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FC 飛龍の拳3 五人の龍戦士

FCの古いゲームをクリアまでやってみた感想文です。

このソフトを一言で言うなら『長い』です。ひたすらに長い。

飛龍の拳シリーズなので、メインは一対一の格闘ゲームなのですが、このシリーズの名物と言いますか、『道中』と呼ばれる横スクロールのアクションステージがあって、ボスのところまで行くとストⅡみたいな一対一の格闘画面に切り替わるといった具合です。

しかし、その中で、この飛龍の拳3の一つのウリなのでしょうが、ボス戦の幾つかがドラクエみたいなコマンド選択のRPG形式のシステムになります。多分、発売当時RPGが人気があったから『飛龍の拳でもRPGの戦闘が楽しめるよ』みたいなノリで詰め込んだのでしょうが、おまけで詰め込んでいるものだからコマンド選択式バトルのシステムというか作りが凄く粗い。更に、ネタバレになってしまいますが、ラスボスがこっちのバトル形式なのが残念過ぎます。せっかく飛龍の拳なので最後は格ゲースタイルじゃないとダメでしょう。

一応、ラスボス前に格ゲースタイルのラスボスっぽい『フドウ』という敵と戦うのですが、これがとんでもない強さで、主人公のヒリュウ一択で戦っていけば15分くらいで倒せますが(バトル中もキャラの入れ替えが出来ます。5人で交代しながら敵をボコってやっと勝てるくらい敵のステータスが高い。)、私のようにミンミン一人で倒そうとすると40分以上かかります。格闘ゲームで一戦に40分以上かかるって、疲れるというか、これに耐えきって勝ったらもう飛龍の拳の操作は指が勝手に反射的に反応しているくらい完璧になっています。

ゲームも後半になってくると、それくらい操作に慣れないと全く戦えない感じなので、このゲームはハッキリ言って魔界村よりもクリアが難しいと思いました。

しかも、これだけ長い話で長いバトルを制して、エンディングは衝撃の『4へ続く』。最後に真っ黒な画面にスコアの点数が一行だけ表示されてフリーズって。ひっどいです。

ストーリーは只々長いだけですが、ザッと以下のようになります。

アメリカで異種格闘技戦のトーナメントが行われる事になりましたが、優勝賞品の剣や賞金が謎の組織に盗み去られてしまいました。そのトーナメントに出る予定だった5人の選手達が各自国にいると目されていた謎の組織の犯人を追ってジャングルの中にあるゲリラの基地や中国武術の道場などに攻めていって各ボスを倒して剣などを取り返していくオムニバス形式となります。ここで全部の賞品を取り返して大会会場のあるニューヨークまで届けてエンディングかと思いきや、ここからトーナメントが始まるスタート地点です。ここまででももうお腹いっぱいなくらい各話が長かったのに、これからがスタートって。

トーナメントも敵が強くて勝ち進むのに結構苦労します。なんとか優勝出来てやっと終わりかと思うと、暗黒の戦士が現れて戦います。裏ボス倒してやっと終わったかと思うと、コイツは5人の闇の戦士に操られているだけと言って、主人公達は5人の闇の戦士を追って、一人づつ倒していきます。5人全員倒してやっと終わりかと思うと、その5人を操っていた『フドウ』というボスが出てきて、そいつを倒します。やっと終わったかと思うと、瀕死のフドウは先にやられた5人の闇の戦士を吸収して『合体明王』というデカい怪物になります。ここでやっとラストバトルなのですが、合体明王戦はRPG型のコマンド選択式バトルで、しかも、このバトルの形式のシステムがショボいのでドラクエ1のように敵もこちら側も一人でしか戦えず。コッチは5人もいるのにターン毎に入れ替わりでしか戦えないというおかしな構図を無理矢理正当化するため、途中から主人公達5人が『合体』して一人になるという訳の分からない展開になります。一人づつだとダメージが通らないから「じゃあ合体して強い一人になろう」ってならないでしょう、普通。これだけ長い話をそれなりに個性のある5人でここまで進めてきて、最後の最後に合体して『龍天大聖』という始めて見る人がラスボスと戦っても、なんの思い入れも無いです。せっかくミンミン一人でフドウを倒したのに、ラストバトル、しかもターン制バトルで知らない人が戦ってもいてもね、「あれ?私いま何のゲームやってるんだっけ?」です。

ターン制バトルはシステムが超初期型なのでダメージも攻撃パターンも固定。選択肢さえ間違わなければパターンで絶対勝てるので、セオリー通りにやってラスボスをサクッと倒すとエンディングの一枚絵が出てくるのですが、その時には5人に戻っています。合体とか分裂とか出来るって、以前の飛龍の拳ってもっとちゃんとした格闘ゲームだったのに、ちょっと話が大きくなり過ぎている感が否めません。

しかも、エンディングではフドウが他の星に逃げて行って強くなって地球に戻って来ようとしているところで『次回作、飛龍の拳4に乞うご期待』って文字が出て終わり。しかも、飛龍の拳4って出ないっていうオチ付き。ひっどいです。

このソフト単体で見ると、ゲームとしてのクオリティはそこそこ高いと思いました。ただ、明らかに詰め込み過ぎです。横スクロールアクションの『道中』は飛龍の拳の伝統なので、これは良いとして、ストーリーもこんなに要らないし、超単純なRPGスタイルの戦闘システムもこんなに粗いなら無い方が潔かったかと思います。ボスキャラは中ボスを含めると30人くらいいるので、この辺はボリュームたっぷりでやりごたえがあって非常に良いのですが、ストーリーが完全固定の一本道で途中を一個も端折れないため話が長くなり、前半で出てきたボスなど誰一人憶えていないような状態になります。

主人公側のキャラもカンフーキャラと棒使いのキャラが色違いで二人づついるので、この辺はキャラ変に乏しいですが、女性キャラのミンミンだけは奇跡的に良く出来ています。ビジュアル的に見るとレスラーの体にポニーテールを足しただけのキャラのようですが、元々飛龍の拳のキャラの体型って凄くバランス良くデザインされているので、ミンミンのバトル画面での体型がシャラポワみたいになってます。しかも構えががに股で、いかにも強そうに見える良いデザインです。フェイス画面のドット絵は落書きみたいな顔ですが。

でも、ミンミンは5人の内で最も弱いし、そもそも主人公のヒリュウ以外、必殺技がフドウに通じないという、なんというか他の4人は、王道にヒリュウを使ってフドウを倒せという制作側の意図ではないキャラなのでしょう。

このゲームをクリア出来たなら、同じくFCで出されている飛龍の拳ファイティングウォーズなどは初見でクリア出来ると思います。それくらいハードでボリュームのある一本です。


単体としては面白いゲームだと思いました。

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