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転生したら魔物?最強の魔王を目指せ!  作者: アルク
壱章〜フレイムゴブリンの冒険〜
5/8

05「テンプレ…じゃァなァァァァアイッ! 雌ゴブリンかよッ!」

 あ…あれ。いつの間にか寝ていたかな? 洞窟に光が差し込み俺の体を照らした。うぅん…。俺はまだ眠い眼を無理やりこじ開けた。


「は?」


 目の前に俺の顔を覗き込む影。それは…、そいつの正体とは…


「ええぇぇえ! クマァァァアッ!」


 俺の前にいたのは熊。それも毛が赤紫色で、刃物のような爪をもつ熊だった。


「クルルルルルル…。グォォオ!」


 俺が叫んだせいで敵対意識を持たれてしまったのか!? 何してるんだッ! 俺ッ!


 次の瞬間、鋭い爪が振り下ろされた。


「うおっ!」


 避けた! しかし、俺が寝ていた場所にひいてあったイノシシの毛皮は引き裂かれ、地面にあとが残った。どうやら、この洞窟はこのクマの巣だったようだ。何してるんだッ! 俺ッ!


「グルルルルルル」


 キランッと光るクマの瞳に俺が映った。マズい。こういう場合は…確かクマを見たまま後ろに下がるんだな。せーのっ!イチッニッ!サーンシッ!ニーニッ!サー…


「グオッ!」


 ヤバいわ。全然襲ってくる。ここは宝刀【流星】にどうにかしてもらうしか無い。


「ハッ!」


 俺は宝刀【流星】で熊を両断した。


「ぐおおおぉぉ…グハッ!」


 やはりこの刀はえげつない。強すぎる…。しかし大業物ということはまだ上のランクがあったハズだ。それを思い出してゾッとした。これより強い武器を相手が使ってきたら俺は逃げるな。絶対に。



 パラララララララ パラーン


「何だ?この音楽?もしかしてレベルアップ?」


 そう思い俺はメニューを押したすると。


 スキル『火魔法』を習得しました。


 との文字があった。



個体名.ディーウェン 

種族.フレイムゴブリンLv.5 基本Lv.7

スキル『剣豪』『五感強化』『言語理解』

   『火魔法』

装備.宝刀【流星】

称号.『神竜ノ友』

物攻.122 魔攻.144 物防.122 魔防.144 速度.122


 あ! きっとフレイムゴブリンがLv.5になったからスキルを習得したんだな。ってことはあの音楽はスキル習得の音楽か。何か間抜けな音楽だと思ったが…。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 火魔法を使って熊焼肉を楽しんだ俺は森を探索していた。


 ステータスも大分上がってきていると思う。自惚れはしないが、ある程度なら通用するレベルの強さにはなっているだろう。


 湖からしばらく離れた場所まで来た。すると…


「キャー! 助けてッ」


 との声が。オンナノコか?オンナノコか?俺は異世界定番の出会いを求めて茂みをかき分け進んだ。すると…


「ゴォブリィィィンッ!」


 緑色のオンナノコかァ!人間のオンナノコを求めていた俺がバカだった。俺なんてバカ丸出しだッ!

 目の前には傷だらけの戦士風のゴブリン一体、頑張って戦っている戦士風ゴブリン一体、雌のゴブリン一体がいた。ほとんど見た目が変わらないのがガッカリである。

 そして戦士風のゴブリンと対峙しているのが芋虫型のモンスターだ。しかしめちゃめちゃ大きく、牙がびっしりあって、気持ち悪い。何かネバネバした糸も飛ばす見たいだし…。うへぇ、最悪やん。

 そうして傍観していると声がかかる。


「そこの赤い君ッ!見た感じ腕が立ちそうだッ!助けてくれッ!」


 ボロボロになった戦士ゴブリンが俺に声をかけてきた。うへぇ…嫌だなぁ。あのウネウネしたやつはオレ戦いたくねぇもん。人間の美少女に助けを求められたら躊躇せずに助けるんだけどなぁ。

 しかし、同族か。うまく行けば安定した寝床を得られるかもしれん。仕方ない。助けてやるか。


「うっし!じゃあ助けるか! ソイヤっ!」


 案の定芋虫はバラバラに切断された。…ここだけの話、バラバラにしたのは確実に殺したかったからだよ。 嫌いだから、やたらめったら刀を振り回したわけじゃないからね?



 戦士ゴブリンと雌ゴブリンは驚いた表情でこちらを見ていたので。あいさつでもしてこの空気を変えようと思った。


「皆、怪我は無いか? 俺の名前はディーウェン。旅のゴブリンだ。お前らの名前は?」


 この質問が間違いであった。


「「「ねっ…名持魔物ネームドですか!?」」」


「は?」





−緑小鬼説明中−

 

 へぇ。名前のある魔物って少ないんだなぁ。知らんかったわ。


「はい。ということで私達に名前はございません。」


「ふーん。それより君たちってどこかの村に所属してるの? 俺ちょっと旅に疲れてさ。休みたいんだよね」


「はい。コチラです。どうぞ。」


 俺はすっごい丁寧な扱いで村に案内された。しばらく山道をすすんだ。すると、人工物がみえてくる。門のようなものがあり、そこにはいくつかの影が。すると…


「おぉ!我が娘よ!大事ないか!」


 と、一回り大柄なゴブリンが来た。すると雌ゴブリンに抱きついた。


「お父さん。恥ずかしいわ。みんないるじゃない。」


 …コイツこんな話し方だったのか…。意外ッ!


「しかし…我はお前らがあのキラーキャタピラーに襲われたと聞いて不安で仕方なかったのじゃ」

「そうですよ。族長、村の入り口で大暴れして、引きとめるのに苦労しましたよ。しかしそちらの方は?」


 族長と呼ばれる大柄なゴブリンの横にいた青年風ゴブリンが俺の話題を出し始めた。


「私達は彼に救ってもらったのよ。強かったわ。旅をしてるらしいんだけど、しばらく旅を休んで落ち着きたいらしいから村に連れてきたの。」


 雌ゴブリンが言った。


「赤いゴブリンとは珍しいわい! しかし、旅の方。ありがとうございます。我が娘を失ったらワシも立ち直れんところでしたわ。ワッハッハ!」


 何か豪快な人だなー。しかし、赤いゴブリンって珍しいのか。


「私の名はディーウェンです。しばらくの間よろしくお願いします。」



 俺は村にとてもよく迎えられた。忍び寄る不穏な影には気づかずに。



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