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3/3

初合わせ♪

この作品を読んでくださる皆様へ。


第3話です★大変長らくお待たせいたしました(汗

って!誰も待ってませんよね・・・(笑


初めて書かせていただいた小説ですので、多少意味不明なところや誤字などもあるかと思います。温かい目で読んでやってください←

誤字につきましてはコメント等で教えてくださると嬉しいです。


ご感想・ご意見もお待ちしております。


それでは、行ってらっしゃいませ!!!

龍也side


奏の家にお邪魔してから早2週間。いや、まだ2週間。

だというのに・・・。

「龍也ぁ!美音7曲できたってさ!!」

弁当の時間イチゴ牛乳を飲んでいたオレに奏がものすごい笑顔で言ってきた。それを聞いたオレはビックリして思わずふき出してしまった。

「本当か?!」

「おぅ!1曲2日のペースで頑張ったみたいだ♪」

「1泊2日みたいに言うなっ!」

それにしてもすごい。ぶっちゃけるとLIVEまでに半分も出来ないのではないかと思っていた。

「ずっと部屋にこもって出てこないから、急に引きこもりにでもなったのかと思ってちょっとあせったぜ(笑)」

「そっか・・・。美音ちゃん、そんなに頑張ってくれたのか。」

それにしても素晴らしい。なにが素晴らしいって美音ちゃんそのモノがだ。

それにあの子、ちっちゃくてふわふわしてて、なんて言うか、こう・・・かわいい・・・んだよなぁ・・・。

「奏。オレ、美音ちゃん欲しい。」

「はぁ?!そんなに目を輝かせてサラッと下ネタを言うなっ!人の妹をなんだと思ってんだっ!」

ビタンッと頭を叩かれた。

「痛っ!下ネタとかじゃなくて、妹として欲しいってことだよっ。」

そう。オレは妹が欲しい。そしてそれは絶対に1つ年下じゃないとダメなんだ。(←意味の分からないこだわり)

美音ちゃんはオレの理想の妹像にピッタリと当てはまる。

「何?何?2人して!バンドの話?」

「おぅ!嵐!!実は美音のヤツ、もう7曲出来たんだよ!」

奏の口からその言葉を聞いた瞬間嵐は元々大きかった目をさらに大きく見開いた。

「マジで?!やべぇ!天才!しかもめっちゃかわゆいし♪」

いや、確かにかわいいけどそれとこれとは別だろ!

「なにぉう?!嵐!お前に美音はやらんからな!」

「お父さんかっ!」

そんなこんなでLIVEへ向けた不安も1つ消え、オレたち3人の空気が少し和らいだ気がした。

でもまだ安心できるわけじゃぁない。美音ちゃんの腕のレベルだ。そこがはっきりしない限りは・・・。

「ってことで、週末合わせにスタジオ行くぞ!」

奏があまりにも目をキラキラさせながら言うもんだから、

「おぅ!!!!」

と、オレと嵐の目もつられてキラキラさせてしまった(笑)


このトキ、オレはまだ知らなかったんだ。美音ちゃんのベースの腕があんなにもすごいということを・・・。


★☆★☆★☆★☆★☆


美音side


「美音っ!電車に遅れるっ!行くぞ!!」

今日は土曜日。LIVEまではあと1ヶ月と2週間。

初めての合わせの日ですっ!

「わぁ~ん。待ってよぉ!」

せっかく隣町まで行くのだからちょっとでもオシャレしたいと思ってヘアーアイロンを使って髪を巻こうと思ったんだけど、これが案外難しい・・・!

ようやく上手に出来たと思ったのはなんと電車がくる10分前。駅までは自転車を使ったとしても5分はかかる。私はダッシュで鞄とベースを持って家を出た。


★☆★☆★☆★☆★☆


「はぁー。なんとか間に合ったな!」

電車の中で汗をぬぐいながら言ったお兄ちゃんに私は、

「うん・・・。あれ?龍也くんと嵐くんは?」

さっきから2人の姿が見当たらない。

「2人は次の駅で乗ってくるよ。」

「そっか。」

電車のガタンゴトンという音とシンクロするかのように私の心臓もトクン、トクンと波打つ。1度顔を合わせているとは言え、やはり先輩と会うというのは緊張する。普通にできるだろうか。

『××駅ぃー。お出口は左手になります。』

アナウンスと共に嵐くんと龍也くんが乗車してきた。

「おはよう。奏、美音ちゃ『おはよーっっっす★今日は天気イイね♪絶好の合わせ日和だね♪』」

龍也くんが言っているのにかぶせる様にして嵐くんがかなりのハイテンションで言った。

「っす。龍也。」

その言葉を無視して龍也くんにだけあいさつを返すお兄ちゃん。

「え?龍也にだけ?オレには?ねぇ奏オレには?」

「やかましいっ!しばくぞ(怒」

朝から嵐くんとミニコントをしているお兄ちゃんの隣で私は、

「おはようございます。」

と自分よりもかなり高い位置にある龍也くんの顔を見上げるようにして言うと、龍也くんは私の顔を覗き込んだ。

「おはよう。今日は1日よろしくね?ベース、重かったらオレが持つけど平気?」

ちっ、ちっ、近い!!!顔顔顔、近くないですか?!

「へっ、平気ですっっ!!!」

声をうわずらせながら言う私に龍也くんは「そう?」とつぶやいて体を起こした。


★☆★☆★☆★☆★☆


「悪い嵐。このシールド、そこのアンプに繋いで。」

スタジオに着いてみんな思い思いに楽器を準備し始めていた。私も自分のベースを取り出してシールドを繋ぐ。

「あれ?美音ちゃんのベース、ムスタングじゃね?オレンジかわいいね♪しかもフェンダーじゃん!」

嵐くんが私のベースを見るなりそう言った。

「はい。私、手も小さいのでネックが細くて短い方が楽なので。ムスタングは比較的軽いですし・・・。嵐くんこそ!そのテレキャス、かわいいですね!」

「だろぉ!あんまり高いモノじゃないんだけどね。デザインがスッゲー気に入ってんの!最初はレスポールにしようかと思ってたんだけど、龍也がレスポールだったからさっ。かぶるとつまんないかと思って。今となってはテレキャスで正解だったと思うけど(笑)」

満面の笑みを浮かべた嵐くんに対して龍也くんはムスッとして

「何おぅ?!オレのレスポールだって大正解だっつの!!」

と言った。そうだ、ココでは私が大好きな楽器の話だって出来るんだ。

同級生で楽器やってる人なんてまずいないし、周りの女の子が話す音楽の話といえばジャ×ーズとかだし・・・。普段バンドの曲しか聴かない私にとってはこんなにも自分が好きなことを話せる人たちがいるっていうのは嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。

「みんな準備OK?」

お兄ちゃんの問い掛けに「OK!」とか「大丈夫!」という声が飛び交った。

「じゃぁ、いくぜ!!!ワンツースリーフォー!」

スティックを叩く合図で・・・

ジャァーーーーンッッッッ!!!

今までに感じたことのないくらいの一体感。まるでみんなの呼吸の音が聞こえているかのようなその空気にすぐに飲み込まれてしまった。だけど、気持ちがよくて清々しくてバンドってこんなに素晴らしいものなのかとただただあっけにとられるだけだった。

キコエル。

龍也くんの熱いけど何処か優しげな声と嵐くんのギターから次々と生まれてくるメロディー。そしてお兄ちゃんの全身からにじみ出てくるリズム。

私は今、ココにいる。

音楽で、バンドで、みんなと1つになってるっ!!

ダカダンッ!

「え?美音ちゃんメッチャうまくね?」

演奏が終わると嵐くんが目を丸くしながら言った。

「おぉ!すっげぇイイ!!!」

そう言って龍也くんの大きな手は私の頭をクシャクシャッっと撫でてくれた。

ドキッ     

「あっ、おい龍也!!!そんな馴れ馴れしくかわいい美音ちゃんに触るんじゃねぇ!!!」

「はぁ?お前の美音ちゃんじゃないだろ!美音ちゃんはみんなのだ!!!ってかお前、彼女いんだろ!」

ふと、我に返る。

へぇ・・・嵐くん彼女いるんだっ。

頭の上に乗った龍也くんの手首を両手で掴んで降ろしながら、

「嵐くんの彼女さんってどんな感じの人なんですか?」

と尋ねると、「あ、手降ろされちゃうのね・・・。」と小声が聞こえてから、

「あー・・・う~ん・・・。ゴリラ?」

と、きれいな笑顔で皮肉を言う龍也くん。

ゴリラ?!

「おぃ!コラ龍也!テメェなに人のかわいい彼女をゴリラ呼ばわりしとんじゃ!ボケェィ!」

プハッ!思わず吹いてしまった(笑

その後色々と嵐くんから彼女さんの話を聞いた。


美香さんという名前だということ。

昨年から付き合っていること。

1つ年上の高校1年生だということ。

身長が自分よりも1cm高いということ。

年上なのにどこか幼くてかわいらしいということ。


そして、なによりも     


そんな美香さんが大好きだということ。


私はまだ恋を知らない。いつか、嵐くんのように素敵な恋ができるといいな。


★☆★☆★☆★☆★☆


「いやぁ~、しかしうまかったよ美音ちゃん!」

合わせを終えてスタジオから出るなり龍也くんから嬉しい言葉が向けられた。

「ほんとですか?そう言っていただけるとすっごく嬉しいです!」

嬉しくて嬉しくて心から笑顔になる。

「まだ次の電車まで時間あんな・・・。ゲーセン行かね?」

「いいねぇ~♪プリ撮ろぉーぜ!」

お兄ちゃんの突然の提案に嵐くんがテンション高くのり、私たちはすぐ近くのゲームセンターに向かって歩き出した。

「オレ、美音ちゃんと2人で撮りたい・・・!」

歩きながら突然龍也くんがそんなことを言い出すからビックリしたけれど、

「いいですね♪初合わせの記念に撮りましょっか♪」

私がそう言うと龍也くんはとびっきりの笑顔を見せてくれた。

キュン      

顔はすごく整っていて大人っぽいのに、笑顔はどこか幼くて不覚にも「かわいい」と思ってしまった。

「はぁ?!ずりーぞ、龍也ばっかり!!オレの美音ちゃんとプリとるぅ!」

「ダメだ!嵐は彼女と撮ってなさいっ!」

2人が言い争ってるのが微笑ましい・・・

だって・・・イケメン2人が私のことを・・・キャァー!!!

なんて。


話していたらあっという間に着いてしまった。

店内に入るなり真っ先にプリ機のほうに歩いて行った。

「オレ、美音ちゃんと2人で撮ってくっから!!」

そう言いながらグイッと肩を引き寄せられる。

ドキッ      

ん?まただ。胸がキュンとして少し苦しい。

でも決して嫌な感覚ではなくて、苦しいんだけどどこか心地よいそんな感じ・・・。

「え?じゃぁ何?オレと嵐は2人で撮んの?」

「やだぜぇ・・・。ヤローと2人とか辛れぇー!」

後ろで嵐くんとお兄ちゃんがブーブー文句を言っていたけど、龍也くんはそれを無視して

「いこっ?どのプリ機がいい?」

と顔を覗き込んでくる。

か、顔、近い・・・。

心臓がさっきからやけにうるさい。

そしてなぜだか触れられた肩が温かい。いや、熱い。

「あ、じゃぁそこの全身撮影できるやつで!」

なんとか平常心を保ち答えると、

「OK!オレおごったげるから!もとはと言えばオレが急に2人で撮りたいとか言ったんだし♪」

あ・・・。またあの幼い笑顔・・・

トクン、トクン、トクン     

認めたくないけど、認めざるを得ない。

心臓の動きが・・・


速い。


この時私はまだ知らなかったんだ。

この気持ちの理由がなんなのか。

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