第437話
と、そこで…⁉
「誰だ…⁉ レジスタンスか…⁉」
誰かが、この階に侵入して来た…⁉
「あ…ッ!」
そこに至って、レフィルは、
その腕輪の本来の持ち主になるはずだった人物と出くわしてしまう。
「貴様! その腕輪を、どうするつもりだ⁉
フェアシュテルケンを奪うつもりか⁉
このカイト=フェルミスの前で…よくも抜け抜けと…‼」
と、カイトと名乗った人物が、いきなりレフィルに右拳を振り抜く⁉
「あ…あぅ…ッ⁉」
突然の暴行に悲鳴も出ないレフィルに!
「貴様! 貴様! 貴様!
その腕輪を私が装着する前に‼
何とか外せたとしても!
無駄な手術などをして外さねばならなくし!
私がフェアシュテルケンを扱えるようになるのが!
これ以上、伸びる様に、良くもしたな…‼」
と、更に左拳、右拳、と、レフィルをボコボコにするカイト…⁉
レフィルからしたらオジさんと呼ばれる歳で、
仮にバーダックなどから見れば青年と思えるカイトが、
「私は、今回完成した、
そのドールコントローラーを、直ぐに装着できるはずが!
フェアシュテルケンを、直ぐに扱えるはずだったのに!
安全の為などと、わざわざ長期の精密検査を、
ここまで受け続けたせいで、
フェアシュテルケンを扱うのが遅れているというのに!
貴様などのせいで! 更に!
この! この! この!」
と、更に凄い形相で怒声を発し、レフィルに襲ってくる⁉
「あぅ…⁉ あぁぁぁ…‼ た…助けてくれ…‼
だ…誰でも良い…‼ 誰か…‼ 誰か助けてくれ…ッ‼」
そう、レフィルが、
たまたま、装着した右腕の腕輪に向かって、
話しかける様に叫んだ時だった…‼
そこで、巨大な機影が、
レフィルとカイトの居る360度を壁に囲まれた最上階を、
露天風呂の様な見晴らしの良い場所に変えた…ッ⁉




