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第二章
1 コスモス
カップラーメンの容器が重なっている。
温水はニュース番組を見ていた。インターホンが鳴る。
「宅急便でーす」
大きい箱が玄関に置かれる。
「ありがとうございました」
配達員はドア閉めた。
温水は段ボールを見る。
「これが一等かあ」
箱を開封。綺麗な顔のロボットが出てくる。
「え、人間みたいなロボットだ、最新型ってこんななの。すっげ」
説明書がロボットの胸元に垂れ下がっていた。
「なになに?」
説明書には子宮に起動スイッチがあるので棒かなにかで押して下さい。と書いてある。
温水はそれを読んで微妙な顔をした。ロボットの顔をチラ見する。
「他ないの? んーと、あ、あるじゃん、名前はコスモスで、コスモス起動と言う」
ロボットの目が開いた。起動音がなる。パソコンみたいな音だった。
ロボットがキテレツな動きを始めた。ダンスでも踊っているようだった。
「うわあ」
温水は驚いた拍子に尻餅をつく。ロボットの動きが落ち着き、ロボットは温水を見る。
「こんにちわ、あなたがマスターですね」
「……」
温水は石のように固まっていた。マスター?
「あなたがマスターですね?」
「は、はい」
「今日からよろしくお願いしますマスター」
コスモスは手を差し出す。温水はその手と握手した。
「よ、よろしく」