第39話 動画~質問コーナー:『総統』
今度は、視聴者の質問に、答える形式の録画式動画だ。動画撮影者に、合いの手を頼んだ。
「本日は、宜しくお願い致します。『総統』閣下。」
「こちらこそ、宜しく。で、今日の質問は、何かな。」
「え……『総統』閣下は、何故、就任する役職に『総統』を選んだのか。そして、何故、英語訳が、『パーフェクト・ディクテーター』なのか教えて下さい。以上です。」
「その質問に答えるには、前提となる情報が多い。まず、『総統』で、3つある。1つ『意味』、2つ『語源』、3つ『言葉の一人歩き』となる。いいかな。」
「はい。『総統』閣下。では、まず1つ目、お願い致します。」
「まず、『総統』を訓読みしよう。『総てを、統べる』となる。いいかな。」
「え……それは、『あらゆる物』を『支配』している。と言う事ですか。『総統』閣下。」
「そうだ。国内では、『総統』に『命令』出来る者無し。『完全』なる『支配者』となる。」
「では、2つ『語源』になりますか。『総統』閣下。」
「そうだな。それは、昭和九年、西暦1934年8月に遡る。この時、ドイツで1人の男が、大統領選挙に勝利し、首相と大統領を兼任する事となった。誰だと思うかな。」
「……まさか! あの! 『チョビヒゲの独裁者』……ですか……。」
「当時の『制度』では出来ていた事であり、『制度』の『穴』だった。奴はそれを悪用した。」
「それが、『制度とは悪用される為にある』訳ですね。『総統』閣下。」
「そうだ。当初奴は、自身の事を『指導者』と呼べ。そう言っていた。が、これを日本語訳しても、実情と大きくかけ離れている。そこで、新たな言葉を創造したのだ。」
「確かに、『指導者』では、意味が通じませんし、誤解を生むだけですね。『総統』閣下。」
「それも、条件は厳しい。昭和九年の日本人に『理解』し易い事。更に、『短い』事。これは、新聞の紙面を無意味に、埋めない為だ。そうしてできた言葉が……」
「『総統』……と言う訳ですね。『総統』閣下。」
「では、3つ『言葉の一人歩き』だ。これは、ドイツの『総統』が、色々『やらかした』せいだ。結果、日本人は、『総統』=『比類なき独裁者』だと、刷り込まれるに至った。」
「つまり、『総統』閣下は、『独裁者』になる為に、『総統』を名乗っていると……」
「そうだ。そもそも『民主主義』には、欠陥が多い。そう言われているのは、今まで様々な、『失敗』をしたせいだ。せいぜい『悪用』され難い『制度』にする必要がある。その為だ。」
「では、最後に、英語訳の話しをして頂けますか。『総統』閣下。」
「そうだな。例えば、『総ての物』を英訳すると、『everything』となる。これを使うと、『エヴリシング・オブ・ディクテーター』となる。だが、これには欠点がある。」
「欠点? それは、一体どのようなものでしょう。『総統』閣下。」
「頭文字だ。これでは『ED』となり、まるで『CBA』が、隠されている等と誤解される。」
「つまり、『何とかコード』にさせない為ですか。よく分かりました。『総統』閣下。」
* * *
次回予告
第40話 動画~文部科学省:その1
ご愛読ありがとうございます。
面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。
励みになります。




