第3話
いま乗っているこのゾンドのようなWGと呼ばれる作業用ロボでも今では再現できない技術が使われているらしい。
大戦の為に地中に埋まったロボたちであるGを発掘して売って儲けるTHの様に、発掘で、地下に埋まっていたG倉庫とかに当たって、1ダースくらいのWGや、戦闘用の機体のFGとかを一山当てたら大儲け。
万が一、高性能エース機と言われるKGなんて発掘できたら売ってウハウハというところだけど……。
まあ、現実的にはこうだよね…。
THになって一発狙える腕も無いし、そもそも運が無いっていうね…。
で、父さんが残してくれたこの『外部接続OS38式』……。
長いから勝手に略して……。
『前マスターのネーミングセンスも酷かったですが、マスターのネーミングセンスも最低だと判断します。』
と、いきなり咎めて来た、略称『38』に頼らないとゾンドすら動かせないんだよねというね……。
でも、父さんは38を『みはち』とか呼んでいたけど、そっちよりは『さんぱち』の方が分かりやすい上に響きも良いとオイラ的には思うんだけどなぁ……。
まあそれらは置いといて、オイラが今できる仕事といえば、WGでの、防壁の工事や農作業や漁業などの日雇いの仕事程度。ぶっちゃけ、それすらも怪しいワケであり……。
『このネーミングセンスと、認証完了までに掛った操縦時間を鑑みるに、マスターの操縦技術を補佐するのは一苦労しそうだという懸念が湧きます。』
「いやぁ、ズバっと言ってくるね、38は。」
そもそも、38のゾンドへの接続の前の段階。
二度手間になるからと、家でではなくゾンドに乗り込んでからやったけど、主操者認証を父さんからオイラに替えるだけで精一杯という惨憺たる有様……。