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第13話 日常~学習

 凄い世界だな。ここは。政治、社会、学問……全てが、桁も細分化度合いも全く違う。

 今までが、中世レベル……十世紀は、遅れている。勿論、ここにも、時代遅れなものが無い訳では無い。だが、それらはおいておく、今は。

 父が、買ってくれたタブレット端末でのお陰で、勉強はすこぶるはかどった。

 東京大学の過去問題の、正解を答える事もできた。10年分全問正解出来た所でやめたが。

 こうして見ると、欧米の大学は、入学が容易く、卒業は困難だ。日本は、逆だな。

 うん、これで司法試験の過去問題も、日英米仏独墺西葡伊蘭瑞は、1日で全問正解できた。

 だが、難航を極めた訓練がある。これには、10日もかかってしまった。

 箸の正しい使い方だ。

 これが、厳しかった。フォークやスプーンとは、全く用途が違う上に、機能としてフォークを兼ねている。そこが、凄い。それ故、慣れるのに時間がかかった。

「刺し箸、舐り箸、咥え箸……兎に角、マナーが多いな。覚えがいがありますね。」

「龍善……勉強の方は、進んでいるのか。」

「お父さんが、色々買ってくれた物が、凄く役に立っています。」

「龍善、ゲーム位、やってもいいんだ。息抜きも重要だからな。」

「ありがとう、お父さん。大丈夫です。課金は、してません。」

「お父さん、龍善、ご飯ですよ。」

「ありがとう、お母さん。」

 こうして、一家揃っての夕食が始まる。自営業で、経営者でもある父には、容易い事だ。

「いただきます。」

 勿論、この『挨拶』も、一家揃って言っている。一家団らんとはこう言うものだ。

 そして、今回の最大の敵を前にする。これが、今日のメインディッシュだ。

「今日こそは、アジの開きを上手に食べないと……。」

 そう、今日は『箸』を使って食する際、最も難しい料理『焼き魚』に挑戦する。

「龍善、小骨に気を付けてね。」

「はい。お母さん。」

 ゼンゴや小骨に気を付けながら、背骨を外す。慎重に、慎重に……

「ふぅ……。」

「おっ、龍善。上手く背骨を取れたな。これで、箸の使い方も、免許皆伝だな。」

「本当、良かったわね。龍善。お母さん嬉しいわ。」

「ありがとう、お父さん、お母さん。」

 こうして、アジの開きを、奇麗に食べきる事ができた。やれやれ……

「そうだ、箸も完璧にできる様になったし、試験に合格したらお祝いをしないとな。」

 そんなこんなで、一家団らんは、過ぎて行く。


 * * * 



次回予告

第14話 日常~試験

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