だから少しずつ、言葉と実感と、寂しさを埋める抱擁ができたら、と思います。
みんなで乗り越えよう。まずは、それかな? なんて思いながら。
相方さんが元気で退院してくれるように。それだけを考えながら。
明後日、手術日、僕は仕事なのですが……集中できるかなぁ?
そんなことも思いながら。
まぁ、入院前日にそれは寂しいよな。
わかってる、わかってるから、そんなにへこまない。
はいはい、わかりましたから、世界の終わりのような顔しないで。
なんだか、ギリギリまで騒がしいのもオカザキ家かな、とため息つきながら。
しかしながら、ですねぇ……。
実は僕の試練はこんなものではなかったのでした。