9.出会い
「皆さん、おはようございます。私は斎藤と申します。ここでは皆さんに二人一組のチームを組んで貰います」
「制限時間は一時間。チームを組めなかった方は日本に帰国して貰います」
「二人一組のチームを組んだら隣のホールに来て下さい」
「それでは開始します」
才華はホール内を歩き始めた。壁際に体格の良い男が立って居る。だが、才華は人見知りだった。どうすれば良いのか迷っていると男は別の男とチームを組んだ。
才華は思った。(迷っている時間なんて無かった)
「君、可愛いね。どう、チームを組まない?」若い男が話しかけて来た。
才華は男を値踏みしたが、どう見ても弱いだろうと思った。
「遠慮します」才華は冷たくあしらった。
「何だ、お前。その態度は」若い男は逆上した。才華の肩を掴んだ。
「触るなよ。変態」才華は肩を払うと若い男を睨んだ。
「お前、殺してやるからな」若い男はそう吐き捨てると才華の前から消えた。
(無駄な相手と話している暇は無いな)才華は再び歩き始めた。開始から三十五分。既に大勢の人たちがチームを組んでいる。ホールの端に強そうな男が居たので才華は勇気を振り絞って声を掛けた。
「すみません。突然ですがチームを組んで貰えないでしょうか」
「お嬢ちゃん。無理やで。他所を当たってくれや」
「どうしてですか?」
「命が掛かっているんや。お嬢ちゃんが戦えるとは思われへん」
「そうですか。失礼しました」
予想通りの返答だった。確かに高校二年生が戦えるかは微妙なラインだ。しかし、迷っている時間は無いので才華はまた探し始めた。
(誰か居ないの?)才華は冷や汗をかいた。もう時間が残されていない。才華は壁に寄り掛かった。冷静に周りを見る。体格の良い人は居ない。このまま終わるのか。せっかくここまで来たのに。
「お嬢ちゃん。何の為に戦うんだ?」三十代くらいの短パン、半袖の男が話しかけて来た。才華は一瞬、答えるか迷ったが話す事にした。
「妹の心臓移植の為です」才華は男を眺めた。結構、体付きは良い。左手と右足にタトゥーが彫ってある。一番印象的なのは目だった。獣の様な目つきをしていた。
「なら、おじさんと組まないか?」男は笑顔で話した。
「私なんかで良いんですか?」
「ルールを覚えているか?、女性は武器のランクが上がるんだ。そして参加者は与えられた武器でしか戦えない。この意味が分かるか?」
才華は考えた。この人、凄く頭が回る人だ。
「その制服は高校生だろう。良い武器が貰える筈だ」男は続けた。
「俺は現役の傭兵だ。傭兵って分かるか?、二人なら良いチームになる」
才華は何故か泣いていた。「私で良ければ是非、お願いします」
「泣く事は生きる事って誰の話だったかな?」男はハンカチを才華に渡した。
「俺の名前は大田六三郎、宜しくな」
「私は鈴木才華と申します。こちらこそよろしくお願いします」
「才華ちゃんか、良い名前だ。芯がある」
「何とお呼びすれば良いんですか」才華が尋ねた。
「おっさん、六さん、大田さん。好きな呼び方で良いよ」
「では、大田さんで呼びますね」
二人は隣のホールに移動を始めた。(この人となら優勝出来るかも知れない)才華はほんの少しだけ希望を持った。だが、それと同時に不安も感じた。(ついに始まるんだ。ドゥームズデイが)
>>登場人物
鈴木才華17歳
大田六三郎49歳
毒島?歳
斎藤?歳
>>設定資料
DoomsDayルール①。参加者は参加者同士でチームを組む。二人一組。(チームを組めない場合は失格となり、帰還して貰う)
DoomsDayルール②。参加者は首にGPS爆弾を装着する。(何かしらのペナルティが発生すると爆発する)
DoomsDayルール③。最後まで生き残ったチームが優勝する。優勝すれば賞金十億円(一人、五億円)を運営から授与される。
DoomsDayルール④。帰還ポイントに辿り着ければ無事に帰還できる。
DoomsDayルール⑤。一人殺すごとに一千万円が報酬として貰える。(優勝は無理でも賞金を獲得して帰還する事が出来る)
DoomsDayルール⑥。セーフポイントでは食料や備品、弾薬などが補給出来る。(利用は一日、三十分まで。時間を経過した場合はペナルティになる)
DoomsDayルール⑦。地図を渡されるが地図に書いてある境界線を超えてはならない。超えた場合はペナルティになる。
DoomsDayルール⑧。女性の参加者は特別な武器を貰える。
DoomsDayルール⑨。開始から二日後にジョーカーが投入される。ジョーカーを殺した場合は五千万円の報酬が貰える。
DoomsDay補足①。武器は運営から渡された武器に限る。他者の武器は使えない。(使用した場合はペナルティになる)
DoomsDay補足②。武器を紛失、又は故障した場合はセーフポイントで新しい物を貰える。




