第29話
「うっしッ! これで死亡フラグ回避ッ‼ そして、これで確実に自警団に入れるよね⁉ やったー! ひゃっほーぅい!」
その、大喜びで盛り上がるオイラに、
「何や、ずいぶん喜んどるけど、そんな自警団に入れるんが嬉しいんか?」
シュタイガーンバオアーのパイロットさんが相変わらず姿を見せて通信してくる。ある意味、この四方を囲まれた状況だと自棄なのかもしれない。
「そりゃ、嬉しいっしょ。(TSなんて滅多に来ないんスから)自警団に入団できて(のほほんと)暮らして行けるんスから! これで毎朝の御飯にノリタマとオカカのフリカケを掛け放題の生活も夢じゃないっスよ!」
「うわッ、夢ちっちゃ! どんだけ人間の器が小さいねん、アンタッ⁉」
「そこ! リアルに貧乏性なんスから、ほっといて欲しいっスよ!」
TSの人からのツッコミ気味の驚きの声に、更なるツッコミで返すオイラに、
「そうか、そこまで食うに困っていたか。だが、我ら自警団に入団すれば、食うに困る事はない。保障しよう!」
ヨギーさんから、求めていた温かい言葉が掛かる!
「うわーい! ほら、やっぱし良い感じじゃないっスか?」
っと、生活の保証の声に、更に大喜びするオイラに…。
「いや~、でも、うちが事前に調べた話やと、アンタんとこの自警団の新入団員がホルモンされたっちゅう話やで……?」
TSの人が、驚愕の話題を提言して来るッ⁉
「うぇッ⁉」
ちょッ、なにそれッ⁉
「なッ⁉ 何を根拠にそんな話をッ⁉」
隊長のヨギーさんがうろたえ出す。
「いやッ、実際にホルモンされたって子に直に聞いてやけど……。」
そして、無情に告げられる言葉……ッ⁉
「そ……それは、私と彼との間での合意の上であって……。」
あからさまな赤ら顔で詰まりながらヨギーさんが弁解の言葉を並べるが、それって……。
「合意の上ぇ~? やっぱし、そんな事やってたんや…。」
「しかも、アンタが犯ったんスかッ⁉」




