10
温水はソファに座ってコスモスを眺めている。コスモスは家を色々と見ている。冷蔵庫を開ける。
「理解しました」
「え?」
何を理解したというのだろうか。
「マスター、お腹はすいていますか?」
温水はクビを横に振る。さっきカップラーメンを食べたばかりだった。
「そうですか、では掃除をすることにします」
コスモスは自分が先ほどまで入っていた段ボールから水色のエプロンを取り出して、腰にしめる。掃除を始める。温水はぼーっとそれを眺めていた。
夕方になった。
荒れていた家が綺麗になった。
コスモスはエプロンを外し、ぽんとエプロンを椅子に落とす。
「マスター、夕ご飯は何が食べたいですか?」
「……なん、だろなあ」
これといって食べたいものはなかった。
「では、私が決めます。お昼と朝は何を食べましたか?」
「カップラーメン……」
「……そうですか。わかりました」
「私の使用する口座はマスターのものと紐付けておきましたけれど、問題ありませんね?」
温水はこっくり頷く。コスモスは温水のうなずきを確認して家から出て行った。
「これが一等かあ」
夜。
「おいしい!」
温水は料理を一口食べて感動の言葉を言った。
「お口にあったみたいで良かったです」
「すごいなあ」
温水は凄い勢いで食べていた。スーパーの弁当を食べていたときとは大違いである。料理を食べ終えると、フルーツが出てきた。