第62話
その後の展開で、オイラは驚いた。
空を飛んでいる⁉
あのタイニーダンサーってKG、空を飛んでいるぞ⁉
最初はGハンガーの加速でダッシュしているだけかと思ったけど、違う!
しかも、あのKG、飛行の為の外付けの追加ブースターユニットが無い!
多分、アレ、Gなのに、GSとかの大型の機体をも飛ばす事ができるっていう、アリーエル粒子を応用した特殊な飛行装置らしい、アリーエルクラフトってのが付いているんだ!
その上で機体はコンパクト!
きっと、アリーエルクラフトも、GS用とかの大型のじゃなく、小型軽量化されたのを積んでるんだ!
「ケビン、いまそっちに行く! オマエは、ちょい下がり! ユリン! ケビンのサポート! マカロニは引き続き砲撃! ザヌスの人は、うちに続いてや! おっさん! もっと弾幕張ってや!」
ミケさんが相変わらずテキパキと指示を出す。
「了解だ、姐さん!」
「OKよ、リーダー!」
「分りました、ミケさん!」
「了解だ、ミケ!」
「承りました、お嬢様。」
トロイメンカッツェのメンバーとザヌスの人が、口々に応える。
「な…KGが…そ…空を飛んでいるだと⁉」
「アレが、アヴァドンの愛機のタイニーダンサーか⁉」
ザインさんの部下の皆さんが空を滑空して迫るタイニーダンサーに驚きの声を上げる。
「クッ…KGが4機も…ッ⁉ しかもアヴァドン専用機のタイニーダンサーまで出てきたってのかッ⁉ だが…ここまで来て、手ぶらで帰れるかよ! 野郎共! ラーゼンレーヴェはさっきのでEN切れ寸前のはずだ! そっちに深追いする必要はねぇ! まずは頭を叩く! アヴァドンを潰して指揮系統を乱せば、後は烏合の集だ! タイニーダンサーに攻撃を集中させろ!」
ザインさんが部下の皆さんに指示を出す。
「逃げへんのは褒めたるけど、うちをさっきの慣れへん機体に乗っとったうちと同じやと思ったら……痛い目…見るで…ッ⁉」
ミケさんが、言葉の溜めの後にタイニーダンサーのブースターを噴かせてザインさんたちに一気に詰め寄る!
「は…速ぇぇッ⁉」
「クッ…ラーゼンレーヴェ程じゃなくても…空を飛ばれて…この加速は…ッ⁉」
ラフィンスカルの皆さんが戦々恐々とする。




