第18話
「すげぇ! 何か扉が出て来た! よし、扉を開けますか!」
取手の様な場所があったので、とりあえず回してみる。
……回らない……?
これはダメだ。無理に回そうとすると壊しそうだ。
「38、ここ、ノブが回らないんだけど?」
『前マスターが、ある特殊な動作で動くようにロックをしたのです。先ほどの様に、順番に工程を言っていくので、その通りに動いて下さい。』
「ほいほいさ」
『まず、ノブに接続端末があるので、それをFGまたはWGの外部接続部に繋いで下さい。』
「OK、OK」
『次に、OS……つまり、私の操縦画面で、認証キーを求められるので、リィトと入力して下さい。』
「あ、パスワード自体は同じなのね」
『次に、三つ指を立てる感じで『インサート・ミー』と3回、力いっぱい叫びながら扉を拝んで下さい。』
「インサート・ミー! インサート・ミーッ! インサート・ミーッ‼ これでどうなのよッ⁉」
『マスター。そこはさすがに冗談です。まさか本当にやるとは思いませんでした。』
あんですとッ⁉
「クッ……このお茶目さんめッ!」
このOS、中々やりおるわッ⁉
「大丈夫なのか、オマエんとこのOSは……?」
一連のやり取りを見ていたダジルさんが、不安そうに聞いてくる。
「いやぁ、さすがに父さんとオイラと過ごして学習したOSっスから、我が家的なアットホームな人格に仕上がったみたいで。」
「どういう家族なんだよ、オマエら……。」
何だか可哀そうな人を見るような目でダジルさんに見られるオイラと38……。いやぁ、なかなか照れますな。




