第38話
「ザヌスはノーコンっス! ザヌスは最後で良いから、まずはエネルギー切れしたガトナス2機の手足を砕いて下さいッ! FGはラジエールエンジンっス! 時間が経ってエネルギーが回復してガトナスが、また動くようになるのが、この場で一番の脅威っス! でも、エネルギーが回復しても、手足さえ砕いとけば回避が出来なくなるので、普通の神経の操者なら反撃が怖くて攻撃して来なくなるっスよ! 追っても来れなくなるっスし!」
「OKやッ! 君が何かやったワケやないけど、このガトナスのエネルギー切れを、分析、予測しとったっぽいから、確かに君の分析眼はしっかりしとるんやろう。……やからッ!」
シュタイガーンバオアーが、ガトナス2機の両手足を質量兵器でブッ叩いて砕く。
「クッ……‼」
「こんな事で……ッ‼」
ガトナスの、お二人が、悔しさに言葉を詰まらせる!
「クッ……まだオレが居る事を教えてやるッ‼」
ザヌスのヨギーさんが果敢にシュタイガーンバオアーに攻撃を加えようとしているっぽいけど、相変わらずバズーカが思いっきり外れまくる。
その間に、シュタイガーンバオアーがガトナスの2機の両手足を粉砕し終わる。
「うっス! 後はザヌスを撃ち抜いたら全速ダッシュで逃亡っス!」
「おお、分かったわ!」
「クッ……そうムザムザやられは……ッ!」
ヨギーさんが何か言い終わる前に、TSの人がシュタイガーンバオアーのレーザーライフルを一気に複数回発射し、そのほとんどが射線をスレたが、一部がザヌスの右腕間接部を撃ち貫く。それでザヌスの右腕が垂れ下がったッ!
「いくら慣れん機体でも相手がたった1機やったらな! 早よ、脱出した方が身の為やで?」
シュタイガーンバオアーが、垂直ミサイルの発射態勢に入るッ!
「クッ…! それでも…ッ‼」
未だに、しつこく粘るヨギーさん。
ここに来て、ザヌスの左外腕部のレーザーガトリング砲をやっと使い出す。
が、この距離でも、やっぱり明後日の方向に射撃が寄る。
「脱出せんかったら、どうなっても知らんでッ⁉」
シュタイガーンバオアーが垂直ミサイルを、これでもかと乱発し発射する!
幾筋かが、明後日の方向に飛んだが、他の幾筋が、上空に垂直に飛び、空中で一瞬止まった後、斜め下のザヌスに向かって一斉に降り注ぎ、ザヌスの胴体部にモロに直撃する!
重装甲のザヌスとはいえ、垂直ミサイルの連弾の直撃で胴体部の装甲が剥げ、胴体部の一部の内部が剥き出しになる!
そこに、更に、幾発もの垂直ミサイルが、シュタイガーンバオアーから上空に放たれるッ!
「クッ……! これ以上は…ッ!」
流石に危機を感じ、脱出ポッドを起動し、ザヌスを捨てるヨギーさん!
それを尻目にシュタイガーンバオアーの垂直ミサイルが降り注ぎ、更に止めとばかりに、バトルアックスで、剥き出しになった胴体部を粉砕し、ザヌスを撃破するッ!
「テメェらッ‼ 憶えておけよッ‼」
吠えるヨギーさんを尻目に、
「うっス! 後は全速ダッシュで逃げるっスよ!」
「ほい来た!」
一気に、さっきまでの林を抜けて行く。
ドンドンと遠ざかって行く自警団のFGたち。
よっしッ! この分なら、ブッち出来る感じだねッ!




