表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

夢シリーズ

旅行の帰りに

作者: レスト
掲載日:2023/12/23

 旅行の帰り、バスの中で揺られていた。

 あけみちゃんが隣に座ってくれている。

 疲れからうとうとしていた私は、とうとう目を開けているのが難しかった。


『やっほー!』


 新雪が積もっている。

 秘密の旅行。にはちょっと薄着。

 しまったなぁ。北国の寒さを舐めていたかもしれない。

 でも、ずっと楽しみにしてて。寒さなんか気にならないくらい、胸があったかくて。

 わくわくしていた。


『うへへ。では、記念すべき第一歩を』

『そこ危ないよー。滑るよ』

『きゃあああっ!』


 つるっ。すってん。

 忠告通りというか。アホというか。

 物の見事に大股を開いてすっ転んでしまったわけで。

 初っ端から盛大に躓いてしまう辺りが、どうにも私っぽくて。

 笑っちゃった。


『ほら、言わんこっちゃない。怪我してない?』

『うん。だいじょぶだいじょぶ』

『時間はたっぷりあるんだから。いきなり飛ばし過ぎないでね』

『はーい』


『海の幸、いっぱいだぁ』『美味しそうに食べるよねえ』

『きれいだねー』『うん。きれい』

『ひゃっほー!』『いぇーい!』

『うふふ』『あはは』


 あっという間の何日かで。


 ……目、覚めちゃった。


 なんか楽しかったこと、もっともっと、いっぱいあったような気がしたんだけど。

 起きたらもう、楽しかったなあってことしか覚えてなくて。ふわっとしてて。

 だから。まだ。もうちょっと夢の中で浸っていたい、かも。

 柔らかい感触と、甘い香りが鼻孔をくすぐる。

 いけない。私、もたれかかっちゃってたみたい。


「あ。ごめん」

「ふふ」


 ぼんやりしたままの眼で見上げると、あけみちゃんが優しく微笑んでいた。


「重かったよね?」

「ぜーんぜん。可愛かったからつい、そのままにしちゃった」

「そっか……ねえ。もうちょっとこうしてていい?」

「いいよー」


 私は彼女にしなだれかかりながら、また懲りもせずうとうとする。

 楽しい夢の続きが見られそうだった。

 ふと、視界の端にそれが映り、とても幸福な気分に包まれた。

 まだ誰にも言ってないけど。

 私たち、ずっと恋人繋ぎだね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ