1.王国への道
携帯買い替えによる不手際で、前に書いた全てを消してしまいました。
大変申し訳ないと思います。
残っている部分で再構築を行いながら再び描いていこうと思います。
読んで下さったいた皆様に、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
中国共産党、党本部にある一室はまるで、時というより時代そのものが止まってしまったかのような部屋だった。
近代化、改革開放という大看板を全面に出している党の表の顔とは違いすぎる風景は、時間という針に凍りという糸を通し紡ぎ出したのではと思えるほど静謐で感情を必要としない空間。
円形の組まれた室の中はくまなく赤茶けた色で統一されている。
龍の飾りも無ければ福の文字もない、高く取られた天井の果てに小さな小窓、さらに突き抜けて上る漆黒の空の中に赤い星が輝く。
潮騒のように地べたを這う唸りと、咳払い、暗闇のテーブルに浮かぶ小さな導の光が揺れる事でここに人の影がある事を教える。
霞みに揺れる人影に有るのは険の立った皺の河、無数に流れる労苦の傷に手をさすり合わせる老人達は円卓を囲むようにイスに座っている。
ニスを塗り光沢を持っていたであろう琥珀色のテーブルもイスも、人の手で何回、何万回と触れられた重みに削られ緩やかなカーブを描き程よい調度の手元に、骨と皮の指が食い込む
室の全てが現代の物とはかけ離れた、まるで凍り付いた空気の中にひっそりとただづむ姿と、何度もぶつかり合った跡、平らな世の中がなかった時代を反映し押しつぶされたへこみと起伏となって残るテーブルに置かれた灯りの前数人の老人が囲んでいた。
どれも人民服とは遠い服、民族服にもにた衣装に身を包んだ姿で。
「うまくいくのかね?」
雨樋をとおる水が押し上がるような響きが誰となく放たれる。
中央に座った老人のとなりすっかり髪の毛を失い丸く剃り上げられた頭に刃物の傷を残した老人が口にくわえた煙管を離す。目に掛かるほど、覆うように伸びた眉毛の下で獰猛な輝きは自分たちの前にただ一人、この室において立ちつくしている者を恫喝するように聞いた。
「失敗はありません」
流暢な言葉、となりに伏していた者は別の言語に直してそれを伝える。
この国は多様な言語を持つ一つの国家である。言葉の分別は最初の暗号である、知らぬのならばそこに愚か者の塚が立つだけである。
返された返事を吟味する鼓動が灯りを微かに揺らす。
円卓のテーブル、前方に居並ぶ老人達は威圧的な黒い影は幾重も駆けられた文書のようなささやきを続け持っている。
若さだけでは到底太刀打ちする事は出来ない威圧感、歴史を刻み込んだ嗄れ達の目はどれも鋭い。その中で人民服を背筋も正しくに着こなした彼は恐れることなく口元を、影達にわかるように広げる。
老人達の、心を刺し通すような視線の前にいる男の顔に、芯の通った野太い声が問う。真っ白な毛髪、まるで仙人のような男は微かにゆれながら
「白鷲はどうなる?」
「猶予付きですが、沈黙を守るそうです。それにあの国も損はしませんし」
一番の懸念にもすばやく答える。迅速で揺るぎない強さは躊躇しない言葉の端々にある、老人達も滞る事のない返事に顔を見合わせて頷く。
「失敗してはならない我が国を富ませ、かの国を変わらぬ罪の色に染めよ」
総意は中央に座っていた男の口からだされた。
長い眉髪の下で黄色く光る野心の目は念を押すように、畏れを飛躍させるように灯りを消すと香炉のニブイ煙だけが世界を支配する。
「かの国を黒く染めよ。活かさず殺し、罪を背負わせよ」
小さな灯り取りの窓から風が降る。隠された権力者達の顔から灯りを奪い、言葉の圧力が閉じられた室に響く
「そのように聞き、そのように行え」
「おおせのままに、日本は世界から切り落とされた闇の落とし子。身の程を知らしめてくれましょう」
雄々しき返事に年寄り達は香炉の煙とタバコの煙に自分の姿を霞ませながら、ぼろになった歯に喜びを浮かべて見せた。
「行け」
暗闇の扉は歓喜の言葉と共に開かれ、老人達の前に立っていた男は踵を返すと光の続く道に消えていった
大理石よって作られた壁、繁栄を我が物とした中華人民共和国の壁に手を当てる
冷えた指先で自分の瞼を触ると、後にした室に響かせる大きな声で吠えた
「日本を滅ぼす事、二度と我が国に逆らう事のないように」
芯の通った意志を伝える拳、強く固めた覚悟を握ると自分の内に向かってつぶやいた宣誓を、光溢れる通路に並んだ幹部達に向かって党本部全てにに響くような大きな声で再び叫んだ。
「日本を滅ぼす!!二度と我が国に逆らわぬ程に!!」
響き渡る声に幹部達は皆拍手を捧げた
「日本に償いを!!死よりも屈辱を!!」
時は2015年、世界経済の中枢に鎮座した中国は復古の力を誓った雄叫びを高々とあげた。
新製品が好きです。携帯を買い換え使いにくい事を元にさらに変更をしようとしたらこうなりました。
歳をとると色々な事に失敗するという事を如実に感じた事件でした。