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第46話 家族ぐるみの交際~『PP』

 勿論、この場で『詠唱』する程愚かではない。『腕時計』に擬態した『魔法装置』は、呪文を封入可能な『能力』を持っている。予め『魔法』を使って、『魔法装置』に保存させた。

 で、その『魔法』を、今発動した訳だ。これなら問題無い。

 驚異にして、驚愕かつ、驚嘆すべきだろう。美鶴さんは、今を以て『表層思考』が無い。

 恐らく、『明鏡止水』と言うものだろう。如何なる訓練を積めば、ここまで出来るものか。

 ここで、父を始めとする家族との挨拶を終えた『画家』の登場となる。

 『画伯先生』とは、初対面故、丁寧な挨拶を頂戴しました。勿論、返礼する。

「こちらこそ、初めまして。玉衣龍善です。」

「初めまして、伊賀美鶴です。」

「……龍善君……何処かで、逢った事ありませんか?」

「いいえ、僕には特に、心当たりは、ありません。」

「そうですか。失礼致します。」

 スタッフの人から、呼ばれて、急ぎ立ち去る『画伯先生』だった。

 これが、この世界で、多数『発明』した『魔法』の内1つ。僕は、こう名付け呼んでいる。

 『個人情報防御魔法パーソナル・プロテクション』!

「ん? 『個人情報』って、personal informationだよな。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「愚かな。『プロテクション・オブ・パーソナル・インフォメーション』など語呂が悪い。」

 などと言う無意味な指摘に事実を被せる者などこの世界に存在しない。

 『個人情報防御魔法パーソナル・プロテクション』……『PP』は、2つ効果がある。

 1つ、『PP』をかけられた者は、自身の個人情報を、他者に知られても『正体』が、バレる事が無くなる。これは、『認識操作』と言える。

 これは、『PP』をかけた僕の姿を見ても、『記憶にある玉衣龍善』と、『照合不可能』になる為だ。故に、目の前にいる『PP』をかけた僕と『玉衣龍善』を同一人物と認識できない。

 しかも、これら一連の現象を、『不自然』と『認識できない』事も含む。

 念の為、学校で使ってみた所、周囲の者達は、『学生服姿の初めて見る人』と認識していた。そして、眼前で『PP』を解除した所、『玉衣龍善』と認識できていた。

 更に、それらに『一切の不自然』を感じていなかった。誰1人としてな……

「おひおひ……そりゃ、変身ヒーローは、変身中の姿を見られても正体がバレないって事か。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。


 * * * 


次回予告

第47話 家族ぐるみの交際~ありがとう、美鶴さん

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