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農家の戦闘力は皆無

なんだこいつは。

青白の縦縞の半袖に、膝丈までのズボン。

この辺りの服ではないな。なんと派手な服だ。見世物小屋の連中、ではないよな~。


ふと胸元を見て驚いた。胸ポケットに札を付けていて、小さく男の顔が描かれている。これはスゴイ。超精密だ。街の教会に飾られてる絵を初めて見た時も驚いたが、こいつはそれ以上だ。目元まで伸ばした黒髪の一本一本まで描かれているのではないだろうか。初めて会う俺ですら一目でこの男の肖像画だと分かるレベルだ。


「何者だ?こいつは。」


息はしている。飲んだくれてって寝てるだけだろうか。だったら、即叩き出してやるんだが。


なんて、頭の中だと威勢はいいが、所詮農家の俺に戦闘能力なんざない。「農作業で鍛えた俺の腕っぷしを見ろ!」なんて鍬を振り回すのなんて、都合のよい物語の中だけだ。戦闘スキルのない一般人が戦えるわけないじゃないか。


ということで、頭の中だけ勇ましく、体は腰が引けながら謎の男を見守る。


「うもー」


へっぴり腰の俺の脇からマウントンが男に近づき、ふもふもと頭の匂いを嗅いでいる。


おい、大丈夫か?探知系の特殊スキルでもあったのか?と、思いきや


はむ。


と、髪の毛を食べた。

おい!!アホ魔物!!

あわてて引き剥がす。


髪の毛が旨かった訳ではないらしく、大人しく離れるマウントン。

ついにボケたか?こいつは。


ただ、髪の毛を思い切り引っ張られた謎の男は、うぐぅと変な声をあげて目を覚まし、口を開いた。


「うぅ、ここは?僕はどうして、こんな所に?」


うわ、開口一番、面倒くさそうなセリフ!

厄介毎に巻き込まれないように、とっとと追い出したいところだ。


「ここはリヒト村の俺の畑だよ!具合悪そうだから、教会まで送ってやる!行こう行こう‼」


詐欺師と見紛うばかりの強烈ニコニコ笑顔で男を立たせ、厄介者を追い払うべく背中をかるーく押しながら歩かせようとした、その瞬間。


目の前の地面が紫色に丸く光り出した!

何なんだよ!?俺の畑はどうなっちまったんだ?



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