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風呂に入っている。
「すっごい世の中になっちゃったなあ」
湯船に頭を沈める。泡がぶくぶくと立っていた。
2 ロボット
温水はコスモスの作った肉じゃがを食べている。
「どうでしょうか」
「うん、おいしい!」
「もう、マスターの胃袋は掴みました」
「あはは、そうだね」
コスモスは微笑んでいた。
温水はソファに座ってTVを見ている。
「マスター、耳かきをしましょうか」
「え、いいよ」
コスモスは温水の隣に座り。膝をポンポンと叩き、頭を乗せるように促した。
「じゃあ、お願いしよっかな」
温水はコスモスの太ももに頭をのせて耳かきをされる。
「あ、あ……」
「すごいの取れました」
「なんかスッキリしたかも、テレビの音がクリアだ」
「マスター」
「ん?」
「私がいないと困りますか?」
沈黙。
コスモスの瞳が温水を見つめていた。
「ああ、そうだね。さすがに君がいる生活知っちゃ、もう、戻れないよ」
コスモスは微笑んでいた。
「マスター」