第34話
「クッ……仕方がない。シュタイガーンバオアーは止めたんだ。ロクスリー1機くらいオレが何とかしてやるッ! だが、さすがに相手は世間の分からない未成年だ。撃墜はあり得ん。ここは牽制射撃で足を止めるッ!」
ヨギーさんからの手加減する宣言に、少しはホッとするものの、ザヌスの手には、がっしりとバズーカが握られて照準が絞られており!
「クッ……こうなったら逃げられるだけ逃げてやるっスよッ!」
例え手加減されても、捕まったら、オイラは戦犯!
しかも、さっきのTSの人とヨギーさんの話が確かなら、咎を受けるどころか、ほ…ホルモンされる恐れすら…あるんじゃないのッ⁉
「そ…それだけは…ッ! 絶対に回避する…ッ‼」
慣れないFGの操縦だけど、この身の全身全霊を賭け、逃走を試みる!
その上で、ヨギーさんのザヌスのバズーカは、その言の牽制射撃どころか、相変わらずどこまでも明後日の方向に飛ぶ。
オイラで勝てる気はしないけど負ける気もしない。
ここはシュタイガーンバオアーのねえちゃんもブッチして逃げのびてやるッ!
「えーいッ! ちょこまかとッ! こうなったらゲズの手足をブレードで切断してやるッ!」
基本的に、レーザーブレードやレーザーアックス等は、
腰部などに仕舞われてる事が多く、
そこに仕舞われてる時はレーザーを帯びてないのだけど、
Gの手に持つとレーザーを帯びる事が、
FG等用のレーザーブレード等では多い。
カスタムされたレーザーブレードとかなら、手に持ってる時でも、
レーザーのONとOFFの切り替えはできるらしいけど。
だから、ザヌスが手に持った瞬間、レーザーが纏わされ、
ザヌスがレーザーブレードをブン回しながら近づいて来た。
ヒャッホー! この人バカだ!
この距離でレーザーガトリング砲や頭部バルカンを使う頭が無いらしい!
「うはは! 勝てる気はしないけど負ける気もしない! 軽量型で格闘戦専用のガトナスならまだしも、ザヌスの様なホバーとはいえ重装甲の重量型砲撃特化の機体に乗ってブレード振り回すなんて、オイラと同じくらい下手な操縦のアンタが当てられるワケないっしょッ‼」
と、有頂天になっていると……。
ブンッ‼
ザヌスがスッ転んでレーザーブレードが手からスポ抜けてこっちのコクピット部にモロに突き刺さって来たッ⁉
「ちょ……ちょッ⁉」
回避もままならず、驚きのままに熱量が全身に降り注ぐ!




