第30話
まずはダジルさんのゲズの胸部コックピットにゾンドのマニュピレーターを突っ込んでゲズのコックピットを開ける。
そのままゲズのコックピットの中のダジルさんを、そいっと林の中に、ぶん投げる。
「ちょッ⁉ てめぇッ! ロクスリーッ! 何しやがるッ⁉」
驚愕と非難の声をダジルさんが上げているっぽいけど気にしな~い。
そして、ゾンドに30秒後に隊長機のザヌスに突っ込ませる自働稼働機能を仕込んで38をゾンドからぶっこ抜いて、ゲズに乗り込んで38をゲズに繋げる。
「38ッ! とにかくこのゲズを、さっきのゾンドと同じ操縦で動く様に、一瞬でチューニングしろッ‼」
『今のマスターは、いつにも増して無茶苦茶だと判断しますが、この行動で、本当に、よろしいのですか?』
「男にホルモンされてたまるかッ‼ そんな事になるくらいなら、このシュタイガーンバオアーとかいうKGのパイロットのねえちゃんと一緒に逃げて、しっぽり行くわッ‼」
「ちょッ⁉ 何をしているんだ、ロクスリーッ⁉」
ヨギーさんが驚きの声を発する。
そこに、さっきまで乗っていたゾンドが自働稼働機能で突っ込んで行く。
「こ……こらッ! 何をするッ⁉」
ゾンドに全力で突っ込まれて不意を突かれたヨギーさんのザヌスは諸にぶつかる。
レンダーさんとイリーさんたちのガトナスたちも、その不意のオイラの行動に驚いて身動きが取れないでいる。
『マスター、チューニング完了です。』
ゲズのバズーカをザヌスとガトナス周辺に発射するッ‼
「そら、ブッ放するわッ!」
当てるつもりはない、ただの牽制。
そもそも狙ってもオイラの腕では当たらない。
でも、これで!
「よし、何や分からんけど、ようやったで、ロクスリー君ッ!」
そう、この一瞬の緩みの間で、シュタイガーンバオアーが自由になる。
自警団のFGたちの囲みから逃れるシュタイガーンバオアー‼
よッしッ! 計算通りッ!
「うッし! 全力で助けて逃げるんで、後でしっぽり行かせて下さいっス!」
「しっぽりは、いかへんけど、助けてくれたお礼に、うちらの仲間に入れたる! だから、今は、ここを切り抜けるで!」
「うぃっス!」




