第43話
そうホコホコ笑顔をミケさんが向けてくれるが……うん? …あれ?
「ミケさん? 今、思ったんスけど、うちの村の自警団は、さっきの副団長さんたちはノックアウトですし、それ以外の方々は下剤で腹を下してダウンしてて、のたうち回ってる間に、ミケさんのお仲間さんたちに自警団倉庫に残ってるFGを目の前で全部盗まれたんですよね? なら、オイラたちを追って来るFGが無いんじゃないですか? 実は、もう、こんな急いで逃げる必要、無いのでは?」
ふと湧いた疑問をミケさんに投げるが、
「確かに、自警団のFGは、もう無いし、うちらを追って来れる人員も、さっきの副団長たちくらいや。でもな、一寸の虫にも五分の魂って言ってな、そういう、やられたい放題の状況を経験した奴らは、怖いんや。戦力のFGが全部無くても、そういう奴らは、村の一般の人たちが使っとるWGとかを無理にでも借りて、FG用の武器を無理やり装備したりして、撃墜されるのを覚悟でも相撃ち狙いで特攻とか、悔しさの余り無理やりでもしかねんねん。その上、戦況を見て、うちの仲間たちの慣れたGたちやなく、扱いに慣れてへんこのシュタイガーンバオアーを狙ってきよったりして、少しでも噛みついて傷跡を残そうとするもんなんや。そうなったら、負けんにしても、こっちも損害が大きくなるからな。TSっちゅうのは、一流のモンはな、行動は大胆に、アフターケアは入念にするもんなんや。」
と、思ってもみなかった上、本人の言うように凄い入念な答えが返ってきて、
「ふへぇー……。」
その考えつくされた油断ない対応の話に呆然としてしていると、
「っと、でも、そうは言ったけど、そろそろ仲間もFGを全部盗んだ上で合流してくれる頃やね。まだ合流予定ポイントは、ちょっと離れてるけど、そろそろ緊張も少しは緩んでええかもやね。よし! ほんなら、仲間と合流して、仕事の打ち上げとロクスリー君の入隊祝いを兼ねたパーティーで乾杯や!」
ミケさんがモニター越しに、手を上に付きあげて笑って言って来る。




