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第26話 幕間5

「さあ! やって参りました! 一回戦、最終試合。『勇者チーム』対『カインド魔術師団』!」

 盛り上がる実況と、酒をあおる解説役。全く変化は無い。

「で、解説のサトクリフ老、この勝負どう見ますか。ずばり、ポイントは?」

「うぅ……うぃっく、ん……ぶっちゃけ、『勇者チーム』は、前衛、後衛のバランスがいい。それに対して、戦力を一点特化集中させている。ある意味『試金石』になるかのぉ……。」

「『試金石』……ですか。すると、『魔法戦力』に集中させた事で、疎かになった個所を、突く事が出来れば、『勇者チーム』の勝ちだと言う事ですね。」

「まぁ……ぶっちゃけ、できなきゃ、負けるだけじゃよぉ。」

「で、あいつらが、あの暑苦しそうな、マントとフードの連中が、一回戦の相手か。」

「気ぃつけるんだぜ。試合開始間近なんだからよ。」

 ここで、試合開始の合図……鐘が鳴らされた。

「『全体』『先手必勝』!」

「おぉーっと! 『カインド魔術師団』開始早々、『魔法』だぁっ! サトクリフ老、これは?」

「『割込魔法』じゃ。『魔法』の『詠唱』を事前に済ませておくなどの工夫で、『何時でも』、『割り込んで』行使可能な『魔法』じゃ。あいつら、練りに練った作戦と見えるのぉ。」

「成程、ありがとうございます。さぁ、『カインド魔術師団』の先制攻撃だぁっ!」

「『増幅』『増幅』『増幅』!」

「『カインド魔術師団』の『魔法』! サトクリフ老、これは?」

「『増幅』っちゅうのは、『能力』を増やすんじゃ。この場合、『魔力』じゃな。これは、魔術師Aが、Bを『増幅』。すると、『増幅』した『魔力』でBが、Cを『増幅』できるんじゃ。」

「成程、では、最後の魔術師が、攻撃する訳ですね。サトクリフ老。」

「こりゃ、年寄りの台詞を、奪うもんじゃないわぁ。まぁ、そう言うこっちゃ。」

「失礼しました。サトクリフ老。」

「『爆裂火炎』!」

「そして、最後の魔術師が、『魔力』を放つ! 巨大な火柱が、勇者達を包んだぁっ!」

「あーあ、こりゃ、ダぁミぃダぁ。あいつら、『魔法』の炎で、丸焼けじゃのぉ。」

 『炎』が、治まった時、そこには、倒れ伏す『勇者』達の姿があった。

「おぉーっと、ここで、戦闘終了の鐘だぁっ! 勝者『カインド魔術師団』!」


 * * * 



次回予告

第27話 日本向け所信表明演説~その1

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