第1話 どうやら俺は土らしい
異世界もの。ファンタジーもの。転生もの。が好きな私です。
暇なので自分で異世界物語りを執筆しようと思います!
なろうプロの読者様は暖かく見守ってください。
※この作品はAIの力を借りています。場面の相談や設定の相談をしています。
昨今問題になっているAIですが、AI生成物が苦手という方は読んだ上で感想をいただければと思います。
どうか優しく見守ってください。
俺の名前は田中大地。28歳、独身。
どこにでもいる、ごく普通の会社員だった。いや、正確には「だった」だな。
なにしろ俺は死んでしまったらしい。死因は交通事故。
仕事帰りにコンビニで弁当を買って、横断歩道を渡っていたところまでは覚えている。
その後、けたたましいクラクションが聞こえて、目の前が真っ赤になった。
まあ、要するにそういうことだ。
28年という短い人生だったが、特に未練がないと言えば嘘になる。
買ったばかりのゲームもまだクリアしていないし、冷蔵庫には昨日買ったデザートも残っている。
……まあ、死んでしまったものは仕方ない。
問題はその後だ。
どうやら俺は、異世界に転生したらしい。なぜそんなことが分かるのかって?
簡単な話だ。目の前に、半透明の文字が浮かんでいるからだ。
いや、目の前という表現は正しくないかもしれない。
なにしろ今の俺には、目がない。意味が分からないと思うが、俺だって意味が分からない。
とりあえず、その文字を見てほしい。
――――――――――
【転生が完了しました】
個体名:なし
種族:土
レベル:1
保有魔力:0
固有スキル:吸収
――――――――――
……。
…………。
いや、ちょっと待て。
種族、土?土って、あの土か?公園にある茶色いやつ?
雨が降るとドロドロになる、あの?
いやいやいや。おかしいだろ。
異世界転生って普通、もっとこう、あるだろうが。勇者とか、魔王とか、ドラゴンとか。
百歩譲ってゴブリンやオークでもいい。動けるし、敵を倒せるし、頑張れば強くなれそうだし。
それに比べて土ってなんだよ。どうやって冒険するんだ?
どうやって魔王を倒すんだ?そもそも、どうやって歩くんだ?
……落ち着こう。
まだ俺が本当に土になったと決まったわけじゃない。
もしかすると、この世界では「土」という名前の種族が存在するのかもしれない。
土の精霊とか、土の巨人とか。そうだ。それならまだ希望はある。
とりあえず自分の体を確認してみよう。右手を動かす。
……。
動かない。
左手を動かす。
……。
動かない。
足は?
……。
ない。いや、待ってくれ。
手も足もないってどういうことだ。
それどころか、どうやら頭も胴体もない。
ただ、不思議なことに周囲の状況だけは何となく分かる。
暗くて、湿っていて、ひんやりしている。上の方からは、かすかに光のようなものも感じる。
そして俺の周囲には、小さな石ころや木の根っこらしきものがある。
……。
認めたくない。
認めたくないが、これはもう認めるしかない。
俺は本当に土になってしまったらしい。
「ふざけんなあああああ!」
そう叫んだつもりだった。もちろん声は出なかった。
土だからな。
⸻
さて。
転生してから、どれくらい時間が経っただろう。
一時間かもしれないし、一日かもしれない。時計がないので分からない。
それ以前に、太陽すら見えない。
どうやら俺は地面の中、それもかなり浅い場所に存在しているようだ。
最初は何とか動こうと頑張ってみた。しかし、当然ながら動けなかった。
土だからな。次に魔法を使おうとした。
異世界なんだから、魔法くらい使えてもいいだろう。
「ファイア!」
もちろん何も起こらない。
「ウォーター!」
これも駄目。
「アース!」
……。
いや、アースって。俺自身が土じゃないか。
何を出すつもりなんだ、俺は。それにステータスを見る限り、魔力はゼロだ。
魔法なんて使えるはずがない。
仕方なく、唯一の希望である固有スキルを調べてみることにした。
【吸収】
何とも地味な名前だ。
いや、土らしいと言えば土らしい。雨水でも吸い込むのだろうか。
そう思いながら、頭の中でスキル名を念じてみた。
すると、例の半透明の文字が現れた。
――――――――――
【固有スキル:吸収】
接触している物質から、生命力および魔力を吸収することができます。
吸収したエネルギーは経験値に変換されます。
――――――――――
ほう。なるほど。
これは意外と使えるんじゃないか?
つまり、周囲のものからエネルギーを吸収すればレベルが上がるということだろう。
土にしては、なかなか立派な能力じゃないか。
早速試してみよう。
「吸収!」
……。
…………。
何も起こらない。
おい。まさか不発か?そう思った瞬間だった。
――――――――――
【微量の生命力を吸収しました】
経験値を1獲得しました。
――――――――――
おおっ!成功した!
どうやら俺のすぐ近くにある木の根から、生命力を吸収したらしい。
素晴らしい。何が素晴らしいって、動かなくても経験値が手に入ることだ。
これなら土でもレベルアップできる。
よし、もう一度だ。
「吸収!」
……。
…………。
あれ?今度は何も起こらない。
もう一度。
「吸収!」
……。
駄目だ。どういうことだ?
さっきは確かに経験値が手に入ったはずなのに。
しばらく考えて、ようやく一つの可能性に思い至った。
もしかして、同じものから何度も吸収できないのか?
いや、正確には吸収できる生命力に限りがあるということかもしれない。
何にせよ、俺の周囲にあるものから得られる経験値は、そう多くないらしい。
……。
いきなり詰んだ気がする。
⸻
それから、どれくらい経っただろう。
相変わらず俺は土のままだ。当然ながら、レベルも1のまま。
暇だ。とにかく暇だ。スマホもない。テレビもない。ゲームもない。
そもそも手がない。
せめて寝ることができればいいのだが、どういうわけか眠くもならない。
俺はひたすら、周囲のわずかな変化を感じながら時間を潰していた。
そんなある時だった。
ドンッ!
突然、地面が大きく揺れた。
何だ?地震か?いや、違う。
続けて何度も振動が伝わってくる。
ドンッ! ドドンッ!
何かが地面を激しく踏みつけているらしい。
それだけじゃない。
かすかにだが、人間の声のようなものも聞こえてきた。
「くそっ! こんなところにオークが出るなんて聞いてねえぞ!」
「下がれ! そいつの棍棒に当たるな!」
おおっ!人間だ!
転生してから初めて聞く、まともな人間の声だ。
しかも言葉が分かる。
どうやら異世界転生特有の言語翻訳機能とやらは、俺にも備わっているらしい。
いや、それよりも。オーク?
今、オークって言ったか?
豚みたいな顔をした、あのファンタジー定番の魔物か?
ということは、どうやら俺の頭上では冒険者とモンスターが戦っているらしい。
見たい。ものすごく見たい。
だが、当然ながら俺には目がない。
何とももどかしい。
「ぐあっ!」
突然、男の悲鳴が聞こえた。
直後、重いものが地面に倒れる振動が伝わってきた。
「おい! しっかりしろ!」
「駄目だ! もう助からねえ! 逃げるぞ!」
慌ただしい足音が遠ざかっていく。それを追いかけるように、重々しい足音も離れていった。
……。
どうやら戦闘は終わったらしい。
しかも、冒険者の一人が命を落としたようだ。
何とも後味が悪い。
異世界に来た以上、魔物との戦いくらいは覚悟していたつもりだが、実際に人が死ぬ場面に遭遇するとは思わなかった。
いや、見てはいないんだけどな。
それにしても、さっきから妙な感覚がある。
俺のすぐ近くに、何かが染み込んできているのだ。
温かい液体のようなもの。
そして、そこから微弱な生命力を感じる。
……まさか。
俺は恐る恐るスキルを発動した。
「吸収」
――――――――――
【生命力を吸収しました】
経験値を3獲得しました。
――――――――――
おおっ!?経験値が入った!
しかも3だ!木の根から得られた経験値の3倍じゃないか。
……いや、待て。
これって、もしかしなくても。
さっき倒れた冒険者の血液から吸収したってことだよな?
…………。
何とも複雑な気分だ。俺だって元は人間だ。
誰かが死んで、そのおかげで自分が成長できるというのは、あまり気持ちのいいものじゃない。
だが、ここで一つの事実に気がついた。
土は、死んだ生き物を分解し、養分に変える。植物も動物も、いずれは土に還る。
つまり、俺のこの能力は、土としてはごく自然なものなのかもしれない。
……そう考えると、少しだけ納得できた。
とはいえ、積極的に誰かが死ぬことを願うつもりはない。
そんなことを考えていると、再び半透明の文字が浮かび上がった。
――――――――――
【吸収可能な有機物を検知しました】
対象:人間の遺骸
分解吸収が可能です。
※現在のスキルレベルでは吸収速度が著しく低下します。
――――――――――
……なるほど。
血液だけじゃなく、亡くなった生き物そのものからも吸収できるわけか。
だが、今の俺にはほとんど分解する力がないらしい。
まあ、当然だよな。普通の土だって、生き物を一瞬で分解できるわけじゃない。
時間をかけて、少しずつ土に還していくものだ。
それなら俺も、焦る必要はないのかもしれない。
どうせ動けないんだ。
時間だけは、いくらでもある。
俺は静かに吸収を続けることにした。
一時間。二時間。
いや、もっと経っただろうか。
相変わらず時間の感覚は曖昧だったが、少しずつ経験値が増えていくのは分かった。
そして、ついに。
――――――――――
【経験値が一定値に達しました】
【レベルが2になりました】
新たなスキルを獲得しました。
【領域拡張】
――――――――――
来た!ついにレベルアップだ!
いやあ、長かった。たかがレベル2になるだけで、こんなに苦労するとは思わなかった。
早速、新しいスキルを確認してみよう。
――――――――――
【領域拡張:Lv.1】
自身の支配領域を拡大することができます。
現在の拡張可能範囲:半径1センチメートル
――――――――――
……。
1センチ?いや、待ってくれ。
1センチって。定規の一目盛りじゃないか。
せめて1メートルくらいあってもいいだろう。いや、贅沢は言わない。
10センチでもよかった。それが1センチって。
……。
まあ、いい。
最初はこんなものだろう。何しろ俺は土だ。
それも、まだ生まれたばかりの土。焦らず、少しずつ成長していけばいい。
そう思いながら、俺は領域拡張を発動した。
すると、確かに自分の体がほんの少しだけ広がった。
今まで感じられなかった小石の存在。新しく触れた木の根。
そして、土の中を動く小さな虫。そのすべてが、以前よりもはっきりと感じ取れる。
……なるほど。
これは面白い。たった1センチ。
人間だった頃なら、何の価値も感じなかっただろう。
だが、今の俺にとっては大きな一歩だ。いや、歩けないんだけどな。
少しずつ成長すれば、いつかはもっと広い世界を感じられるようになるかもしれない。
今は地面の中に埋まっているだけの存在だ。
だが、いつかこの森全体に広がることだってできるかもしれない。
そう考えると、何だか少し楽しくなってきた。
よし。まずは半径10センチを目指そう。
目標が小さすぎる気もするが、何事も最初が肝心だ。
こうして、異世界で土に転生した俺の、奇妙な第二の人生が始まった。




