Story.1 さよなら、ウィルバー。
今後の行動の為に。
さよなら。
まぁ、すぐ再会するんだろうが。
*****
メリルを訓練に連れて行きたいってゆーか、進級してくれなきゃ困るので、ウィルバーを振る。
なんだか淋しそうだったけど、きっとメリルの訓練に勝手に付いて来るだろうから、気にしない。
むしろとっとと消えろ。(←ヒドッ
自室に戻り、エルアークと通信してマイブックアイテムを確認。
そういや、初期に装備してた服、ほかりっぱなしだ。
制服ばかり傷んでる。
防御効果の低い服を使い込んで壊す事にした。
マイブックアイテムから服を取り出し、着替える。
………制服の方が、着心地良い……orz
やはり効果の違いが、着心地にも影響するのか……。そうなのか…。
着替えを済ませ、部屋を出るとセビルさんが待っていてくれた。服装が変わっていたの気づいてくれ、「懐かしいね、それ」と言ってくれた。
「メリルを探さなきゃ、ね」
わたしがそう言うと、既に情報を掴んでいたらしいセビルさんはこう言った。
「食堂に向かったって聞いたよ。行こう」
差し出された手を取り、食堂へ向かうことにした。
食堂に付き、中を見渡す。
「いないねぇ…」
「うん…おかしいなぁ。いるって聞いたんだけど―――…」
「ん? ……―――あ。」
食堂の奥から二番目のテーブルに、こちらを向いて手を振る男子生徒が居た。
ウィルバーだ。
かなり笑顔。
でも私もセビルさんも、その笑顔の後ろにいる、女子生徒にくぎ付けだった。
ウィルバー……。後ろ気にしろよ……あんたの気になってる子、そこにいるよ…?
メリルは、ウィルバーの座る椅子に背中合わせで椅子に座っていた。
一番奥のテーブルである。
私たちはウィルバーの笑顔も手もスルーして、メリルの正面に座る。
「お前らか、何の用だ」
メリルの瞳はそう言っていた。
突然正面に座った私たちに、食事をしたまま、視線だけで睨んで言ってきた。
可愛い女の子の睨んだ顔なんて、怖くない怖くない♪
笑顔でかわし、ダメ元と知りつつも、メリルを訓練に誘ってみた。
「今度の訓練、一緒にいかない? LV.1訓練」
「どうしてもか」
「ど・う・し・て・も♪」
「頼むよ、メリル」
すっと顔を上げ、メリルはため息をついた。
「……いつだ」
意外にも、彼女は素直に受けてくれた。
待ち合わせ日時を伝え、私たちは食堂を後にした。
*****
「さーて、メリルも無事誘えたし、Lv.1を終えたら速攻Lv.2も行っちゃえばイーし、Lv.3用の準備をするかー♪」
食堂から学園寮へ戻る途中、セビルさんと今後の予定を立てる。メリルとのLv.1訓練までは日があるのだ。
「……じゃあ材料集めかな? ラフィリアあと何が必要だったっけ?」
歩きながら伸びをするワタシに、少し考えたあと、セビルさんが言った。
「ロープ♪」
「じゃあ麻収穫バイトか」
「そうなるね~。あしt…」
「じゃあ行くか」
「うぇっ!?」
学園寮に向かっているはずが、突如セビルさんは進行方向を変えた。
いや、明日からでよくない!? ダメなの!??
私のそんな無言の訴えは、笑顔のセビルさんによって一蹴された。
有無を言わさず引っ張られ、麻収穫のバイトをさせてくれる畑の持ち主の農家へと向かった。
………農作業って……疲れる。
中の人がいるのは、
ラフィリアとセビルさん。
メリルとウィルバーはNPCです。