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第3話 祝勝会~支援か私怨か

「待ちなよ、もう1つあるんだぜぇ。オッサン。」

「おや、ノーマン君。何か、疑問でもあるのかな。」

「何故、俺らの武器に、『魔法』をかけなかった。使えるって、知ってんだぜ。オッサン。」

「確かに、その通り。『風属性』の『魔法武器付与』も可能だ。が、それには、欠点がある。」

「へぇ、『欠点』かよ。で、何があるって言うんだぜぇ。オッサン。」

「勘違いしないで欲しい。『風属性』の『魔法武器付与』だけで、あの『魔物』を紙の様に切り刻める訳では無い。せいぜい、『魔法防御』を無視して、ダメージを与える程度だな。」

「それだって、意味、あるだろう。『欠点』の説明には、なってないんだぜ。オッサン。」

「いいかね、僕が、指摘する『欠点』とは、諸君らの『攻撃力不足』にある。」

 場が静まり返った……否、凍り付いた瞬間を狙って、話しを続ける。

「ノーマン君、君の矢は、『命中力』に頼り過ぎだ。人間や獣なら、弱点も分かり易かろう。が、今回の様な植物や、亡者、スライムの類は、そうはいかない。使い方を考えるべきだ。」

「そう言うあんたには、あんのかよ。腹案なんて言うのがよ。オッサン。」

「当然だ。今回の状況であれば、敵が攻撃せんとした際に、矢を放つ。で、攻撃部位の枝に命中させれば良かった。さすれば、敵の攻撃が鈍る。味方は、防御し易くなった、いいね。」

 今度こそ、完全に反論の術を失い、黙り込むノーマン。

「なぁーるへそ。つまり、『攻撃力不足』の射撃攻撃に、こだわり過ぎた。それが、ノーマンの『欠点』だ。そう言いたい訳だな。オッサン。」

「1つ訂正しようトミー君。君にも『攻撃力不足』は、当てはまる。説明を続けるがいいかな。」

「はぁ! 俺も『攻撃力不足』だって言うのかよ! だったら、証明してみろよ! オッサン。」

「君が愛用している偃月刀は、片手武器だ。先端を重くするなどの工夫をしてあるが、両手武器程ではない。本来なら速度や手数で、押すべき所を、敵の手数に及び腰になっていた。」

 締めくくりに、トミーを指差す。予想通り、図星だった故、反論できなくなるトミー。

「最後に、スチュアート君。君は重装歩兵で、両手武器を使うだけある。一番の攻撃力だ。」

「なにが、いいたいんだ。オッサン。」

「『この中では』、一番の攻撃力だ。

それもその筈。君は、防御を『板金鎧』に頼り過ぎている。故に、全体的な動きが鈍い。斬撃速度も鈍い。それに、未だ問題もある、スチュアート君。」

「なんのことだ。オッサン。」

「確か、刃こぼれする音が、聞こえた。恐らく、力任せに両手剣を振っている為だ。君の場合、剣より、両手用の鉄槌が、相応しい戦闘方法だろう。それに、『板金鎧』にも一言ある。」

「なんだよ。オッサン。」

「敵の中には、『鎧徹し』を使う者もいる。『過信』は、禁物だ、スチュアート君。」

「……そうか……オッサン。」


 * * * 


次回予告

第4話 祝勝会~総括

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