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オレらのベーシスト

この作品を読んでくださる皆様へ。

初めて書かせていただいた小説ですので、多少意味不明なところや誤字などもあるかと思います。温かい目で読んでやってください←

誤字につきましてはコメント等で教えてくださると嬉しいです。


ご感想・ご意見もお待ちしております。


それでは、行ってらっしゃいませ!!!

「今日はなかなかイイ合わせだったよな。」

オレ、夢崎奏(ゆめざきそう)がリーダー&ドラムを担当しているバンドの合わせの帰り、後ろを歩いている井野辺海斗(いのべかいと)にそう話しかけた。

ガッシャーン!!!

返事の変わりかのように背後で鈍い音がした。

振り返ったオレが目にしたものは・・・

「かい・・・と?海斗ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


★☆★☆★☆★☆★☆


「お兄ちゃん・・・?大丈夫?」

「奏、しかっりしなさい。辛いのはあなただけじゃないのよ。」

母親がずっしり重い声で言った。

「分かってる。」

そう言ってはいるけど、分かってない。分かりたくないんだ。

さっきまでオレの後ろでベースをかついで元気にしゃべっていた海斗が・・・

小さい時からいつも一緒で、同じ高校受けようなって言っいてた幼馴染の海斗が・・・

もう・・・いないなんて。


★☆★☆★☆★☆★☆


「奏、奏?聞いてるか?おいっ、奏ってば!!」

「えっ?あぁ・・・ごめん。なんだっけ?」

友達が話しかけてきているというのにオレは上の空だった。

彼はヴォーカルギターの泉龍也(いずみりゅうや)

龍也は身長180cm以上あってスタイルと顔が抜群にいい。キリッとした目にキレイな鼻筋。その整ったキレイな顔は彼を一見クールだと思わせる。だけど・・・。その見た目とは裏腹に仲のイイ友達の前ではすごく明るくて、いがぁーいとギャグなんか言っちゃったりする。実は面白い人なのだ。

「お前、大丈夫かよ?」

「あぁ。それで?何の話だっけ?」

「LIVEの話だよ。LIVE。ベース・・・いなくなっちゃったし・・・中止にすっか?」

今度はギターの鳴海嵐(なるみあらし)が割り込むように会話に加わってきた。

嵐は身長160cm前後と小柄。髪は茶色く長めで毛先を少し遊ばせている。クリッとした大きな目が特徴てきなかわいい系男子である。好きなモノは女の子、3度のメシより女の子。1つ年上の高校生と付き合っている。

アイツが・・・。オレらのバンドのベースを務めていた海斗が・・・。亡くなったのは・・・今から1週間前、中学の卒業式が2ヶ月後にせまった日のことだった。

オレらは仲がイイ4人でバンドを組んでいた。昨年の文化祭で発表したのが以外にも好評で卒業式の間近に「卒業LIVE」をしてほしいと頼まれるくらいのレベルだった。

いつものように隣町の小さなスタジオで合わせをした帰り道でのことだった。

オレが・・・。すぐそこまで車が来ているというのに道を渡ってしまったのが原因だと思う・・・。海斗はオレよりも少し後ろを歩いていた。オレの話しに夢中になっていたから車がすぐそこまで来ているのに気付かなかったのだろう。そのまま・・・。

「奏?」

龍也が心配そうにオレを見つめていた。

「あっ、あぁごめん。」

慌ててそれに応答する。

その答えに対して龍也は、

「奏・・・。アイツのことはお前のせいなんかじゃない。だからそこまで思いつめたような顔、すんなよ・・・。オレらだって辛い・・・。」

と言い放った。その時オレは龍也のその言葉に目が覚めたような感覚を覚えた。

「悪い。そうだよな・・・!いつまでもこんな顔してたらアイツだってイイ気しないよな!!」

そうだ。海斗のためにも・・・。

「おぅ!それでこそオレらのバンドのリーダーだ!」

嵐も笑ってそう言ってくれた。

「LIVEの件だけど、あれは海斗も本当に楽しみにしていたLIVEだ。アイツのぶんも成功させたい。だから・・・。LIVEはやる!!!」

「でも、ベースは?」

龍也が即座に訊ねたけれどある考えがあった。

「大丈夫!心配すんな!!」

2人の頭の上には「?」が浮かんでいたけれど、それはスルーしておくことにした(笑)


★☆★☆★☆★☆★☆


「ただいまぁー。」

「あっ、お兄ちゃんっ!お帰りぃー!」

帰宅したオレに笑顔でそう言ったのは1つ年下の妹夢崎美音(ゆめざきみおん)

美音は身長150cm前後ですごく小柄。髪は黒く長いストレートで背中の半分くらいまである。目はパッチリ二重ですごく大きい。オレと美音はよく似ていると言われるが正直自分達ではそう思ったことが1度もない。(周りから見ればかなり似ているが。)オレにとっては、とにかくすごくコンパクトでかわいらしい自慢の妹なのだ。

「ただいま。なぁ、美音?」

軽く返事をしてから美音の名前を呼ぶ。

「ん?」

「おまえさぁ、ベース・・・今からちょっと弾いてみてくんない?」

「うん?いいけど。なんで?」

「いや。コレといって意味はないよ。どれくらい上手くなったかなぁと思ってさ。」

「ふぅん。わかった。持ってくるね★」

美音は3年前、オレがドラムを始めるのとほぼ同じタイミングでベースを始めた。初めのころは2人で同じ曲を練習してセッションしたりしてたけど、最近はオレがバンドを組み始めたせいか全然やっていなかった。

「なに弾けばいいの?」

ベースと小型アンプを繋ぎながらそう言った。

「なんでもいいよ。得意なの。」

「おっけぃ!!!」

そう言うと美音はすごい勢いでベースを弾き始めた。手は小さいけれど確実にフレットを押さえていっている。無駄のない指の動き、一定に保たれたリズム。そしてなにより・・・。

こいつ・・・、スラップできるようになってやがる(苦笑

※スラップ→スラップ奏法は、ベースの演奏法のひとつ。基本的には親指で弦を叩き、人差し指に弦を引っ掛けて音を出す。指引きやピック弾きに比べて見た目も華やかで音も派手で目立つ。

正直ビックリした。まさか美音がココまで上手くなっているとは思いもしなかった。

「まぁ、こんな感じ♪どう?聴けるくらいにはなってた?」

「おぉ。驚いた。おまえ・・・うまくなったなぁ!!!」

すごいすごいと頭を撫でてからオレは真剣に、

「美音、頼みがある。オレらのバンドでベースやってくれないか?!アイツは・・・海斗は、今度のLIVEをすごく楽しみにしてたんだ。卒業LIVEまでで構わない。海斗のためにも絶対に成功させたいんだ!!頼む!!!」

よくよく考えれば妹に頭を下げたのは初めてだったかもしれない。

(お兄ちゃんに頭を下げられたら、やらないわけにはいかないじゃんね?)

考える間もなく美音は、

「いいよ♪やったげる!!!」

と明るい口調で言ってくれた。そう言って見せたトビキリの笑顔はオレにとってはいつにも増して輝いているように見えた。


☆★つづく☆★

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