表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

Story.6 メリルとLv.1訓練攻略 2

 セビルさんに『どっちに行く』と聞かれたメリルは、暫く考えたあと、

 

「…じゃあ、右で。お前たちはどう思う?」

 

 答えたかと思うと、逆にこちらにも聞いてきた。

 ……いや、そっちで合ってるから…特に何も言うつもりは無いんだけど…どう切り替えした方が良いものか……。

 

「今回はメリルの進級のために来たんだから、メリルの判断に任せるよ」

 

 返答に困っていたワタシの隣で、セビルさんが返した。

 だが、当のメリルはというと、セビルさんの返事が気に食わなかった様で―――

 

「なんだそれは。

 そうだ、お前たち進級した後だったな。ということは此処の攻略法、知っているんじゃないのか?

 その上で私に判断を仰ぐとは…よっぽど記憶力が悪いのか、それとも―――」

 

 一息おいて、

 

「私を試しているのか」

 

 と、睨みつけてきた。

 セビルさんは慌ててフォローしようとする。

 

「いや、試すっていうか…メリルを試しているのは俺達じゃないし…学園側というか…えっと……」

 

 ……が、どうにも上手くメリルを大人しくさせられない様だ。

 汗ダラッダラじゃんセビルさん。

 此処は一発、正直に話しますかねぇ。

 

「攻略方法は知ってるよ。」


 メリルの視線がワタシに移った。

 相変わらず、睨んでいる様。

 

「実際ワタシらは情報サークルから得た攻略情報を便りに進級してるのが事実だし。

 情報サークルってのは、ワタシらとほぼ同じ時期に入学してきた…まぁ、メリルのいう所の『最近増えた生徒』っていう新入生だけで構成されているんだよね。

 ワタシ達の間では、旅団って言ってるんだけど。

 そして旅団内では、訓練施設の情報が出回っててね。

 ほぼ同時期に入学した生徒って言っても、それぞれ行動ペースは異なるから、中には5学年になったってヒトもいるくらいだよ。

 そうやって先に進級した人達が、情報を置いてってくれてるワケ。

 旅団は新入生だけしか入れない事になってて、存在すら在校生は知らないはずだよ。」


「そんなモノが…あるのか…」

「えーっ、それじゃあ俺入れないって事!?」

 

 戸惑うメリルと違い、ウィルバーは食いついてきた。

 

「二人はさー、そこに入ってるわけ? いいなー俺もそういう情報欲しい!!」

 

「…はぁ。そうだよ、ワタシとセビルさんは、その旅団で知り合ったんだ。

 知り合った当時、目的が同じだったからPTを組んで…そのままズルズルと一緒に行動してるの」

「もっとも、僕はその旅団、すぐに脱退したけどね」

 溜め息をつきつつウィルバーに答えるワタシの隣で、セビルさんは苦笑した。


 そーいやそうだった。ワタシがPT申請した直後、セビルさんは旅団を脱退してたな。「やっぱり僕にはああいうところは合わなかった」って言ってたけど……。

 ワタシはただ、情報が欲しくて入ったし、実際有力な情報が得られるから、入ったままなんだけどね。


 ってゆーか。

 ウィルバー騒ぎすぎだ。「入りたい入りたい!」ってなんども繰り返すなよ。

 セビルさんと二人で宥めようとしてるけどさ、全然落ち着かない!

ウィルバーの相手するのって、ホント疲れるな…。いちいちわめくなっつーの……。


 仕方が無いからウィルバーの相手を一旦やめて、メリルに向き合う。

 

「とりあえずLv.3訓練までの情報は手に入れて整理してある。

 そこではその情報を便りに進級狙って行くけど、とりあえず此処とLv.2はメリルのための進級だから、メリルに判断してもらうからね」

「情報を共有したいのは山々なんだけど、新入生間でしかやり取りしちゃ駄目だって事になってるから」

 

 ワタシの後に続けて、セビルさんが付け加えた。

 

「わかった。お前たちが卑怯な手で進級していることがな。

 さっきも言ったが右だ。もし私が間違えていても、私が3学年に上がるまでは、訓練に付き合ってくれるんだろう?」

 

 ニヤリと黒い笑みを浮かべながら、メリルが言う。言い終えると、薄暗い通路へと進んで行った。

 ハッキリ卑怯だと言われるとは思わなかったな…。

 ちょっと驚いたけど、まぁ、いいか。

 セビルさんと二人、メリルの後を追いかけた。

 

 ウィルバーは、というと。

「俺も入りたい!」とまだ繰り返し言っていたが、これ以上相手にするのは面倒だから、無視。

 無視を続けていると、慌てて追いかけてきたが。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ