第56話 幕間10
「ここだぜ。ここが、迷宮の入り口だぜ。偽装してあっから、分かり難いか。」
紆余曲折、徒歩数日をかけて、迷宮までやって来たのは、勇者トミー、戦士スチュアート、盗賊ノーマン、魔術師ジョージの4名だった。
「……件の『魔法施錠』は、奥なのだろう。なら、能書きなど不要だ。さっさと始めなさい。」
「シズカに、ワナを、カイジョできるの、あいつだけ。シュウチュウさせな。ジョージ。」
ツタが、絡み付いた石壁にしか見えない場所で、なにやら作業をするノーマン。すると……
「開いたぜ。」
重々しい石同士が、擦れ合う音を立てつつ、ずれていく石壁。そして……
「ひょぉ、やるな。さっきまで、イシカベにしか、ミエなかったてのによ。」
「通路、長そうだな。松明じゃ、奥まで届かないな。」
「……で、何時まで入り口で、ぐずぐずしている。中に入る勇気も無いのか。『勇者』。」
「はぁっ! お前こそ、遅れんなよ。『魔術師』。」
この後、1列になって、狭い通路……『迷宮』に侵入する4名。しばし無言で進むと……
「行き止まりかよ。ここで、いいんだよな。」
等と言う無駄口を叩かないトミーだった。
ここで、石壁のある個所を手探りで、作業するノーマン。ややあって……
「おっ、スライドしきか。そいつが、マホーのカギかよ。」
等と言う無駄口を叩かないスチュアートだった。
ようやく出番になったので、道を譲ってもらい、『魔法施錠』の前に移動するジョージ。
「成程、『魔法』を遮断する『スライド式パネル』か。これで、『魔法施錠』を隠していた訳だ。」
等と言う無駄口を叩かないジョージだった。代わりに『開錠』を詠唱する。すると……
「仕事は、終わった。後はお前達『肉体労働者』の出番だ。」
等と言う無駄口を叩かないジョージだった。代わりに、列の最後尾に移動した。
扉を開けるノーマン。それを待って扉をくぐるスチュアート、トミー。
「お、ここだけ『魔法』の明りか……広い部屋だな。円形か……闘技場?」
ここで、轟くような、咆哮が響き渡る。トミーの呟きもかき消された。そして……
「なんだ、ありゃぁっ!」
明らかに、入り口の扉より大きい『魔物』が、大業物の戦斧を振りかざして突っ込んで来る。
「……『牛頭人体』の巨漢戦士……『ミノタウロス』か! 冗談じゃない! こんなクソザコパーティーの、手に負える相手じゃない! 私は、帰らせてもらうぞ、じゃあな。」
『魔法』で姿を消したのは、廊下から室内をのぞき込んでいたジョージだ。
* * *
次回予告
第57話 動画~質問コーナー:アフリカ
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