表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二階堂合戦記  作者: 犬河兼任
第一章 南が来る
9/83

1556 図南

<1556年 03月某日>


 伊達家との婚礼まで三ヶ月を切り、祝言の準備が始まった。

 二階堂家が急速に進めている富国強兵策の方も決して疎かには出来ず、分刻みのスケジュールを何とかこなし終え、クタクタになって自室に戻る途中である。


 昼間、願掛けの為に立ち寄った長禄寺にて、和尚からとある噂話を聞いた。

 どっかの越後の国主が、何もかも国さえも投げ捨てて出家しようとしているらしい。

 誰もがまさかと思う話であったが、それを実際にやってみせるのが長尾景虎という軍神であろう。


 正直羨ましい。

 仮に自分がそんな選択を思い付いたとしても、実行は到底無理。

 やはり英雄と呼ばれる人物は、常人とは少しズレた思考をするものなのだろうか。

 女人を遠ざけて不犯を貫いた点も、御家の為に進んで結婚しようとしている自分とは大違いだ。

 ただ改めて冷静に考えると、生涯童貞と同じくらいに自分の十三歳での結婚も凄い話なのだろう。


 結婚相手の伊達家令嬢の南姫は十六歳。

 伊達晴宗の長女となり、晴宗の腹違いの妹を母に持つ俺にとっては従姉妹だ。

 いろいろな意味で釣り合いが取れていない結婚である。


 家柄は信濃流二階堂氏の分家の我が家とどっこいどっこいだが、勢力は相手の伊達家の方が断然上になっている。

 精神は前世?の記憶があるため自分の方が上のはず、だといいなぁ。

 身体は三歳の年の差もあって彼女の方が断然大人だろう。

 そして武芸の習熟度は、どうやらあちらの方が完全に上の様子であった。


 昨年の伊達晴宗の奥州探題就任式。

 米沢城には多くの来賓があり、能や猿楽師の芸が披露され、夜遅くまで祝いの席が開かれたと聞く。

 当日の城の警備は、就任式を中心とした要人警護に集中していた。

 反対に手薄になっていたのが城の宝物庫で、警備の隙を狙って夕闇に紛れて賊が侵入。

 その賊を捕らえたのが、なんと南姫その人であったという。


 宴から下がる途中、城中の異変に気付いた南姫。

 振袖姿にも関わらず雑兵の薙刀を奪い取り、長い黒髪を靡かせながら賊を追いかけて一閃。

 見事賊をひっ捕らえ、宴の場に連行し、伊達晴宗の前に突き出した。

 更には、賊の手引きをしていた猿楽師一座の小者も、その場で問責をした上で搦め捕ったそうな。

 居合わせた父輝行が、興奮して説明してくれた。


「女子にしては背が高く、膂力も男勝り。良くしな(しぼ)れた腰の割に、尻付きは豊かじゃった。あれは強き子を産めそうじゃ」


 現代ならセクハラ当確なセリフを嬉しそうに語る父上。

 話を聞くに南姫は随分と恵体のようだが、十五歳の少女に出来る芸当ではない。

 父上の話が全て本当だとすると、その身体能力は驚異的だ。

 おそらく格闘ゲームをベースにしたこの世界観が、俺の従姉妹殿にも反映されているのではなかろうか。


 パワフル過ぎて、怒らせると地獄を見そう。

 どのような夫婦生活を送ることになるか、全く想像が付かない。

 史実の振る舞いを鑑みるに、実家の威勢を借りての無茶無体をするような女性ではないだろうけども。


 まぁ今考えても仕方ないか。


 部屋に着く。

 自室の引き戸に手を掛ける。


 ん???


 違和感を得て、手を止める。

 中に誰かいるな。


 護衛の小姓たちはいつの間にか消えていた。

 宿直の侍の姿が見えないのも明らかにおかしい。


 オートで戦闘モードに移行しないってことは、刺客ではないと思うが。

 念の為にマニュアルで戦闘モードに移行してマップを確認すると、確かに自室内に一人潜んでいる。

 そのマーカーは中立印であった。


 脇差に手を掛け、引き戸をゆっくりと開けてみる。


 部屋の中を見ると、整えられた寝床の横に、白い寝衣の年若い娘が居住まいを正して座っていた。

 俺の顔を見るなり平伏するその娘。


「殿の仰せで参りました。本日より祝言までの暫くの間、同衾させて頂きます」


 これもある意味、親心か。






 部屋に入って引き戸を閉め、その娘と向き合って座る。

 そして良く観察。


 奥付の女房たちの中には見ない顔だった。

 目鼻立ちが整っており、黒目がち。

 歳は南姫より少し上の十代後半くらいだろう。


 鄙には稀な、と形容しても決して不足は無い容姿。

 背筋がピッと伸び、所作もしっかりしているので、武家の娘だとは思うが。


「この度、殿のお声掛で新たに召し抱えられました、黒木対馬守正房の妹、(さえ)と申します」


 一門重臣の娘ではなく、新参だったか。

 伊達家の令嬢を正室に迎えるに当たって、言い方は悪いが後腐れの無いチョイスであった。


 見た感じ背は俺よりもありそう。

 南姫の体格もこれくらいなんだろうか。

 父上もいろいろと良く考えているな。

 しかし、黒木?


「黒木、とは宇多の黒木か?天文の大乱の折に相馬に攻め滅ぼされたという」


「・・・恐れ入りましてございます。我が父の名は黒木弾正信房。かつて宇多郡の黒木城主でございました」


 天文の大乱は、奥羽の大小名たちが伊達晴宗方と伊達稙宗方に分かれ、挙って六年も相争った大戦さ。

 国人と呼ばれる各地の豪族たちも、その例外ではない。

 海道筋の宇多郡では、黒木城の黒木正房と中村城の中村義房の兄弟が伊達晴宗方に寄し、行方郡の相馬顕胤と一戦交えた。

 乱の当初は稙宗方が優勢だった事もあり、両氏はあえなく相馬顕胤に討たれ、両城共に顕胤の側近たちに分け与えられたと聞く。


「お噂通り、年に似合わぬ大変な博識ぶりでございますね。私が兄に連れられて黒木のお城から落ち延びたのは、物心も付かぬ幼き頃の話。若殿もお生れになっていなかったはずですのに」


「天文の大乱の事は大分調べた。で、何故今になって他家に仕官を?これまで兄妹共々どこで何をしておった?」


 親戚の許へ身を寄せておりました、と答える冴。

 同族の黒木宗俊が相馬盛胤に仕えており、その庇護を受けていたとのこと。

 相馬顕胤が生きている間は見逃されていたらしい。

 だが六年前に顕胤が亡くなってから徐々に状況が悪化。


 亡き相馬顕胤の腹心であった、黒木城主の青田顕治と相馬中村城代の草野直清。

 その二人の権勢が相馬家中で日増しに増大。

 かつての黒木城主の忘れ形見の兄妹を敵視するようになり、黒木宗俊も庇いきれなくなる。

 当主になったばかりの若い相馬盛胤には、まだ青田と草野の両者を御する力は無く、あえなく兄妹は放逐されてしまう。

 それが昨年のこと。


 南の岩城は相馬家と良好な関係を維持しており、西の田村は相馬家と婚姻同盟を結んだばかり。

 北の伊達領には相馬家のシンパな伊達稙宗が隠居しており、安心とは言えない。

 結局二人は仙道筋まで出るしかなく、そこで父輝行に南姫と背格好の良く似た妹の冴の存在に目を付けられ、仕官の声が掛かったという顛末だった。


「田村と蘆名の戦さの時も、伊達の懸田討伐の時も。妙に相馬の動きが少ないと思うていたが。大なり小なり何処の大名も同じような問題を抱えているという事か」


「・・・」


 中野宗時と牧野久仲父子の専横を止められない伊達晴宗。

 青田顕治と草野直清の重臣二人を制御出来ない相馬盛胤。

 奇妙な相似であった。


 中央集権ってやっぱり大事だよなという話である。






 いろいろ貴重な話が聞けたので、そろそろお開きにしよう。


「冴、ようわかった。下がって良い」


「若殿」


「なんじゃ」


「若殿の知見は確かに凄うございます。その分では男女の営みについても書籍等で既に学ばれているのでしょうね。しかしながら閨の戦さも本物の戦さと同じ。実践を経験せずに本当の知識が得られましょうか」


 シレッと追い払おうとしたが、やっぱり大人しくは退いてはくれないらしい。


 疲れてるので、さっさと寝ないと明日に障るんだが。

 それにこちとらまだ十三歳なんだぞ!


「若殿。正しき手順を踏まねば、女子に子種は仕込めませぬ」


「まだ早いわ。祝言を挙げても、当分は子造りは致さぬと決めておる」


「何故にございますか。御家の子孫繁栄の為に励むのも、当主として欠かせぬ責務でしょう」


「まだこの身は数えで十三ぞ!元服したとはいえ初陣も未だ経験しておらん。そんな子供が子を作るなど、ちゃんちゃら可笑しいとは思わぬか?それに俺に何かあったとしても、弟の観音丸や横田の叔父がおろう。急いで子を作る必要はあるまい」


「大切なのは筋目にございます。若殿が御嫡男をお作りになることこそ、お家騒動を未然に防ぐ最良の一手なのですよ。それがお分かりにならない若殿ではございますまい」


「もちろんじゃ。そして年の近い後継者を持った場合に生じる弊害も、ようわかっておる」


 具体的な例を上げて、冴に教えてやる。


「当主と後継の歳が近いということは、前者が後者よりも積み上げられる経験の量も少なくなるということ。持って生まれた才の差次第で、両者の将器の大小が逆転する恐れも高くなろう。例えば甲斐の武田信虎と晴信父子。越後の長尾晴景と景虎兄弟もそうじゃろ。身近なところで言えば伊達家の先代(稙宗)と当代(晴宗)。最近では美濃で斎藤道三と倅の義龍が争っていると聞く。どこも父子相剋、兄弟相剋じゃ。両雄並び立たずとは良く言ったものよな」


 未来の話になるが、武田信玄と武田義信、徳川家康と松平信康もその例に当てはまるか。

 そちらは先達が勝利するパターンになるけど、家が被ったダメージは相当デカかった。


「無闇矢鱈に時期も考えず、ただ胤を蒔けば良いというものでもなかろう。田植えと同じよ。今はまだその時ではない」


「・・・いろいろ理由を付けておりますが、女子が怖いだけではありませぬか」


 少し押し黙った後、冴がフフンと笑って挑発する態度を取ってくる。

 押してもダメなら引いてみろか。


「怖いな」


 正直に答えてやる。

 鼻白む冴。


「いや、別にお主が怖いと言うてはおらぬ。嫁いでくる伊達の姫君が怖いのよ」


 正確には南姫の実家の伊達家が怖い。

 南姫と夫婦生活が上手く行かず、実家の伊達家の機嫌を損ねてしまうのが怖い。


「自分の身に置き換えて考えてみるがいい。下の毛もまだ生え揃わぬ三歳年下の童が、女を抱く手練手管を完璧に覚えて初夜に臨んでくるのだぞ。不気味とは思わぬか?」


 父の輝行としては、巴板額の年若い夫となる俺に対して、せめて閨では恥をかかぬようにと考えてくれたに違いない。

 だが俺の考えは異なる。


 南姫に対して、恥はいくらでもかいて良いと思っている。

 むしろ敢えて一緒に恥をかくことで、南姫との距離を縮めたかった。

 更に言うと、この魂と精神は一度大人を経験してしまっている。

 せめて体の方は清いままで南姫を迎え入れるべき。

 それが伊達家と南姫に向けた俺なりの誠意であった。


 ただし、そんな似非童貞ボーイのくっさいピュアな想いなど、目の前にいる冴にとっては本気でどうでもいいことで。

 女としてのプライドを散々に虚仮にされ、かなり苛立ってる様子。


「なんとつまらない男子ですこと!・・・もしや?」


 ハッと何かに気がついた様子の冴。

 可哀想なモノを見るような目でこちらは見つめてくる。


「もしや若殿は女子より男子の方が・・・」


「そっちの方は全然興味無いから!」


 衆道は武将の嗜み。

 この時代のその価値観だけは、個人的に全くもって受け入れ難かった。

 多様性の時代って、単純に時代が一周しただけなのではなかろうか。






 なかなか納得してもらえず押し問答。

 昼間の願掛けの件もあるので、ここで童貞を捨てるわけにもいかなかった。

 強引に追い払うか?


 ただ、この時代の年若い女子と膝を突き詰めて語らい合う機会は、正直これが初めてだ。

 その甲斐あって、この黒木冴という十七歳の娘の性質の良さを少しは把握出来たように思う。

 そう考えるとこのまま手放すのも惜しいな。


 よし、こうしよう。

 素早く計算して答えを導き出す。


「お主の立場もようわかっておる。己がこの任を果たさねば、せっかく仕官が叶った兄の立場が無くなると思うておろう」


 きゅっと唇を噛む冴。


「冴。父上にお願いして、お主の身柄は俺が預かることにしよう。源次郎、控えているのはわかっている。顔を見せよ」


「・・・はっ」


 スッと引き戸が開く。

 廊下に控えている須田盛秀。


 冴がサッと寝衣の襟を抑え、顔を背ける。


「話は聞いておったな。源次郎、お主にこの冴を貸し出す」


「「はぁ!?」」


 シンクロして驚愕の顔を浮かべる二人。

 おお、ほぼ初対面だろうに仲良いな。

 これは案外上手く運ぶかも。


「源次郎。先日受領した屋敷だが、奥向きを仕切る人手がまだ見つかってないそうではないか。丁度良かろう」


「冴。この源次郎、主君である俺が未婚ゆえに遠慮し、二十七歳になってもまだ嫁を取っておらんのよ。奥向きの仕事をこなす者が居らず苦労しているようでな。助けてやってくれぬか」


「「は、はぁ」」


 思わぬ展開に目を白黒させながら、互いの顔を見つめ合う源次郎と冴。

 もう一押しとばかりに二人が納得出来るよう理由付けしてやる。


「源次郎。田村と矛を交える時に相馬が出張ってくることもあろう。黒木の血族は相馬領への調略に使える。しっかりと冴を抱き込んでおけ」


「冴。この源次郎は俺の一番の側近ぞ。東部衆筆頭の須田秀行の弟でもある。今後も兄妹ともども二階堂家で禄を食んでいきたければ、媚びを売って置いて損はない相手じゃ」


 面と向かって、相手がいる状態で(けしか)ける発言をしてみる。

 こうすれば二人は自然と意識し合うようになるに違いない。


 二人の気持ちを考えぬ身勝手な采配ではあったが、冴にとっても源次郎の嫁になる方が遥かに幸せだろう。

 俺の夜伽番を務め、仮に子を孕んだとしても、冴が側室になれる保証は全く無いのだ。

 側室の輿入れに関する決定権は、奥の責任者となる正室の南姫が持つ。

 俺としても、新婚早々に側室の話などを持ち出して、南姫の実家に睨まれたくはなかった。

 

 据え膳食わぬは男の恥と言うが、ここは敢えて恥をかいて、腹心に機会を譲る事にする。

 父上もきっとわかって下さるはず。


 明日朝一で報告しに行くとしよう。






<1556年 06月吉日>


 祝言の日の当日である。


 花嫁である南姫は昨日のうちに須賀川に到着済みだった。

 城内で一夜休息を取っている。

 まだその顔を見ることは出来ていない。

 花婿である俺との初顔合わせは祝言の場と決まっていた。


 米沢を出立した輿入れの一行は、板谷街道を使って伊達領内の信夫郡まで移動。

 そこから奥州街道で安達郡と安積郡を経由して、この岩瀬まで到来している。


 安達郡を治める二本松畠山家と、安積郡まで勢力を伸ばしている三春田村家。

 昨年奥州探題職に就任した伊達晴宗の威光もあって、両家ともこの婚儀に対しては表立って反対していなかった。

 あくまで中立の構えで、花嫁行列の領内の通過についても、伊達家から双方に通行料を払うことで合意済みである。

 そのため南姫は母親の久保姫のように襲撃されることも無く、無事須賀川まで来着していた。


 輿入れ一行の護衛五百騎を率いたのは鬼庭良直。

 先の天文の大乱にて晴宗方として活躍し、一気に頭角を表した伊達家新進気鋭の侍大将である。

 奥州探題職の伊達家の姫君の輿入れに相応しく、絢爛豪華な嫁入り道具の数々が揃えられており、行列も盛大だったそうだ。

 その行列の須賀川までの道中を遺漏なく差配した鬼庭良直の軍才は、やはり相当なものであろう。


 鬼庭良直は見届け役として婚儀に参加予定と聞く。

 こちらの顔を見るのも楽しみだ。


「若、刻限にございまする」


 源次郎が時を告げてきた。


「うむ、参ろう」


 まずは固めの盃だ。






 婚礼の儀式。

 広間にて妻となる南姫を待つ。

 

 伊達家から来た侍女に手を取られ、白無垢の南姫が登場。

 第一印象は、随分と背が高い、であった。


 この時代の日ノ本の女性の平均身長は145cmくらい。

 位階持ちは一割増しになる世界観なので、王族、貴族、武門の生まれの女性の平均は、現代と変わらず160cm弱。

 南姫は170cmくらいはあるのではないだろうか。

 今の自分の背丈と比べて10cm以上の差がありそうだ。


 綿帽子の深い影に隠れる顔はクール系?

 切れ長で意思の強そうな瞳。

 なまじ整った顔立ちをしてるだけに、目ヂカラの圧が凄い。

 あのダンディな伊達晴宗と、奥州一の美少女と謳われた久保姫を掛け合わせるとこうなるのか。

 

 互いに黙礼し、左右に分かれて座る。

 この日の為に呼んだ桙衝神社の神主が何やかや儀式を進め、最後に三三九度。


 巫女に注がれた杯を飲み干し、杯を南姫に渡す。

 そして南姫が飲み干した杯を受け取り、再度杯を干す。

 小杯、中杯、大杯と互いの順番を入れ替えて儀式を進め、契りを交わしていく。


 その間、二人とも終始無言であった。






 続いて婚礼の宴だ。


 初日の今日は親族、一門のみのお披露目となる。

 南姫と上座に並んで座って列席者たちを待ち、順繰りに挨拶を受ける段取りとなっている。


 その前に父輝行が現れ、南姫と対面。


「父の輝行じゃ。南姫、よう参られた。ここを我が家と思うて寛いでもらいたい」


「不束者ですが、よろしくお願いいたしまする」


 初めて南姫の声を聞く。

 ちょっと低めのハスキーボイス。

 

 父輝行は良い嫁が来た、と満面の笑みである。


 明日は菩提寺への挨拶も予定に入っている。

 母上にもきちんと紹介しないといけないな。






 順繰りに一門の面々の挨拶を受け、最後に伊達家の見届け役の鬼庭良直が登場する。


「拙者、出羽長井郡川井城主の鬼庭良直と申す。我が主君晴宗様より、この婚礼の見届け役を仰せつかって候」


 長身で厳つい顔つき。

 如何にも頑固者という風貌。

 四十代半ばにして歴戦の将帥の風格有り。

 いずれ伊達晴宗が隠居し、輝宗殿の代になった暁には、伊達家の評定役に抜擢される武将である。


 政の遠藤基信と軍の鬼庭良直。

 この二人が両輪となって輝宗殿の伊達家を支えていくのだ。

 既に一方の遠藤基信とは知遇を得ている。

 もう一方の鬼庭良直とも対面する機会を得たのは、感無量であった。

 まずは新郎としてお礼をしないと。


「鬼庭殿。我が妻となる南姫をよく無事に届けてくだされた。この行盛、感謝の念に堪えませぬ」


「はっ。お役目でござれば」


 ダミ声で朴訥に返事をしてくる良直。

 良い、良いぞ!

 一人密かに興奮していると、父の輝行から予想外のプチ情報が入ってくる。


「行盛。この良直殿はの。武芸百般を収めた伊達家の猛将じゃ。南姫に薙刀を教えたのも、この良直殿と聞いた」


 え、そうなの?

 南姫は盗人を一太刀で行動不能にするくらいの腕前だ。

 それってかなり本格的っぽい。


「お恥ずかしい限りにございまする」


 恐縮する鬼庭良直。

 そんな鬼庭良直に隣の南姫から声が掛かる。


「良直、其方に教わった武技。今日からは二階堂の社稷を守る為に使うことになる」


「はっ」


「武家の運命(さだめ)は誰にも分からぬもの。いずれ両家が敵対することもあるやもしれぬ。その時は必ず決着を付けようと喜多(きた)に伝えて欲しい」


「承知仕った。姫、幾久しくご健勝であられますように」


 え、え?なんやて?

 父や一門衆、鬼庭良直は皆、南姫の見せた嫁ぎ先に骨を埋める覚悟に感動してるが・・・。

 聞き捨てならない単語が出てきたような。

 喜多って言ったよな?


 喜多。

 鬼庭良直の実娘。

 鬼庭綱元と片倉景綱の姉。

 そして伊達政宗の養育係。

 これからの伊達家を形造っていく超重要人物だ。


 喜多という名前が何故ここで南姫の口から出てきたのか。

 気になっていろいろ推測していたら、いつのまにか宴は終わっていた。






 ステージは床入りの儀に移る。


 俺がまだ年若なのもあって仮祝言になるのかと思ったら、本祝言だったそうな。

 普通に初夜である。


 互いに身を清め、白い肌襦袢を着て閨に入る。

 行灯の淡い明かりの中、布団には枕が二つ。

 仲良くそのままベッドイン、というわけにもいかなかった。


 やっと南姫と二人だけで話せる時間である。

 まずはコミュニケーションだ。

 向き合って語らおう。


「お疲れなされたか」


「ああ、いささか。堅苦しい儀式は昔から好かない。体を動かしている方が楽だ」


 二人だけということもあって、南姫もフランクに応じてくる。

 どうやら男言葉が素のようだ。

 ハンサムな南姫にはその口調も良く似合っている。


 改めて見ると南姫は美形であった。

 メリハリのついた体格で、腰の位置も高く、スラリと手足が長い。

 正直圧倒されてしまいそうになる。


「須賀川の風呂は凄いな。シャボン?というのか?髪がこのように光るとは」


 南姫の言う通り、豊かな黒髪が濡羽色に艶やかに輝いてる。

 そして風呂上がりの良い匂い。


 この婚礼に間に合うか微妙であったが、須賀川の技術力を結集して石鹸とシャンプーとリンスを何とか開発。

 少量だが用意することに成功し、二階堂家の床入りの流儀として、自分だけでなく南姫にも使ってもらっていた。

 しかしその威力は絶大過ぎた。

 鎮まれ、俺の利かん棒よ!


「では改めて。二階堂行盛と申す」


「伊達家から嫁いできた、南だ」


「「よろしくお願い致す」」


 互いに生真面目に手をついて深く礼。


 さて何から話そうか。






 何から、と言うよりも全部ぶっちゃけちゃいました。

 やはり夫婦の間で隠し事は良くないよね、という事で、これまでの経緯も含めて何もかも。

 勿論俺たちの声の聞こえる範囲に他人がいないことは、戦闘モードのマップのレーダーで確認済みである。


「う、うーん。つまり貴方は四百五十年以上先から来た、と。そう言っているのか?」


「その通り」


「私はあまり頭が良くないのだ。熱が出てしまいそうだ」


 やはり南姫は生真面目で根は良い人間のようだ。

 難しい話だろうに、怖がらず、恐れずになんとか俺の話を理解しようと頑張ってくれている。


「貴方のいた未来では、この須賀川の二階堂家は最終的に伊達家に潰される。それを避ける為に貴方は足掻いている」


「うむ。そうなる」


「そのような世迷い言をどうやって信じろと?」


「もう身を以て使ってもらったが、須賀川のお風呂やシャボンは未来の知識を基にして作った産物よ」


「・・・」


 悩ましい顔を見せる南姫。

 南姫を納得させるためにも、今こそ俺の覚悟を示そう。


「三年。三年待って欲しい。二階堂家の凋落は、田村家との抗争で今から三年後に今泉城を失陥してしまったところから始まるのだ。俺はそれを何としても食い止めたい。もし今生でも今泉城が奪われてしまったら、その時は離縁で構わない。それまで俺は南姫に指一本触れぬ」


「・・・三年」


「越後の軍神に習って、俺も毘沙門天に誓って参った。三年不犯を貫くので、三年の間は須賀川を守る為の加護を頂きたいと。これがその証ぞ」


 懐から一枚の紙を出し、南姫に渡す。

 起請文であった。

 三ヶ月前に長禄寺で認めてもらったものである。


 それを暫く見つめた後、南姫はフゥと大きく息を吐いた。


「私には難しいことはわからない。だが私は今日貴方と固めの杯を交わし、貴方の妻となることを八百万の神に誓った。その誓いを違えることは出来ない」


 そう言ってジッと俺の目を見つめてくる南姫。


「貴方の目は人を騙そうとしている者のそれとは異なる。貴方の妻として、貴方の言葉を信じようではないか」


 ホッ。

 何とかなったようだ。

 やはり赤心は何よりも勝るということだな。


「しかし、当分の間は子作りをせぬというのであれば、閨を共にする必要も無くなるが。どうするのだ?」


 枕が二つある布団を眺めながら、南姫が問いかけてくる。


 不犯は誓ったが、臥所を別けることまでは誓っていない、よな?

 今から別の寝所を手配するのも手間なので、一緒に寝ることを提案してみた。

 結局、夫婦としての絆を深める為に、夜を語らいながら同じ床に入ることにする。


「父上から相当な変わり者とは聞いていたのだが。大変なところに嫁に来てしまったようだ」


 布団に入ろうとする南姫が、クスリと笑いながらそんな言葉を呟いていた。

 行灯を消す瞬間にその苦笑を見て、ふと思う。


 笑窪って遺伝しないんだな、と。

 伊達晴宗のダンディな遺伝子は、相当強いと見える。






 その晩は闇の中で南姫といろいろな事を話し合った。


 喜多の話も聞けた。

 喜多は鬼庭良直から共に武芸を習った姉弟子となり、小太刀の達人なのだという。

 それも二刀流の。

 南姫は三歳年上の喜多を姉のように慕っており、好敵手でもあった。

 これまで九十九戦して三十三勝三十三分三十三敗。

 嫁ぐ前の最後の一戦の百戦目も、結局引き分けに終わってしまったらしい。

 あれは絶対喜多は手を抜いていた、いずれ決着を付けたいと南姫は密かに燃えていた。

 もしや伊達政宗と徹底的に敵対したのも、喜多が育てた甥の政宗に負けられないとの敵愾心が働いたからであろうか。


 その伊達政宗の父である伊達輝宗殿の幼い頃、つまりは彦太郎殿の話も聞けた。

 何でも幼い子供の頃から、南姫は彦太郎殿と一緒に寝る機会が多かったとのこと。

 いつのまにか臥所に忍んで来ていたらしい。

 母の久保姫がほぼ隔年ペースでポコポコ子供を産んでおり、甘える余地が全く無かったのが原因だった。

 男女七歳にして同衾せずで、彦太郎殿が七歳になってからは禁じられてしまったそうだが。

 その時はだいぶグズったようだ。

 それからも変わらず彦太郎殿はずっとお姉ちゃん子だったという。

 それであの手紙かと腑に落ちた。


 フフッと南姫が闇の中で笑う。

 何が可笑しいのか尋ねたら、三歳年下の男の子と同衾して語らってるこの現状が可笑しいらしい。

 弟と一緒に寝ていた頃を思い出してしまったと、クツクツと笑いながら宣う南姫。

 弟ではなく夫として傍で寝ているのだが、と不平を言うと余計にその笑いが深くなる。

 まさか嫉妬か?夫殿と笑いながら問われ、否定しようとする。

 しかし、よくよく考えたらその通りなので、こちらが赤面してしまった。


 俺と南姫の初夜は、そうやって穏やかに過ぎ去っていった。






<1556年 07月某日>


 南姫が嫁いで来てからも、日課となっている早朝の牛舎の掃除と乳搾りは欠かせない。

 相変わらず、二階堂家の後継者がするような仕事ではないと一門重臣たちに顔を顰められてはいるが、これだけは譲れなかった。

 今日も今日とて朝から牛のボロ出しである。


「姫、姫様!このようなところに足を運ばれますな!姫!」


 ん?

 騒がしいな。


 顔を上げると、侍女たちを連れ立ってこちらにやってくる南姫の姿があった。

 起こさないように床を抜け出したはずであったが。


 伊達家から同行して来た侍女の制止を何ともせず、牛舎に足を踏み入れてくる南姫。


「おはよう、夫殿。良い朝だな」


「・・・おはよう、妻殿。なぜここに?」


 ウモゥー、ウォモー。


 ハナコが早く乳を絞って外に出せと鳴いている中、俺は南姫と向き合った。






 この時代の家にはそれぞれ家風というものがある。

 二階堂家も伊達家も元を辿れば鎌倉の家人の家だ。

 更に同じく奥羽に蟠踞する武家という共通点もあり、両家の家風の差異は少ない。

 とは言え、当然伊達家のそれとは微妙に異なるところもある。


 二階堂家の嫡男の正室となった南姫は、これまで慣れ親しんできた実家の家風を捨て、妻として二階堂家の家風を学ばなければならなかった。

 南姫への家風の伝承は、本来であれば俺の母、祖母が務めるはずであったが、あいにくどちらも既に亡くなっている。

 そのため、輿入れから此の方、一門衆の妻たちが須賀川まで登城して代わる代わる教師役を務めている。

 この機会に少しでも須賀川城の奥に影響力を伸ばそうと、一門衆の妻たちは必死であった。


 ただ、須賀川城の奥を現在取り仕切っているのは、母の薫と共に伊達家から一緒にやってきた古参の侍女たちだ。

 今回の南姫の輿入れにおいても、相当の数の侍女たちが伊達家から送り込まれている。

 須賀川城の奥向きは、ほぼほぼ伊達閥で占められてしまった計算になる。

 伊達家出身の古参と新参の侍女たちは瞬く間に連携し、南姫はあっという間に須賀川の奥に君臨するに至る。

 一門衆の妻たちが家風に(かこつ)けて南姫を御そうと頑張っても、土台無理な状況となってしまっていた。


 父の輝行はわざとこの状況を見逃しているようだ。

 重臣の東部衆と一門の西部衆のバランスを取る為には、その方が良いという判断なのだろう。

 それが将来的に二階堂家を割る原因となってしまうのだが・・・。

 東部衆と西部衆の他にもう一勢力用意し、せめて三竦みに出来れば家中の統制も楽になろう。

 ただ、今は如何ともし難いので俺も放置である。


 話が逸れた。

 要するに、一門衆の掣肘を受けなくなった南姫が勝手気儘に行動を始め、気になる夫の日課を観察しに来たということらしい。


「しかし臭いな」


 牛舎の中を見回し、眉を顰める南姫。

 まぁ畜産というのはそういうものだし。


「そうか!夫殿が毎晩シャボンで体を洗っているのはこの為なのだな」


 などと勝手に納得し、感謝の視線を送ってくる。


「妻殿、そろそろ牛の乳を絞りたいのだが・・・」


「おおっ。面白そうだ。私にもやらせて欲しい」


 姫様!と慌てる侍女たちに構わず、やる気を見せてくる。


 ふむ。

 まぁ良い機会だ。

 ここで乳搾りを教えれば、南姫が疱瘡に罹る危険性も無くなるか。


「わかった。では・・・」


 6歳の頃から牛の乳を搾り続け、会得した乳搾りの極意を南姫伝授していく。


 南姫との初めての共同作業は牛の乳搾りになってしまった。

 それもまた一興だろう。






「これを飲むのだな」


 升に注がれた牛乳を手に取り、しげしげと眺める南姫。

 絞った乳を煮炊き場で煮るところまで見学にきた南姫は、当然のように自分も飲むと言い出していた。

 

「姫様、そのようなものを口にされては牛になってしまいます!」


 煮炊き場に充満する乳臭さに袖で鼻を覆っていた侍女が、慌てて止めようとする。


「夫殿はこれを毎日飲んでいると聞いたが、未だにツノは生えていないぞ」


 当然、南姫が止まるはずもなく。

 升に口を付け、ンックンックと飲み始めた。

 ああー、とこの世の終わりのような悲嘆の声を上げる侍女。

 この侍女、さっきから面白すぎる。


「ふぅ。飲めなくはないが。少し生臭い。私には合わないようだ」


 最後まで飲みきった後、南姫は微妙な表情を浮かべ、残念そうにそう言ってきた。

 舌の味蕾が成長した大人が、初めて牛乳を飲んだら誰でもそうなるだろう。

 そういう時はこれだな。


 長禄寺から取り寄せた壺を持ってくる。

 もう一杯牛乳を升に注ぎ、壺の中身を一垂らし。

 よく掻き混ぜてから南姫に差し出す。


「騙されたと思って、もう一杯だけ飲んでみられよ。弟の観音丸はこれが大好物でな。恐らく妻殿も気に入られよう」


「???」


 自信満々な俺の態度と牛乳そのものに若干怯みつつも、南姫は素直に升に口を付け・・・。


「んんっ!?」


 目を見開いて、先ほどの倍の速度で升を飲み干していった。


「ぷはー。夫殿、これは!?」


「ふふふ。これぞ須賀川の新製品。牛乳の普及率を上げる為の策の一つ。ハチミツ入り牛乳よ!」


 これで牛乳嫌いも一撃だ。

 須賀川の農兵や一般兵たちの栄養状態もこれで改善が期待出来る。

 五年、十年先には他国より強き兵を揃えることが出来よう!


 ハチミツ牛乳にどハマりした南姫は、この日以降、毎朝の日課に付き合ってくれるようになった。

 ただし、長禄寺が越後から導入した養蜂技術はまだまだ未熟で、ハチミツを安定供給出来るまでには至っていない。

 その為ハチミツは相変わらず高価ではあったが、伊達家という巨大な勢力をバックにしている妻の機嫌を取れると考えれば、それも安いものである。






 荘子に“図南鵬翼(となんほうよく)”という言葉がある。

 大鵬が南に向かって飛び立つ様を言い表す。


 南を図る。

 南に向かって勢力を拡大する。

 転じて大事業を計画することに通じる。


 我が叔父にして義父となった伊達晴宗。

 久保姫との間に初めて姫を得たとき、南と名付けた。

 そしてその名の通り、伊達家が南に勢力を拡張する為に、南姫を政略結婚の駒として使った。


 であれば、今その南姫を得た二階堂家が計画する大事業とは?


 須賀川の南には何がある?


 白河だ。


 そして更にその先には、、、


 肥沃な関東平野が広がっている。





〜 第一章完 〜


<年表>

1556年 二階堂行盛(12歳)


01月

▽肥後で相良万満丸元服。相良頼房(12歳)と名乗る。外祖父の上村頼興(66歳)が引き続き実権を握る。


02月

▽肥後の相良頼房(12歳)、阿蘇家と同盟。阿蘇家の甲斐宗運(41歳)に知己を得る。


03月

◆越後の長尾景虎(26歳)、突然の出家隠居宣言。

◎須賀川の二階堂行盛、向こう三年間限定で毘沙門天に不犯を誓う。


04月

◆下総の結城政勝(53歳)、相模の北条氏康(41歳)と結び、筑波の小田氏治(22歳)から海老ヶ島城と小田城を奪う。


05月

☆美濃の斎藤道三(62歳)、織田信長(22歳)に国譲り状を残して長良川で斎藤義龍(29歳)に討たれる。織田の救援軍間に合わず。


06月

▷出雲の尼子晴久(42歳)、石見を奇襲。毛利軍、忍原崩れで大敗して石見銀山を失う。

◎須賀川の二階堂行盛、長年の研究が実って石鹸・シャンプー・リンスを開発。

◎須賀川の二階堂行盛、伊達晴宗(37歳)の長女の南姫(15歳)と結婚。伊達家と二階堂家の婚姻同盟再成立。


07月

◆越後の長尾景虎(26歳)、高野山に向かう。

▽肥後の相良頼房(12歳)、薩摩大口城を攻略。

◎須賀川の二階堂行盛、ハチミツ牛乳を開発してしまう。


08月

◆甲斐の武田晴信(35歳)、北信濃の尼飾城を攻略。

◆越後で大熊朝秀(39歳)謀反。会津の蘆名盛氏(35歳)と連携。

■亘理の亘理宗隆(63歳)死去。伊達晴宗(37歳)、宗隆の女婿の泉田重隆を小平城に入封。


09月

◆高野山に向かう道中の長尾景虎(26歳)、家臣に引き止められて出家を断念。越後に戻って大熊朝秀(39歳)を破る。

◆相模の北条氏康(41歳)、常陸の佐竹義昭(25歳)を牽制するために筑波の小田氏治(22歳)と結ぶ。

◆筑波の小田氏治(22歳)、北条家の助力で結城政勝(53歳)から小田城、海老ヶ島城を奪い返す。

☆尾張の織田信長(22歳)、稲生の戦いで弟の織田信勝(20歳)の軍を破る。柴田勝家(34歳)、信長に臣従。

▽肥前の龍造寺隆信(27歳)、東肥前を攻めて神代勝利(45歳)を豊前に追い払う。


10月

▽薩摩の島津貴久(42歳)、松坂城を攻略して西大隅を平定。


11月

▶︎︎土佐の長宗我部国親(52歳)、三男の親泰(13歳)を香宗我部氏に養子に入れる。土佐国人を従属化。


12月

▶︎︎土佐の長宗我部国親(52歳)、娘婿の本山茂辰(31歳)の領土を侵食。秦泉寺氏を服属させ、大高坂氏と国沢氏を討つ。


-------------

▲天変地異

◎二階堂

◇吉次

■伊達

▼奥羽

◆関東甲信越

☆北陸中部東海

★近畿

▷山陰山陽

▶︎︎四国

▽九州


<同盟情報[南奥 1556年末]>

- 伊達晴宗・岩城重隆・二階堂輝行

- 蘆名盛氏・結城晴綱

- 田村隆顕・相馬盛胤・畠山義国


挿絵(By みてみん)


須賀川二階堂家 勢力範囲 合計 5万1千石

・奥州 岩瀬郡 5万1千石

ブックマーク登録、いいね、☆☆☆☆☆クリックでの評価を頂けると大変励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この話で脱落した読者結構いそうですね。 「いくらなんでもw」って思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ