表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/56

第15話 幕間2

「何だとぉっ! 俺は、オッサンの仲間なんだぞ! ふざけんな!」

 トミーが、受付の台を、盛大に叩く音が、重く低く響いた。

「『勇者』トミー様、あなたは、ご契約者様本人では、ございません。お預かりしました物を、ご契約者様本人以外の方へ、お渡しする訳には参りません。規則ですから。」

 あくまで、ビジネスライクに、冷淡な冒険者ギルドの受付嬢だった。

「あぁ! その『預けた金』って奴は、俺達が協力してやって、ようやく手に入れたモンだろ! 仲間を助ける為に使えよ! おめぇ、全然使えねぇーな!」

「ですが、ご契約者様本人以外の方へ、お渡しする訳には参りません。『勇者』トミー様。」

「同じ事ばっかり言うなよ! おめぇじゃ話にならねぇ! ギルドマスターを出しやがれ!」

「……では、こちらの書類に、記入提出して下さい。『勇者』トミー様。」

「手続きかよ! だから、おめぇじゃ! 話しにならねぇんだよ! 下っ端!」

「ですが、わたくしにできる事は、『規則』を守る事だけです。何しろ『下っ端』なもので。ですから、こちらの『アポイントメント申し込み書』に、記入提出して下さい。規則ですから。」

「違う! おめぇーが、ヤルべき事は、さっさと、ギルドマスターを出しやがれ!」


 * * * 


「……で、トミーよぉ。結局、書類出しただけで、終わりか。役立たずだぜ。」

「あぁ! だったら、おめぇーは、アイテムの売却できたのかよ!」

「今、進めてる所だぜ。向こうからの、返答待ちなんだぜ。」

「何だ、売却話しをまとめる事も、できねぇーのか。使えねぇ奴だな。おめぇー。」

「んだとぉ! 無能の癖に、ナマイキなんだぜぇっ!」

「ふざけんな! 役立たずの分際で! そもそも、おめぇーが言い出したんだろ!」

 このタイミングで、言い争う二人に水が浴びせられる。水をしたたせる2人だった。

「レイセイになれ。ケンカしても、ナニもいいことナイだろ。」

「……あ……ああ、そうだぜ。わりぃな。トミー。」

「こっちこそだ。すまない。ノーマン。」

 水を拭きつつ、仲直りする二人。満足そうな貌のスチュアートだった。

「だが、よう。金が、ねぇぜ。このままじゃ、借金の支払いもできねぇぜ。」

「ああ、『魔術師殺し』って、結構高かったしな。」

「なら、イチカバチカだ。こういうハナシが、あるんだけどな。」


 * * * 



次回予告

第16話 中学校~イジメ

ご愛読ありがとうございます。

面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。

励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ