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ある日の日常

作者: 文章力皆無

雲一つない空の下、耳に蝉の声が鳴り響くある日の正午過ぎ

眠りから覚めた私は、今日も気分が悪くなる程良い天気だなと

思いながら寝間着を脱ぎ、汗によって肌に張り付く下着を脱ぎ捨て

生まれたままの姿に戻り、私は軋むベッドに横になり目を瞑った。

耳をすませば、外からは子供の燥ぐ声、夏祭りに向けての練習のための

太鼓の音、そして・・・りん、と、どこかで風鈴の音が鳴った。

その音で私は現実に戻されたが、昨日の出来事を思い出すためにもう一度目を

瞑った。


昨日は夕方から友人と遊ぶ約束をしていたため駅に向かった。

駅にはすでに友人がおり、声をかけようと近寄ったが私は歩みをやめた。

このご時世にナンパだろうか・・・友人は知らない男達と会話をしていた。

もしかしたらクラスメイトかも知れないと思い、考えてみたが思い当たる人は

出て来なかった。では誰か・・・私は友人には近寄らず、人通りが少ない所を

探した。

・・・人通りが少ない所を見つけた私はそこで友人に電話かけた。

4コール目ぐらいだろうか、友人が出た。私は急用が入った為遊べなくなったと

伝えた。友人は、そっか・・・それじゃあまた今度遊ぼうと言ってくれた。

私は電話を終えた後、再び友人の元に向かった・・・今度は見つからないために。

未だに駅で友人は話していた。6・・・いや、5分ぐらい経った後だろうか

友人は彼らと共に何処かへ向かった。私は見つからないように着いて行くことに

した。尾行を開始してから30分ぐらいだろうか、彼女達は人通りの少ないカラオケ店に

入って行った。流石にここまでか・・・と私はCDショップに寄ってから家に

帰ろう。そう思い踵を返し先程まで友人が男達と・・・いや、私と待ち合わせを

していた場所を通り過ぎたその瞬間、言葉にする程悍ましい事が頭をよぎり、

私は立ち止まり振り返った。そこには私を見ている友人がいた・・・いや、実際には

見ていると感じた。なぜなら友人の顔はまるで子供がクレヨンで塗りつぶしたように

見ることは出来なかった。

頭から雑音が消え、何故か子供の燥ぐ声と太鼓の音だけが聞こえた。

5分だろうか10分だろうか・・・もしかした1秒かもしれない。

りん、と、何処かで風鈴の音がした。

私はそこでハッとし辺りを見た。その時には雑音も蘇り、そこに友人の姿はなかった。

ここにいてはいけない。そう思った私は急いで家に帰った・・・

心のなかでごめん、と友人に謝りながら。

家に着いた時、母は驚いた顔をして今日は遊びに行ったんじゃないのと問いかけてきた。

私は待ち合わせ場所には行ったが友人に会えなかったと言い、さっき適当に食べてきた。

それに少し体調が悪いから今日はもう寝ると伝え、私は部屋に戻り、友人に今日は

ごめんとメールした後、眠りについた。

・・・22時くらいだろうか。母が私を起こし、友人が帰ってきてないとさっき連絡が

あったと言われた。私は会ってないからわからないと伝え、母はわかった言った後

部屋から出て行った。そして再び眠りにつき

―――そして今に至る。

友人はどうしたのだろう・・・どんなメールでも必ずメールを返してくるのに

返事が来ない。嫌な予感しかしない・・・拭えない罪悪感が私にまとわりつく。


それから数日後の夜、母が青い顔をして部屋に入ってきた。

・・・母の顔を見て私は全てを悟った。

母が部屋を出て行った後、私はベッドで横になった。

涙なぜか流れなかった・・・すごく悲しいはずなのに

いや、ただ悲しんでるつもりなのかもしれない。私に残っているのは虚無感と罪悪感

・・・・・・彼女が一体なにをしたというのだ。

ごめんなさい。ごめんなさい・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・

私にはこの言葉と友人に送ることしか出来ない

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